コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

終章と、しゃれこみますか!!

#Last 血戦の果てに



「アハトさーん!」
コネクトは眼前に立つ青年の名を呼ぶ。


数分前、コネクトは自らの命を救った不思議な少女と言葉を交わした。
聞くと、彼女の名は「アイシャリア」。自称マークアハトの「妹」らしい。
どうも似てない感が拭えなかったが、目の前のアイシャが屈託なくそういうのだから信じることにした。
そして、アハトがこのビルの最上階で戦っていることを知り、アイシャ、コトミと協力し、ここまで
突破してきたのだ。


名を呼ばれた青年が振り向く。その肩越しに、ある人物の顔をのぞかせて。
「……?!」
コネクトは急停止する。
そう、見えた顔はかつてアムドゥスキアにて対峙したアハトの敵「マークゼクス」だったのだ。
コトミとアイシャはその顔を知らない故、コネクトの急停止に訝しげな目をむける。
「アハトさん!……なんで、なんでそいつと一緒にいるんですか?!」
すぐに心中に染み出た疑問を、アハトにぶつける。
「え?…いや、だってこいつ」
何も知らなさそうなアハトの口から、衝撃の発言が飛び出た。
「オレの兄貴だし?」
その発言に、コネクトは我が耳を疑った。いや、思い返せば確かに彼、マークゼクスは「敵だ」という
確証はなかったのだ。つまり、自分が勘違いしていただけなのだ。
頭で整理をつけると、口が勝手に動いてしまった。
「でも、そいつは、ゼクスはアハトさんの敵なんでしょう?!」
しまった、とコネクトは心中で思う。だが当のアハトはと言うと、
「え、……そうなのか?兄貴」
「ちょっ!おま、そこで俺に投げるのか?!」
なんてやり取りを交わしている。コネクトは顔を火が出がでそうなほどに真っ赤にした。
まさか、元賞金稼ぎともあろう自分がこんな凡ミスを犯すとは。
一人うなだれるコネクトの後ろで、何がなんだかわからないコトミとアイシャは向かい合って首を傾げる。
と、ゼクスが前に歩み寄ってきた。
「……まあ、確かに俺はダーカーの側にいる。……いや、いたと言った方がいいか。
正直、カルカーロを襲ったときから少しずつ疑問が出てきて、な。本当に、これでいいのか……ってな」
あくまで真剣に話すゼクスを、アハトはからかってみせる。
「っつーことは、こっちに寝返った、ってワケか」
「アハト、お前っ」
カチンと来たらしいゼクスを手で制しつつ、アハトは懐から何かを取り出す。
「とりあえずー、ほらよ」
ゼクスに向かって何かを放り投げる。ゼクスの手に収まった緑のパッケージ。
まごう事なきトリメイトだった。
「これ……トリメイト………………」
「いつか、乾杯でもしようと思って、さ。兄貴、好きだったろ?ほい、コネクトも」
そういうと、アハトはコネクトにも投げて寄越して見せた。面食らったコネクトがあわてて受け取る。
「あとはアイシャに、……えーと、君は?」
アハトの目線はコトミに向いている。
「ボクは神宮寺コトミ。コクトお兄ちゃんの妹ですよ、おじさん」
笑顔で自己紹介したが、アハトの脳に「おじさん」の単語が引っかかった様子だ。
「……−コネクト、コイツにちっと、灸をすえさせて欲しいんだが?」
ただならぬ気配が吹き出す。コネクトの本能が危険信号を発した。
「だ、ダメですよ!コラ、コトもきちんと謝れ!」
「えー……ボク、何も悪いこと言ってないししてないよ?」
自覚がなかったらしくムスッたれる。アハトの額に青筋が走ってきた。
と、神宮寺兄妹の後ろで何かが組まれる音がした。振り返るとそこにはアイシャが立っている。
「ダメですよコトミちゃん。兄さんに、謝らないと」
表情こそ先ほどまでと一切変わらないが、響いてきた声には抑揚がなく、さらにその笑顔の後ろには
大量のガンスラッシュゼロ(のレプリカ)が所狭しと並び、主の命を今か今かと待っている。
神宮寺兄妹はもちろん、これにはマーク兄弟も戦慄した。
「ご……めん、な、さいっ」
腰が抜けたのか滑舌がおぼつかない。謝られているアハト当人も、
そのおどろおどろしい光景に凍り付いている。
「ふふ、わかってくださればいいんですよ」
抑揚のない声で笑うと、アイシャは右の手を高く振り上げ、ある方向にあったビルを指差す。
その一瞬の動作に反応し、無数の銃剣は突進。瞬きの間にビルを細切れへと変えた。
「ひあっ……」
コトミがすくみあがり、コネクトもその力に息を呑む。
「これが、失敗作……?!アインの奴、一体何を…………ッ!」
ゼクスが一人呟いたのを、アハトが聞き取った。
「兄貴、アインって誰だ……・っぐぅ?!」
突如、アハトが頭を抑えた。突然の事態に、4人はフリーズする。
数秒の後、アハトが頭をもたげた。ついで「なんなんだよ、今の……」と呟いた。
それが今度はコネクトの耳に届く。
「どうか、したんですか?」
「……なんて言えばいいかな、なんつうか、試験管に入れられたり、脳ミソをいじくられるような映像が
