コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

繋録第2話!w

更新しすぎな気がしますがコネクですw
指が半端なく動いてます。ぶっちゃけナイツロードの倍動いております(何


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 第1幕 新しい生活 
第2話 日常    by 4/19



「おはよ〜っす」
呑気に挨拶しながらリクは始業前の教室に入る。
「おーう、おはようさん」
すでに登校していたセツも軽い挨拶を交わす。と、リクがあることに気づく。
「ん?ユウはまだか?」
「ああ、まだ来てないな。寝坊ちゃうか?」
セツは関西弁で冗談をかます
「ん〜、あいつに限って寝坊、なあ…」



…そのころ、ユウ宅…



甲高い音で目覚ましが鳴っている…はずなのだが、今日は鳴っていない。
「む〜…」
その目覚ましの傍らにある布団には、人が潜り込んでいた。
「う〜、眠い…いま何時?」
寝ぼけ眼でユウが顔を出す。普段ポニーテールにまとめられている金髪は、寝癖でボサボサになっていた。
眠たそうな顔で目覚ましを見やる。針は7時前を指している。
「…あ、もう7時か…起きなきゃ」
そういいつつ布団を跳ね上げて半身を起こす。朝日がカーテンの隙間から差し込んでとてもまぶしい。
「…ふう、眠い…」
そのまま倒れてまた寝そうになる。
「おっと、起きなきゃ…」
危うく寝そうになりながら、ユウは何とか起きて洗面所に向かう。
「……んっ?!」
洗面所に据え付けてある時計を見て、ユウは寝ぼけ眼を見開いた。
「…8時半?!うそっ!」
ばたばたとあわてて目覚ましを見に行く。秒針が止まっていた。
「うわああ!遅刻だああ!!」
少女らしい声が部屋中に響いた。




…学校にて…
「座れ〜、出席取るぞー」
先生の声で生徒たちが慌しく席に着く。
(…結局、ユウはまだだな…)
リクは校門を見やる。



…そのころ、ユウは…
「やばっ!もうホームルーム始まってるじゃん!!うわああ遅刻だああ!!!」
一人で色々いいながら、ユウは人気のない通学路を走っていく。




「星川!…星川?いないのか?」
先生が呼ぶ生徒、星川優(ほしかわゆう)ことユウは
いまだ来ていなかった。
(いくらなんでも遅くないか…?なんかあったのかな…いや、まさかな)
ユウが遅刻することは稀だ。いつもならば、遅くともホームルーム直前には席について自分と喋ったりしている。
しかし今日は、ホームルームになっても当の本人は来ていなかった。少し心配になる。
(寝坊…とは考えがたい…か?いや、たしかあいつ、朝には弱かったっけ…?)
と色々考えていると、
「陸道!」
リクこと陸道真二(りくどうしんじ)は名前を呼ばれる。
「あ、はい!」
危うく返事をし損ねるところだった。あわてて返事をして、考え事に区切りを打つ。
(…まあ、あいつが来たら聞いてみるか。うん、そうしよう)
そう区切り、一時間目の宿題をやり始めた。


「…じゃあ、ホームルームは終わりだ。星川が来たらこいつにバツ印付けといてくれ」
そういうと、先生は足早に教室を出て行った。
「あ〜あ、とうとう来なかったな…ん?」
ため息混じりで呟いたリクの視界に、外を走る人影が入る。
「…誰だ?いや、アレは…ユウ?」
校庭を走るのは、男子生徒…ではなく、学ランを着込んだユウだった。
「お?なんだ、星川の奴やっときたか」
いつの間にかセツが横に立ち、その様子を楽観していた。



「ひえ〜、もうホームルーム終わってるよなあ…はあ」
走ってはみたものの結局間に合わなかったユウ。
「あーあ、もういっそのんびりくればよかった…」
上履きに履き替え、校舎の廊下を歩いて進む。
「…!やばっ…」
目の前を歩いてきたのは担任の先生である皆藤真人(かいどうまこと)だった。
彼は学園の中でも特に厳しい担任の一人である。
特に二日前に行われた補習授業は、生徒間では「ヘルタイム(ヘル=地獄)」とも呼ばれているほどに
スパルタなことでひそかな話題を呼んだことがある。
つまり、遅刻した今ここで対面するのは非常にまずいことだった。
「…向こう通ろっと」
自分でも無意識にきびすを返していた。


