コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

学園天国繋録 修正版にございます。

どうもこんちはコネクトです!
前回掲載していました繋録第1話ですが、修正する運びとなりました。
一応黒歴史版も置いておきますが、読むのは避けたほうがいいかと。
ではでは、修正版開始!!


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第1幕 新しい生活
  第1話 入学式の騒乱  by 4/9


ここはソウエン市の一角にある公立学校「桜流学園(おうりゅうがくえん)」。
自由な校則で有名な学校であり、毎年入学志望者は多い学校。
そして今は、今年度の合格発表真っ最中。
「………………あ!」
そして、喜びを噛み締める一人の少女がいた。
「受かった…!やったーーーっ!!!」



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ジリリリリリリリリリリリ!!
早朝。持ち主を起こすために鳴り響く目覚ましが、叩かれて黙った。
その持ち主は、金色の髪の少女だった。
寝癖は少々残っているものの、曇りのない輝きを見せる長い髪の下に携えられる幼さが残る可愛らしい顔。
身長こそ低いほうだが、それさえも可愛らしさを引き立てるための一因になっている。
「…ふふ、昨日は眠れなかったなあ……」
その少女は現在、朝食をとっていた。
無論、高校に行くための準備も整えている。
「……そろそろかな?行かなくちゃ」
点けてあったテレビの時計が、8時を示そうとしている。
食べ終わった朝食を手早く片付け、着替えるために2階の自室に行く。
部屋に入ると同時に荷物を確認。今日必要なものが入っているかを簡単にチェックする。
「筆箱と、お金と、ファイルもあるし……よし、こっちはOK!」
確認を終えると、着替えをかけてあるクローゼットの扉を開ける。
しかしそこには女子の制服と一緒に、なぜか男物の詰襟がかけられていた。
「……校則ではダメって言われてないんだし、ね…」
一人つぶやくと、何を思ったか詰襟のほうをごそごそと着込み始めた。


「丈は…あー、ちょっと大きかったかな?まあいっか」
数分後には、詰襟を着込み終わっていた。新調した学ランは彼女に妙に似合っている。
先ほどおろされていた金色の髪はヘアゴムで一つに束ねられ、
流れるようなポニーテールにされていた。
「髪の毛、カバン、すべてよし!っと」
クスクスといたずらっ子のような笑いを漏らし、カバンを引っつかんで玄関に向かう。
「いってきまーす!」
一人暮らしでもこの癖は抜けないなあ、と心の中で苦笑しつつ、
少女こと「星川 優(ほしかわ ゆう)」は通学路を歩いていった。


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「…あれ?おかしいなー」
しかし、学園に着いて早々にトラブルが発生した。
受付を済ませて校舎内に入ったまではよかったのだが、振り分けの名簿表どころか
仮の名簿さえも見つからなかったのだ。
先ほどからうろうろと探し回っていたが、どうも見つからない。
むう、とユウが唸っていると、
「ユウ?」と誰かに自分の名を呼ばれた。
下の名で呼ぶ人物など片手で片手で数えられるほどしかいない上、かかってきたのは男子の声。
誰かはすぐにわかった。
「リク!久しぶりーっ」
その少年の名は「陸道 真二(りくどう しんじ)」。
ユウの小学生時代からの幼馴染であり、近所に住む親友でもあった。
「久しぶりだなー。元気だったか?」
「そっちこそ。春休み見なかったけど、何してたの?」
「まあ、わかるだろ?オンゲーやってたよ」
「あ、やっぱり?」
そんな感じに話に華が咲いていたが、ユウが自分の目的を思い出す。
「あっ!そうだリク!」
「ん?」
急にあわてだすので、リクも少々驚いた。
「あのさ、名簿表どこにあるか知らない?さっきからずうっと探してるんだけど、
全然見つからなくってさあ……」
名簿表?とリクがオウム返しにつぶやいた後、予想外の返事が返ってきた。
「…あー、ないぞ」
「へっ?」
一瞬、思考自体がフリーズした。
「…え、な、無い、の?」と挙動不審気味になって聞き返すが、
「ああ、無いぞ」とばっさり切り捨てられた。
ユウが落胆する暇も与えずに、リクが説明を続ける。
「ココの学校って、進学するときにどのクラスに行くか決められるらしいんだよ。
新一年にもその校則が適用されてるみたいでな。その関係で名簿は張り出されてないんだと、よ」
「…ふーん」
すっかり気の抜けた返事を返すユウ。
「なんか、いろいろヘンな学校だよね。校則もすごく緩いしさ」
「ああ、そのことに関して質問があったんだ」
リクの言葉に?を浮かべ、彼を見やる。
「お前、まだ男装癖抜けてないのかよ?」
言われ、自分の現在の格好を確認する。
「……ん、あはは、まあ、ね…」
「いやまあ、別にいいんだけどさ?…なんていうの、アレだ。その、俺に対する罪悪感が
すっげー重くのしかかってくるんだよなあ……」
男装に関連するトラウマを思い出したらしく、がっくりと肩を落とす。
「だから、前も言ったでしょ?今のこの格好は、もう昔から来てるものじゃないんだし、
リクが気にかけることじゃないんだよ?」
バーになっているか怪しいカバーをかけられ、リクは苦笑いをこぼした。


