コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

あーもうあいさつが思いつかんw

1章 第3幕
 第13話 その名は氷の錬金術師 by8/14午後6時



バルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!!


四方八方から襲い来る大量の弾丸を、セツは火炎の障壁で受け止め続ける。
弾丸がどういった構造かはわからないが、炎で防げるのは幸いだった。
が、こうして敵の位置を探る間にも弾数は増える一方である。
(ちっ……こりゃアレか、自立砲台かタレットの類だなクソ!
……でも、そんなものを軽々しく、しかもこれだけ持ってこれる人間なんて
このセイバー内にはいなかったはず……)
思案するが、中々結論にたどり着けない。流石のセツも顔に焦りをにじませる。
「―――ぇえい、ままよ!!」
これ以上の詮索はあきらめ、一転セツは攻撃に転じた。
「どるぁぁぁぁぁぁ!!」
地面に拳を叩きつけ、それに沿って無数の炎を周囲へと拡散させる。
たちまち周囲は蒼い火の海となり、そこかしこで設置されていたのであろう
自立砲台が爆散する音が聞こえてくる。
と、別の一角から人影が飛び出すのが見えた。数瞬遅れてセツも反応し、跳躍した
方向であろう方角に炎の塊を撃ち込む。
しかし着弾の直前、なんと炎がはじけとんだ。迎撃されたのだろうとセツは予測し、
さらに立て続けに炎を撃ち込むと、とつぜんその人影が襲い掛かってきた。
「っ!!」
手に持っているのは突撃用の銃剣が装着された銃だ。型はセツにはわからないが、
それが威力ある武器ということは明白だ。
そこま看破したセツは、腰のベルトに新たに装着された小さな装置のボタンを押す。
と、その内部から何かがはじけ飛ぶような音と共に、勢いよく何かが飛び出す。
パシン!と音たかくキャッチしたそれは、先刻研究員から渡された奇怪な物体だった。
「いくぜ、相棒…!」
振りかぶり、セツは得物を一直線に振りぬく。
ガギン!と鈍い接触音が鳴り、相手の動きも止まった。その一瞬を利用し、セツは相手の外見で
初見の人物かどうかを確かめる。
少なく見積もってもおそらくセツと同年代であろう、鋭い中にも幼さの残る顔立ちは少年のものだ。
不思議なマークの入ったヘッドセットをかぶり、受け止められたことに対し驚愕する瞳の色は深い藍色。
首にはアクセサリーの類であるチョーカーが、きらりと瞬いているのが見える。
さらに細かく注視すると、驚くことに髪先数センチが目と同じ藍色に染まっていた。
(異能者、レベル5!……くっ、俺よりも高位の異能者なんて、ターミナルしかいないはずなのに…!)
髪の色まで変化するということは、十中八九間違いなく「レベル5」の異能者だ。
以前セツも、総帥アストレアの強力無比な力を見たことがある。そのときのアストレアの髪は、
燃え盛る橙色に変化していたのだ。
しかし、この少年の変化具合はそれには遠く及んでいない。まだ開花して日が経っていないのだろう。
そこまで考えてなお、セツは緊張を解けないでいた。
まるで、いまにも目の前の少年がもう一人、後方から自分を襲ってくるかのような、不快な緊張。
「ヤロォ!」
そうこう考えてるうち、対峙する少年に先を越された。腰から抜かれた自動拳銃「グロック17」を勢いよく構え、
セツめがけて発砲してくる。すんでのところでセツは得物を引き寄せ、銃弾をはじいた。
そして再び得物を構えると、その少年はバックステップで後方へと飛び去る途中。
勝機といわんばかりに、セツの目が輝いた。
「甘いんだよ!!」と叫びつつ、得物の先端を少年に向けて突きつける。すると、
葉っぱ状の部分が中央で分割。上下に展開し、その中央から小さな筒が現れた。
「ファイア!!」
セツが叫ぶと同時にグリップに仕込まれたトリガーを引くと、なんとその筒から猛スピードで
弾丸が飛び出た。
「……!!」
少年も反応が遅れたらしい。グロックを向けて撃ち落そうとしたが、先にセツ側の銃弾が着弾。
向けられた銃口に突き刺さり、バスン!と控えめな音を立てて銃身が吹っ飛んだ。
「まだまだ!」
セツがここぞといわんばかりに銃撃を撃ち込む。しかし一度食らって相手もなれたらしく、
固体形のシールドを展開。全弾をはじくと新たにアサルトライフル「M16A1」を取り出し、セツに向けて発砲してきた。
高い連射力から放たれる無数の銃弾を、しかしセツは臆することなく火炎で受け止める。
ほどなくして連射が止んだ。見ると、その人物が左手を突き出しながらこちらに向かってくる。
「…っ?!」
そこでセツが、珍妙な光景を見た。突き出された少年の掌で氷が凝固し、銃の形をとったのだ。
さらに、完成したらしい銃形の氷から、なんと銃弾が飛来する。
あわてて得物で受け止めるが、内心セツはかなり焦っていた。
(兵器生成の能力……さっきの自動砲台もシールドも、全部あいつが作り出したってのか!
だったらどう対処する。…………答えは一つ!)
「うおおおおおおおっ!!!」
咆哮一発、セツは周囲に熱気を振りまく。飛来する氷の弾丸はすべて熱でとかされ、セツを襲うものはなくなった。
その隙をつき、セツは再度得物を振りぬく体勢に入る。その中途で、得物へ異能を流し込む。
すると、閉じられた葉っぱ状パーツの両端から、エネルギーでできたと思しき「刃」が出現した。
「せらぁっ!!」
びゅう!と空気を切り裂く音と共に、少年の持つアサルトライフルは真っ二つに切り裂かれる。
二度三度攻撃をかわすと、少年は後方に大きく跳び退った。
ずざぁっ、と地をすべる音が止むと同時に、セツが得意げに口を開いた。
「よー、驚いてるようだな新人クン。『難なんだあの武器はっ?!』って感じか」
無駄に上手い感情表現を織り交ぜると、少年は怒気に顔をゆがめて突進してくる。
焦ることなくエネルギー刃を展開し受け止めた後、セツは聴覚攻撃とでもいわんばかりに
さらに説明を続けた。
「無駄無駄。対峙するヤツの武器はすべてこの光刃のもとに切り捨てられる。これぞ最強の矛…ってね」
一泊の呼吸に続けて横なぎに振られた剣を、少年は大上段への跳躍でかわしてみせる。
そのまま数m離れた位置に着地し、またもアサルトライフル「M16A1」を生成、セツに向けて
発砲してきた。対しセツは、炎の壁で受け止める。
「あんたのその弾丸はすべて氷製……だから、熱にはめっぽう弱い。現時点でだけど、これぞ最強の盾ってか?」
少年の連射が終わると同時に、セツの持つ得物が閃いた。まっすぐにボディを突きつけた直後、
中央から上下に展開、砲身がせり出てくる。
「そして、これぞ最強の―――――銃!!!」
気合を込めて放たれた弾丸は、人の顔ほどはあろうかという炎の塊だった。
少年に向かい、勢いを全く落とさず爆進する。
「名づけて必殺、矛盾銃(ジャスティス・カノン)!」
少年に当たるかあたらないかの場所で炎の塊は四散し、周囲の視界をさえぎる。
少年が透視ゴーグルを生成するよりも早く、その中からセツの持つ得物が躍り出た。
「そこっ」
がつっ、と鈍い音を立てて、エネルギー刃は少年の首に巻きついていたチョーカーを切り落とす。
同時に少年が生成していた武器兵器は霧散し、少年もまた目を閉じて崩れ落ちた。