「おはよーございまーす…」
聞きなれた声と気だるい感じに、セツとリクはすぐに反応した。
「おおユウ、おはよー!」
すぐに挨拶を返し、彼女の風貌を見てみる。リクは少し安心した。
(…ただの寝坊だったみたいだな)
現在のユウは、かなりだらしない格好になっていた。いつものポニーテールにしてある髪はところどころ寝癖がついており、
着込んだ学ランのボタンが一つずれている。
「ぷっ」とリクが吹き出し、その格好を指摘してやる。
「ユウ、髪髪」
「…へ?ああ、しまった寝癖…」
半分寝そうな顔で寝癖を気にする。ついでにもう一つ。
「あと、学ランのボタンずれてるぞ」
「えっ?ああ!ホントだやっちゃった!も〜…」
あーあ、といった顔でボタンの位置を直しつつ、席に向かう。
「はあっ。我ながら寝坊しちゃうなんてなあー」
「珍しいな、お前が寝坊とは。昨日なんかあったのか?」
そう聞いてみると、ユウが勢いよくリクたちのほうに全身を向ける。
「昨日じゃないの!…目覚ましの電池が切れてた」
「あーあ、そりゃドンマイとしか言えねえな」
「そいつぁひでえな。目覚まし無いと起きるに起きれねえよなあ」
笑いながら三人は仲良く喋る。



一時間目:数学 


「…ということから、因数分解は展開を逆にした公式だ、ということがわかる。因数分解の基礎はいいな?
じゃあ練習問題だ。教科書12ページの問題1番をやってみろ」
先生の指示で、生徒が一斉に問題に取り掛かる。が、約一名やってない人物がいた。
「…くう」
「おーい、ユウ?起きろー」
教室隅っこの席でユウが机に突っ伏して眠っており、リクがそれを小声でおこそうとしている。
ユウはこう見えて睡眠家だ。一日最低でも8時間は寝ないと気がすまないらしい。昨晩は夜更かしでもしていたのだろうか。
とにかく、この様子だとこの時間中は起きそうになかった。
しょうがなく、リクは問題に取り掛かる。


「よし、そこまで!じゃあ…セツ!解いてみろ」
「うっげええ〜、なんで当てるかなあああ…」
小声でぶつぶつ文句を言いながら、セツが黒板の前に出る。
「えーと、これがこうなってだな…」
(おい…そこ間違ってる…)
心の中でリクが突っ込んだ。


その後、自信満々に書いた問題が大外れして、セツが大恥をかいたのは言うまでもない。




二時間目:社会


「す〜…く〜…」
一時間目と同様にユウは突っ伏した体制で眠りこけていた。
「おい星川、おきろ!」
教師からお咎めがかかるが、起きる気配がない。
「おい、ユウ?先生が怖い顔してみてっぞ?」
リクが声をかけるが、やっぱり起きない。とリクは先生に向かい「すいません」の合図を送る。
そして、つかんだ教科書の背表紙をユウの頭にあてがい、
コツン!
「あた!」
いい音が鳴った。
「ほい、起きろ。前見てみい」
セツが促し、ユウが前を向く。
「星川、あとで生徒指導室に来い。来ない場合は成績を下げるからな」
「…すいません」
よりによって社会の教師は、スパルタ教師こと皆藤だった。




三時間目:理科


「というようにして実験を行います。誰か質問はありませんか?」
教室が静まり返る。
「よろしい。では各班で実験を開始してください」
「「はーい」」
生徒たちがどやどやと実験に取り掛かる。
「実験ってさあ、俺どうも苦手なんだよなあ…」
リクに向かい、ため息混じりに話すセツ。
「俺も実験は苦手だ…まあ、それ関連のエキスパートはいるけどな」
「誰?」
リクは無言で隣を指す。
「…あ〜はいはい」
やっぱり眠っているユウがいた。





4時間目:体育


ピイィーーッ!
けたたましい笛の音とともに、生徒たちが一斉に走り出す。
「お前にだけは負けねえからな!ユウ!」
「そんな軽口叩くと、また女の子に負けるよー?ふふっ」
ユウとリクは互いに挑発しながら、一周300mのトラックを走っていく。
「…あいつら、なんで、あんな、元気、なのか、ねえ、ふうっ」
かなり後ろで、セツがいろいろぼやいていた。



流石に体育の時間までユウが眠ることはない。
「じゃあ、今日は肩慣らしだな。体育館を開けてあるから、室内競技がやりたい人はそっちにいってくれ。
屋外競技をやる人は、このまま待っていてくれ。以上、各自解散」
先生からの連絡事項が終わり、生徒が散り散りになっていく。
「んで、リクらはどうすんの?」
「そうだなあ…ユウ、なにするよ?」
「決まってないの?じゃあボク、バドミントンしたい!」
「「うし決まり〜」」
そのまま体育館に直行する。