頭ん中フラッシュバックしたんだ…………」
記憶としてはありえそうにもない映像だ。そんなものが流れるとは、彼は一体……?
コネクトが考えていると、横からゼクスが驚愕の声を漏らした。
「アハト、お前……!」
その声に反応し、アハトが問う。
「兄貴、…知ってるんだな?」
「……………………ああ」
ゼクスが頷くと同時に、その背が盛り上がり、次いでカラスのように黒い羽が生えた。
奇怪ともいえるその光景に、コネクトたちは目を見張る。
「…俺たち兄弟は『人造人間ハウンド』。かつて勃発した4種族世界大戦危機において、ニューマン、
キャスト、ビーストのほか3種族を殲滅するべくヒューマンによって作り出された、いわば決戦兵器だ。
俺はコードナンバーTDH-06式、決戦型ハウンド六号。コードネームを『マークゼクス』だ」
唐突にさらされた「ハウンド」なる人外の存在。それに驚き、凍りついたのは、コネクトのほかにもいた。
「オレたちが……兵、器…………!?」
その存在を急に塗り替えられたのだ。思考がとまってもおかしくはない。
しかしゼクスは、その後を続けた。
「…だがアハト、お前はちがう」
ゼクスの一言が、アハトの顔を再び彼へ向けさせる。
「アハト。お前の過去に何があったとしても。お前が、お前が自分を信じる限りは、お前は人間だ。
フォトンが使えない、いっぱしの、な」
「…兄貴……」
アハトの口から、おそらく無意識だろう一言が漏れる。
「そうですよ」
そしてその後ろから、少年の声。アハトは振り返る。そこには、いつものように不器用に微笑むコネクト。
「たとえ、誰かを殺す兵器だったとしても……。たとえ、人外の存在であろうと……。
アハトさん、貴方は俺たちの知ってるマークアハト、その人じゃないですか。…ちがいますか?」
「……コネクト…………」
少年の微笑を受け、アハトもまた微笑む。
「ついでに言うと、アイシャリア。お前もまたハウンドだ………まあ、わかっていただろうがな」
ゼクスがアイシャに言う。しかしアイシャは、ただ一つ、頷いて見せた。
「はい。…私の体内には、ダーカーの血が流れているんですね」
穏やかに事実を受け入れる。そんなアイシャの頭を、ゼクスはやさしく撫でた。
「だがな、これからの生き方によっては、お前み人間になれる。すべてはアイシャリア。お前次第だ」
言い終えると、ゼクスは天空を振り仰ぐ。
「……アハト。ダーカーたちは、いよいよカルカーロを……お前たちの町を襲撃するらしい。
…………一緒に、食い止めて欲しい」
ゼクスの物悲しげな口調に、アハトはフンと鼻を鳴らした。
「ったりめーだろ、バカ兄貴。行くなって言われても、俺はやるつもりだったんだがな?」
腕を組み、気丈さを前面に押し出した口調に変わる。これこそ、マークアハト本来の姿といえるだろう。
そんな元に戻ったアハトの横に、同じく少年が並ぶ。その顔は、いまだ微笑みを称えている。
ゼクス…いや、ゼクスさん。俺たちクルーニクスをここまで巻き込んだんです。
責任くらい、ちゃんと取ってもらわないと困りますからね?」
コネクトの言葉にもまた、ゼクスは頷く。
「お兄ちゃんが行くなら私もーっ!」
その後ろからコトミが飛びついてきた。コネクトが前のめりにすっ転び、マーク兄弟が苦笑いを浮かべる。
そしてアハトは、アイシャのほうを向く。
「アイシャ、お前は無理しなくていいんだぞ」
やさしく諭すアハトだったが、今回はアイシャが反発した。
「何言ってるんですか。私は、貴方の相棒なんでしょ?ついていかないわけ、ないじゃないですか」
その笑みには、暖かいものが混じっている。アハトも思わず、頬を緩めてしまった。
《まったく……アタシ達抜きで、何楽しいことしようとしてるんだか》
上空からスピーカー越しの声が聞こえてきた。空を見やると、一隻のアタック・シップが
降下してきていた。
着陸すると同時に出撃用のハッチが開き、中から三人の女性が現れた。
「…………やっぱり、来たんですね」
真っ先に降り立ったルチアが、コネクトの前に立つ。
「あなただけじゃとても無理よ。…アタシたちはチーム。だから、危険な場所でも一緒」
それは暗に、共に戦うという意思を示しているのだろう。
「いいわね?今後勝手に単独行動するようだったら、チーム『クルーニクス』を追放するからね!」
「…キモに命じておきますよ、ルチアさん」
鼻先に突きつけられた指を見やりつつ、コネクトは苦笑した。
「ルチア、これっ」
ふと見ると、アハトが皆にトリメイトを渡していた。飛んできた紙パックを、ルチアは流石の反射神経で
キャッチする。
「うし、飲むか!」
アハトの一言で、全員が一斉に中身を煽った。ほんのりと甘い液体が、口の中を潤していく。
真っ先に飲み終えたゼクスが、懐から端末を引っ張り出した。
「コイツからダーカーの巣……ハイヴの座標を送っておいた。……問題は、どうやって進入するかだ」
「なら、いい考えがあります。…………といっても、計算上コレしかないんですがね」
ゼクスの出した問いに答えたのは、神楽だった。