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「…といった理由により、本校の校則は非常に…」
ユウたち新1年生達は、入学式に望んでいた。
この学校は、実はかなり風変わりな校則を持つことで知られている。
というのも、この桜流学園の校則はほぼ放任ギリギリのクラスまで来ており、
アルバイトはもちろんOK、図書室への本追加自由、部の発足自由、
あげく服装も私服でOKというトンデモ校則である。
とはいっても今は式の最中。いくら服装自由といえども
今日だけは全員制服を着用することとなっている。
(……ふあ、眠い…………)
可愛らしく小さなあくびをしつつ、横に座っているリクをみてみる。
「…あ、寝てる」
背筋をきちんと伸ばした状態でスースーと寝息を立てていた。器用だなあと思いつつ起こしてみるが、
反応はなかった。
(…ま、いいかな?私も、ねちゃお……)
ほどなくして、ユウの意識は途切れた。


―*―*―*―*―*―*―


バダン!という戸をたたきつけたような音で、ユウは飛び起きた。
「ふえっ?!」
びっくりして眠気もすっ飛んだらしい。即座に音のほうに向き、仰天した。
「オラオラ!!ココにいる全員、おとなしくしやがれぇ!!!」
なぜなら、ドタドタと足音高く入ってきたのが、屈強そうな男の集団だったからだ。
いきなりすぎる乱入者の登場に、生徒達はどよめく。
中には悲鳴を上げるものもおり、先生達も驚いて動けなかった。
「な、な、なんだこれ!いったい、どうなってんだよ?!」
騒動にまぎれてリクも起きていた。あわてつつ、ユウに説明を求める。
「ご、ごめん…ボクにもさっぱりで……」
そんな二人をよそに、乱入してきた男達は瞬く間に体育館を制圧していった。


* * * * * *


桜流学園には、一つ悪い噂があった。
なんでも、学園に入学した奴の数人かが4月のうちに行方不明になるっつう、物騒なものだ。
…最初言われたときは信用できるとも思わなかったけど、まさかそれが目の前で、
しかもこんな大々的にやるなんて、あいつら相当の手慣れなんだろうな。
それに、さらっている生徒のことも俺にはわかっている。
カンさえあたれば、そろそろ俺にお声がかかることだろうな。
……ふふ、三年ぶりかな?こいつを使うってのは…。


* * * * * *


「おい、そこの男子生徒!」
先ほどから、集団は生徒数人を選出して引っ張り出していた。
ユウとリクは被害にあってはいなかったが、同じクラスの生徒一人についに声がかかった。
声をかけられたのは、寝癖でボサボサになった髪を持つ、気だるそうに半目を閉じる少年。
「さっさと立って、こっちこい!」
しかし、その少年は何度呼ばれようと立とうとしない。
業を煮やした一人が、少年を引っ張り上げる。
「ぐぅ?!」
だがその瞬間、猛烈な速度で男の腹に拳が叩き込まれた。
短い悲鳴とともに、少年の手を持った男が崩れ落ちる。
「…うるさいよ。ギャーギャー騒ぐな」
少年の声は低く、そして重い。
一瞬たじろいだ男達だが、反抗する少年を抑えるために瞬時に飛び掛った。
四方八方から男達が飛び掛ってきたが、少年はひるんだ様子一つ見せない。
「…ワンパターンの煩悩どもが」
それだけ吐き捨てると、後方から迫ってきた男の肩に飛び乗り、
蹴っ飛ばしつつ後方に飛び退った。
「何?!…てめえコノヤロウ!!」
その身体能力についていけず、数人が激突する。
しかし見切った数人が、その動きに追随するように追ってくる。
無理な体勢で着地して隙のできた少年の周囲に、男達が立ちふさがる。
だがしかし、そんな窮地に近い状況に立ってなお、少年は平静でいる。
「弱い奴ほど群れたがる、ってか?……ふん。お前ら、俺が手加減してやるんだ。
ありがたく思えよ」と挑発さえしていた。
当然、男達はぶち切れた。取り囲んでいた全員が、いっせいに襲い掛かった。
「……自分が誰を相手にしてるのか、わかっといたほうがいいぜ。単細胞」
冷たい笑みを浮かべ、同時に右手を振りぬいた。
瞬間、少年の周囲で蒼色の炎が爆発。男達をいっせいに吹き飛ばした。