で、10分後。



「どわった?!」
「やった!ボクの勝ちっ!」
「おーしゲームセット。ユウの勝ちな」
セツが惨敗していた。
「あ〜、なんであんなのが返せないのか自分でもわかんねー…はあ」
ぶつぶつ言いながら、交代のリクにシャトルを手渡す。つぎはセツが審判だ。
「おーし、ルールはさっきのとおり15点先取で勝ち…で、いいな?」
両者が頷く。
「じゃ、プレイっ!」
セツの掛け声で、二人の試合が始まった。



10分後。
ビュン!と空振りの音が鳴る。そのままシャトルは地面に落下した。
「イエーイ!リクに勝ったぁーっ!」
結果はユウの勝ちだった。
「ちくしょおーっ!」
対するリク。かなり悔しそうに座り込んでいる。
「あーあ、リクも負けちまったかあ」
「くそ〜…次はセツとだな」
「うっしゃ、負けへんからな?」
「そりゃこっちのセリフ」
「敗者の方々ー、準備はいいですかー?」
「「うるさいっ!!お前は口出すなっ!」」
両者のシンクロで笑い始めるユウだった。





「…ふーん、小学校んときからあんなだったのか?」
「あー、あの挑発癖は昔っからだし…俺も俺なんだけどな」
体育が終わり更衣途中。セツとリクは更衣室で着替えながらユウについてしゃべっていた。
(まちがってもユウは女の子なため、ここにはいない)
「それに、あいつは運動神経が良くてなあ。小6のときはクラスから『知恵の陸道、技の星川』とか付けられてたからなぁ」
「うわ、厨2クセぇ」
更衣室の喧騒に紛れて、二人の笑い声が響いた。がその直後
「ぅ痛ぁっ!?」
パチッ!という音と共に、リクが勢いよく飛び退いた。
その様子を見て、あきれ気味な目でセツが見やる。
「えー…4月にそんな静電気って、お前どんだけ貯めやすい体質なんだよ…」
「ぐぅぅ〜…いや、最近からなんだ。体質変わっちまったのかなー」
ブツブツと文句をたれるリクは放っておき、セツがさっさと着替えを再開する。


その顔に張り付いた鋭い微笑は、誰にも見られることはなかったが。




…昼休み…


「おーう、こっちこっち」
「悪いな、遅くなって…」
三人は、昼食のために屋上へ来ていた。
「…にしても、だれも居ないな」
思ったことをセツは正直に呟く。
「はい、ここはまだ誰も知らない所なんです。だから、授業意外にはほとんど使われてないんです」
「へえ…こりゃまた、いいトコ知ったな」
まるで子供のような笑い顔になるセツ。
「なんだ、セツってこういうとこ好きなのか?」
笑い顔をそのままに、セツは続ける。
「ああ。こういう…なんていうの?友達間で共有する『自分たちだけの秘密』ってのを持つのが大好きなんだよ」
二人は笑ってみせる。
「ふふ。まあ、ボクもそういうの好きですよ」
「俺らだけの秘密…ね。いいじゃんそれ、あの場所みたいでさ」
しばし、食事も出さぬままに三人は談笑していた。


「へ?二人ともゲーマー部くるの?」
いきなり会話の中に入ってきた別の話題に、セツがきょとんとする。
「おう、俺ら入る部活がなくてな。だから、二人ともそこに入ろうって話になったんだ」
「はい。それで、セツさんはゲーマー部所属でしたよね?
できれば、セツさんから部長の方に話を通しておいて欲しいんですが…いいですか?」
敬語でユウが懇願する。
「ん、ああ、大丈夫だぜ。…んじゃ、放課後に俺のトコにきてくれねえか?」
「了解だ」
「わかりました」





5時間目:音楽


ここまで寝っぱなしだったユウは、流石にもう寝ることはない。きちんと起きて、きちんと授業を受ける。
「では、前回に習った曲がリコーダーで吹けるかテストします。三人一組で、先生のところに受けに来てください」
そういいながら、音楽の先生が別室に移る。
「んじゃあ、俺らは決定だな」
「うん」
「異論ないよな」
ユウ、リク、セツの三人が一組になる。
「…そういやさ、セツってリコーダー得意だったっけ?」
「ん〜…どっちかっつうと、苦手かなw」
「吹いてみてくださいよ」
「え〜…。はぁ、わあったよ…」
ぶつぶつといいながらセツはリコーダーを構える。
数秒後、二人の前には器用にリコーダーを鳴らすセツがいた。