   ******




「…んぐっ」
「おう、気がついたか?」
空に星が瞬き始めるころ。セツを強襲した少年は、セツの横で目を覚ました。
「……あれ、ここは…………?あんたは……?」
「…やっぱりな。覚えちゃいねえか。…なあ、記憶が途切れる寸前の出来事とか、覚えてるか?」
セツがやさしめに問いかけると、少年は少し思案する。
「……俺は、たしか家に帰って………母さんから、預かってた届け物を受け取って……それで……
だめだ、ここまでしか…」
「わかった。無理するな…ちょっと休んどけ」
なおも思い出そうとする少年を、セツがぺしと叩いて制止する。
片膝を立てて座るセツの目には、焦燥と思案の色が浮かんでいた。
(……あのチョーカー、おそらく脊椎経由の洗脳に使う器具だ。…他人を洗脳する機械をあそこまで
小型化できる連中なんて、見積もってもそう多くはない……)
「なあ」
思考深くまで没頭する直前に、横たわる少年が口を開いた。
「俺…何してたんだ?」
「…あんたは、俺と戦ってたんだよ。意識なき状態のまま、な」
短い解説の中に真実を探り当てたらしい少年が、くると横向きに寝転がった。
「…………」
数分間の沈黙。やがて、セツが一言切り出す。
「なあ、………名前、なんていうんだ」
少年が上体を起こし、セツのほうを向く。言うかどうか迷うように口を開閉していたが、
やがて少年の口から、一つの名前が浮かび出た。
「……錬斗。光明…錬斗だ。…いつもは、レンって呼ばれてる」
少しかすれながらもしっかりと聴覚に届いたその名前は、セツにも覚えがあった。
「光明……?キミ、もしかして桜流の生徒か?」
「あ、ああ。そうだけど……」
セツの表情が驚愕、次いで喜色に変わる。
「ってことは、キミが『氷の魔術師』ってことか!まさかこんな形で顔合わせになるとはなぁ」
錬斗――レンは少し首をかしげ、その体勢のまま問いかける。
「……なんで、俺の二つ名を?お前……だれなんだ?」
レンに問われると同時に、セツは満面の笑みで己の名を告げた。


夏の涼やかな夜に、喜色を含む声がこだまする。





*********


はい、しゅーりょー。
いつも通りのやっつけなのになにこの超やっつけ感ww

というわけで、前回予告した新キャラクターはコルト・ソーコム氏執筆のスピンオフ
「夢幻町録」の主人公レンこと光明錬斗君でしたー!888−。
彼と夢幻町録は、コネクトが繋録を連載してすぐに誕生したものなんです。
ですので、なるべく早い登場にしようと思ったらこんなちゅーとはんぱな出方というねw
コルソーへ、この場を借りて謝罪します!
すんませんでしたぁぁぁぁっ!!


ゲフン、というわけで長かったセイバー編は終了です(違
次回は夏休み編ラストということで、夏といえば…?というイベントに
ユウたちが乗り込みます!乞うご期待!!
ではでは今日はここいらでー ノシ