「「うわあっ!!」」
離れていたが、爆発の衝撃は生徒達のいる箇所にも届いていた。突風が駆け抜ける。
「あれは……」
そんななか、ユウとリクは目撃した。
少年が、先ほどの蒼い炎を手にまとったのを。


「っへへ、ほら、かかってこいよ?今までも異能者にケンカ吹っかけてたんだろ?
さぞお強い異能をお持ちでいらっしゃるんだろうなあ!」
少年の冷笑は、いっそう強いものに変わっている。ケンカ口調で男達に話しかける。
「この…っ、ガキめ!なめるなよ!!異能が使えるくらいで、調子に乗るな!」
そういうと、周囲にいた男達も一斉に爆発めいたエフェクトと共に赤い炎をまとった。
「『発火』…?おいおい、最低ランクで威張ってたのかよ」
冷笑は依然として崩れない。
「なめる…なあーーーーーーーっ!!」
さすがにカチンと来たらしい。男の一人が激昂して襲い掛かった。
「はっ、単細胞に脳ナシをプラスだな!」
短く聞こえるようにつぶやくと、男の放った炎の弾をさらりとかわし、
逆に自身の蒼い炎の塊を叩き込んだ。
派手に吹き飛んで倒れた男に代わり、別の二人組みがほぼ同時に飛び掛る。
「おっそ」
こんどは小声でつぶやき、二人分の炎付きパンチをかがんでかわす。
続けてその場にあった足2本のスネに直撃するようローキックを打ち込む。
「ぐおあっ?!」
「ぶぎいっ!?」
ヘンな悲鳴を出して、二人がうずくまる。運のいいことに、両方にあたってしまったらしい。
「ほら、ほら!足りねえぞ?もっとこいよお!!」



そんなやたら強い少年を、生徒達は静観していた。
「なんだあいつ…アクション俳優かよ?(by男子生徒)」
「なんかさ、手から炎がでてたよね…?(by女子生徒)」
いろんな場所からヒソヒソ話がもれる中、ユウとリクも戦いを見守っていた。
「あっ……!」
見ると、前方に固まる4人を相手にする少年の背後に、一人が回り込んでいる。
「このっ!」
「んなっ、お、おいユウ!」
リクが声をかける前に、ユウは動いていた。
特に何を考えたわけでもなかった。彼を助けるためだけに。



「そこまでだあっ!!」
「っ!」
背後からかかった声で、少年は思わず一連の動作を止めてしまった。
振り向かずともわかった。背後に、敵がいる。
(ちっ……さすがに、大多数戦はきつかったかな)
目を伏せると同時に、蹴りの一撃が打ち込まれた。







「…?」
少年は違和感を感じ、後ろを見やった。
「ごほっ……!?」
背後から蹴りを入れようとしていたらしい男が、飛び掛ってきた別の生徒(つまりユウ)に
蹴り飛ばされていた。
着地と同時に、束ねてある綺麗なブロンドの髪がふわりと揺れる。
(なっ…女子?いや、着てるのは学ランだし…このこの学園にはそんな変わり者もいるのか?)
とりあえず考えるのは後だと割り切り、突如飛び込んできた生徒に声をかける。
「おいアンタ。さっきの見た限りじゃケンカは強いみたいだけど、大丈夫か?」
「どういうことですか?」
澄んだ高めの声だ。少年が女性だと確信する。
「この大量の雑魚どもを、生身のお前が相手できるのか、っつう話だ、よっ!」
バタバタと走る音に紛れ、問いかけつつ敵に回し蹴りを叩き込む。
「大丈夫ですよ!ケンカには慣れてますし、このくらいならワケありません!」
不敵に微笑みつつ、ユウが左フックを打ち込む。
戦いぶりからしてかなりの手慣れなのだろうと思う。少年が口元をゆがめた。
「オーライ……!」
別々の方向を向き、背中を合わせて停止する。周囲には、ダメージを負った数人の男達。
「じゃ、頼むぜ?」
「ええ、お任せを」
双方の考えを看破し、二人は真逆に走り出した。