6時間目:技術


「以上がキーボードの基本操作だ。では各自、デスクトップにある『ワープロ検定』を開いて
やること。一番タイピングの早かった者には成績に10点を加算する。でははじめ!!」
先生の号令で、生徒全員が一斉に作業に入る。
「セぇツ!てめえにゃ負けねえからな!」
「ぬかせ!俺に勝とうなんざ考えねえこった!!」
「二人ともー、キーボード壊しちゃだめだよぉ」
他の生徒そっちのけで、二人で猛スピードの熱戦を繰り広げていた。



放課後…



「おお、おかえりコネクト!新人キタ?」
「ん、まあな。ちゃっちゃと紹介しますかね」
桜流学園ゲーマー部部室…前。
セツは、ゲーマー部の仲間と合流していた。
「えーっと、こっちの子がユウで、横にいるのはリク。両方とも俺の友達」
手早く紹介を終え、入部届けを出しにきた二人を前に出す。
「ほい、挨拶挨拶」
「あ、はい…」
強引に押し出された二人だが、きちんと自己紹介はする。
「えと、星川優です。このたびこちらの部に入部することになりましたので、どうぞよろしくお願いします」
「俺は陸道真二っていいます。ユウの幼馴染で、セツさんの推薦で入部することになりました。
以後、どうぞお見知りおきを…」
自己紹介を終えた二人は、前にいる大柄な部員を少しばかり見やる。
「へえ…コネクト、お前の推薦か。腕は確かなのか?」
「おうよ!特にこっちのリクはFPSが無駄に強くてな、俺がやったら全然勝てねえのなんのって」
部員とセツは和気藹々と話している。
「おっと!そういやオレの自己紹介、まだだったな。
オレはソウ!名前はセツと同じペンネームみたいなもん。これから仲良くしようじゃないの!」
そういうと、ソウと名乗る男部員は二人の肩をぶっ叩く。
「うーし、じゃ部を案内してしんぜようじゃないげふぁら!」
「そろそろそのノリ自重しなさい」
「ゴメンナサイ」
セツとソウのやり取りは、不思議と親密さを出していた。



「で、陸道が得意なのはFPSだったな?」
部室内で、二人は質問に答えていた。
「はい。あ、あとはアクション物とか大好きですよ。弱いですが」
「えー、聞いた限り強そうなんだがなぁ…で、そっちの、星川やったっけ?何が得意?」
聞かれて、ユウはソウから目をそらす。
「ん?どした?」
「じつは…ボク、あんまりゲーム得意じゃないんですよね…ハハ……」
ユウの空笑いが響く。がソウは気にせずに、
「なんや、そうならそうと言えば良いのに。ん〜じゃあ、好きなジャンルは?」
「あ…えーと、テトリスとかパズル系なら好きですね」
とユウが言ったとたん
「キタアアアアアアア!マジktkr!」
ソウのテンションが変わった。
「いよっしゃああ!助かったあああ!これで存続確定や!!」
「えっと、その、何が…」
聞かれて、ソウが即効で答える。
「ああ、いや、次ってか一週間後にパズルゲーム大会があるんだけどね、その大会出なきゃここ廃部だったんだよ!」
…………え?
「は、廃部…?なんでまた、そんな…」
「実はなあ…」
ソウは静かに話し始める。
「ここの部活、元々のメンバーが少ない上に、ゲームの弱い連中や成り行きで入った連中ばっかりで成り立ってたらしくてな…
で、去年の卒業生がいなくなったこの部には、もう廃部意外なかったんやって…。
でも、次のゲーム大会に参加できる人数さえ揃えれば、この部活の存続が保障されてたらしいんよな!」
「…え?じゃあ、ボクが入部しても意味ないんじゃ…?」
「いやいや、それがな…。さっきも言ったとおり、ここには成り行きで入った連中が多くて、実質部として
成立してないんよな。部員も大会に参加する気はないみたいで、もうほとんどの人がこの部辞めてしまってな…
残ったメンバーじゃ、多分参加もできひん状態やってんな…だがしかあし!!
星川が入部してくれたおかげで、大会には参加できそうなんよな!なあセツ!」
「…お、おう…」
ソウのテンションにセツもおされ気味である。
「…そういえば、参加資格とかってあるんですか?」
「ん?ああ、まあな。といってもただ一つ、どんなものでも良いからゲームが好きな人っていうのが、な」
(あ、ああ…それだけか)
内心ユウは苦笑いをこぼす。
「と!いうわけで星川!ぜひ大会に参加して欲しい!」
と勢いよく頼まれたので、
「は、はい。わかりました」
としか返せなかった。