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「だりゃあああああっ!!」
咆哮とともに、少年が蒼い炎の塊を撃ち出す。
「せえええいっ!」
ユウも相手の炎をかわしつつ、空中からの回転蹴りを叩き込む。
「っそヤロ!へらねえなあオイ!!」
悪態をつきつつ再度蒼い炎をだすと、今度は放射状にふわりと線を描く。
広がった炎が猛烈な勢いで男達に迫り、そのまま絡めこんで吹き飛ばしていった。
「それ、かっこいいですね!ボクにも、つかえますか?!」
「さあ、な!『異能』が開花するかどうかは、その人次第さ!!」
会話をはさみつつ、少年が現在残る敵の総数を確認する。その数、おおよそ8人。
「っし、金髪!下がって伏せとけよ!」
「あっ、はい!」
ユウが撤退したのを確認すると、「うっしゃあ!」と少年が意気込んだ声を上げる。
「いくぜ…『蒼炎光波』、クエイクぅ、ウェェェェェェェェェェェェェェェブ!!!!」
かわら割りまがいの体勢で右手に蒼い炎をまとうと、一気に体育館の床にたたきつけた。
すると一瞬の後に炎が膨張、幾重にも重なる波紋のように周囲に高速で広がっていく。
遠いところ近いところかまわず敵をなぎ倒しつつ、衝撃波は広がっていった。



「「「うわあああああああっ!?」」」
衝撃波は生徒達のほうにも及んでいた。半端ではないその威力に、生徒達は悲鳴を上げる。
「ぐうっ……?!」
うめき声を上げ、リクも顔をしかめていると。
「ったくよお、あいつは相変わらず無茶苦茶やりやがるなあ」
そう呟きつつ、リクの横に何者かが立った。驚いたことに、あの衝撃を受けてもびくともしていない。
そこまで考えた瞬間、生徒達を襲っていた衝撃波が急に途絶えた。あまりの唐突な出来事に、リクが
驚いて顔を上げる。
見ると、先ほど呟いたらしい少年の手に紅蓮の炎が揺らめいていた。彼が衝撃波を打ち消したのだろう。
体育館の照明に照らされて、顔はわからない。
「あんた……は?」
思わずリクが問いかけると、少年は肩をすくめて答えた。
「まあ、アレの友達兼お仲間。それ以外は何者でもナッシブルさ」
それだけ言うときびすを返し、元いた席のある場所に戻っていった。
その動作を、何かを言うでもなくリクが見つめていた。



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「…はい、これでいいわよ」
「どうも、ありがとうございます」
その後、校内保健室。ぶち壊しになった入学式は現在進行中だが、先刻の騒動で多少なりとも
怪我をしていたユウたちは保健室にて治療を受けていた。
「しばらくは安静にしててね。また後でくるから……」
そういうと、保健の先生は部屋を出て行った。入学式に向かったのだろう。
「…………」
何を言うでもなく、ユウはベッドに倒れこんだ。
目を閉じると、先ほどの戦いがフラッシュバックする。
(さっきの……あの蒼い炎…………)
ふと、少年の纏っていたあの蒼い炎のことが脳裏に浮かんだ。アレは一体なんだったのだろうか。
「……あの、いいですか?」
「ん?」
考えても仕方ないと判断し、横で寝ていた張本人に聞いてみることにした。
「…さっきの、あの蒼い炎って……」
「一体どういうものなのか、ってか?」
先読みされた。ユウは驚きつつ頷く。
「…悪いが、今は教えられない。多分教えても、信じないかアレだろう」
「機密事項、ってところですか」
「ああ。物わかり良くて助かる。……とりあえず、あれは『異能の力』だってことだけ教えとく」
「異能……」
聞きなれない単語だった。数秒間思案していると、少年のほうから声をかけられた。
「そーいや、アンタ名前は?」
「へ?」
「や、さっきのアレがいい戦いっぷりだったからな。知り合い程度ならいいんじゃないかねって
思ってさ……ごめん」
最後のほうが尻すぼみになった。理由付けに難があったのを考えた結果だろう。
元々人間関係に疎かったユウは、少し前に同じ様な話し方をしていた覚えがあるのだ。
「……星川。星川 優って言います。あなたは?」
答えたのが予想外だったのだろう。勢いよく顔を上げて驚いた表情を作ったが、すぐに笑った顔になる。
「……また悪いけど、本名は教えられない。そうさな……『セツ』とでも呼んでくれ」
「はい。これからよろしくお願いしますね、セツさん!」
「おうよ。よろしく、星川さん」
微笑みあうと、握手代わりにコツン、と拳をうちあわせた。



ユウ達の波乱の学園生活が、今日から始まる。


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はひー、修正完了!
一話の戦闘が納得いかなかったため、初っ端からセツを登場させることとなりましたw
異能使いが居たほうが戦闘は格段に書きやすくなりますのでねw
……はい、なんかすいませんw


さて、これからは新たに「学園天国繋録」を開始していきたいと思います!
ネーミングに特に意味はありません。しいて言えば「コネクトなりの学園物語」と言った具合でしょうか。
ナイツロード以上の長期連載を予定してますので、よろしければお付き合いいただければと。
それでは、今日はここで ノシ