「はあ〜、ソウのやつ、中学のときからあんなノリなんだよなあ…そろそろ飽きてきたよ、俺」
その後、校内廊下。セツは愚痴を二人にこぼしていた。
「ああ〜、まあ、ハイテンションなのはいいんじゃないですか?」
ユウが若干擁護に入る。
「まあ、何にしろ面白そうなとこだな」
「はは、あいつ今仮部長してて色々大変なんでな。二人とも、あいつ助けてやってくれよ」
笑いながら進む三人。ただ、
「なあ、セツ。今どこに向かってんの?」
とリクが聞いてみる。
言われてみれば、今進んでいる廊下は昇降口へ続く廊下ではない。
「ん?ああ、ちょっと二人に見てもらいたいものがあってな」
二人は頭上に?を浮かべた。


そして、進むこと数分後。
「まあ、入ってくれや」
そう言われて、ユウとリクは案内された部屋に入る。するとそこには、
「おお…」
「うわあ……」
どこぞの軍の射撃練習場よろしい光景があった。
すると、セツが前に出て二人にこう言う。
「ようこそ、サバゲー部部室へ!」






「…しっかし、よくここまで作りこめたなあ」
部屋の案内を受けた後、リクがつぶやく。
「まあな。俺は工作が好きだったし、こういう簡素な設備くらいならダンボールでチョチョイのチョイよ」
「「はあっ?!ダンボール!?」」
ダンボールという単語で二人が見事にハモる。
「あ、ああ。ダンボールだけど…それがどうした?」
ちょっとたじたじになりつつセツは返事を返す。
と、その返事を待たずに二人は色々なものを調べ始める。
「…あ!ここの仕切りも台もホントにダンボールだ!」
「ってことは、的もか?」
「おう、ほとんどお手製さ。強いて言えば、お手製じゃないのは銃くらいだな」
しれっと言ってのけるセツに、二人は若干敬意を覚えていた。


「…で、終わったらこのレバーを引いて…」
その後二人は(半ば強制的に)射撃練習をしていた。FPSが好きなリクはリロードの方法を知っていたのでなんともないが、
初心者のユウには流石に慣れなかった。
「おし、じゃあそれを的に向けて、トリガーを引いてみな」
「う、うん」
なれない実銃(といってもモデルガンだが)に戸惑いながらも、ユウは教えられたことを実践する。
「よし…」
照準を合わせ、トリガーを絞る。すると銃から、バルルルル!というモーター音とともにBB弾が飛び出し、的に突き刺さる。
「う、わあ…っ」
その威力に思わずたじろぐ二人。
「まあ、18禁はかなり威力あるしな。…生身であたったら痛いじゃすまないけど、な」
笑い飛ばしながら言うセツ。
「これ、本物と同じ機構なのか?」
横でリロード作業をしていたリクが問いかける。
「ああ、まあな。中身いじったら本物の銃にもできるって、店の人言ってたぜ」
さらっと言う。やはりFPS好きなリクは、
「面白いな、これ。何でもいいから、一回買ってみようかな…?」とか言っちゃうのであった。



放課後 校舎外…

「え?セツってアヤセの人間なのか?」
帰り道、駅近くでセツが言い出したことに、リクが疑問をぶつけていた。
「ああ…あれ?言ってなかった?」
セツは桜流学園のあるソウエン市の人間ではなく、隣町であるアヤセ町に住んでるという。
「あれえ〜?リク、もしかして知らなかった?」
「ぐっ…るせえぞコラ!ってことは、ここでお別れだな」
「おう、また週末にでも遊びにこいや。んじゃあ、また明日な〜!」
「はーい、さよなら〜」
「また明日な〜」
そういいつつ、セツは駅のホームに向かっていった。



とまあ、こんな日常。普通の学生たちとなんら変わりはない、ただの日常。


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今回は日常パートです。誰がなんと言おうと日常パートです。
もう書くことありません。ええありません。
アリエッティ面白かったです(爆


こちらも1話と同様、個人的に気に入らなかった部分を修正いたしました。
どこを修正したとかはいわないですがねっ!
では ノシ