どこまでも暗闇が広がる宇宙空間。その一点を、巨大な黒い塊が突き進む。
向かう先には、オラクル船団の一つ「カルカーロ」、その一番艦がある。
そしてその後方から、音もなく高速で接近する船が三隻あった。
一つは「トレイルブレイザー号」。海賊業を営む者達にとってのセオリーともいえる形状を世襲した
その先端では、非常時の突撃に用いられる「スラッシュアンカー」が煌いている。
一つは「アタック・シップ」。もともとキャンプシップだったものを小型化、改修したもので、
対艦装備が施された外装甲は、ラミネートの純白に輝いている。
そしてもう一つは「アークセンチネル」。従来の船とは異なる規格で作られたその船は特異な形状をして
おり、有事には高速離脱形態に変形することが可能な高速戦艦である。
三つの船は、黒い塊「ハイヴ」へと肉薄している。


そして数瞬の後、三隻は巨大な一隻に突き刺さった。
爆音をとどろかせ、その船体がハイヴ内へとめり込む。
突っ込んだ一隻「トレイルブレイザー号」のブリッジから、この船の主であるマークアハトが無線に向かい
怒鳴りつける。
「いいか!これからテュポーン級ハイヴに侵攻する。失敗は許されない。もちろん死ぬこともゆるさねぇ!
命令は二つ。見敵必殺!それと生きて帰ることだ!以上!!」
アハトの声がうるさいぐらいに響く。コネクトは愛剣を背に担いだ。
「……サーイェッサー、ってね」
ポツリと呟くと同時に、彼もまた「アークセンチネル」の非常隔壁を開放。艦橋の目前で仁王立ちを
決める。その横に突き刺さっていたアタック・シップからも、4人の女性が飛び出す。
「さあ、ラストフェイズとしゃれこむぜ!!」
高々と雄たけびを上げ、コネクトは大上段からの切り下ろしを敢行した。







「おおおおっ!!」
すでにハイヴに突入してから1時間。いまだゼクスの言っていた「コア」らしきものは見えてこない。
「コネクトさん、スイッチを!」
「わかったっ!」
後方で迎撃を行っていた神楽が前へと走りこむ。そこを見計らい、コネクトは最大までチャージした
ソードのフォトンアーツ「ライジングエッジ」を放つ。群れの数匹が跳ね上げられ、跳躍したコネクトの
下を神楽が駆け抜ける。
「……ここなら、この子の力も使えますね。さあ、いくよ!!」
神楽が叫ぶと、神楽の手に収まっているクレイモアから蒸気が噴き出される。
機械的な駆動音を響かせつつ、クレイモアはその姿を変えてゆく。
「…『神殺し〈ゴッドキラー〉』、発動っ!!」
変形を終えたクレイモアの刀身は、クリムゾンレッド色のフォトンが染め上げている。
神楽の持つクレイモアが彼女専用と呼ばれる所以は、この「神殺し」にあるのだ。
刀の先端は触れるだけで切り裂かれそうなほど鋭利になり、真紅のフォトンが展開した実体刃を包み込む。
その切れ味は時として周囲のアークスをも真っ二つにするほどといわれる
「神の脇差クレイモア・ゴッド〉」。その真なる姿が、ここに顕現したのであった。
「はあああああっ!!!」
神楽の、神楽の握る神殺しのその一薙ぎで、無数のダーカーは横一文字に切り伏せられる。
「ここはお任せを。コネクトさん達は、コアを!」
「はい……頼みます、神楽さん」
すれ違いざま、二人は同じように微笑んだ。



しかし、ダーカーたちもそう簡単には通してはくれない。
第二陣が、コネクトたちに襲い掛かってきたのだ。
歯軋りしつつアルバハチェットを構えたコネクトの前に立ったのは、コトミだった。
「私もいっぱしのアークスだよ。このくらいなら、私一人で捌き切れるよ」
クスリと笑うと、マウントポーチからさらにもう一つ、ストライカーと呼ばれる杖を取り出した。
「本来は、二刀流なんて禁止されてるんだけどねえ……。でも、ここならね!」
杖を手中で回転させ、フォトンを練り始めるコトミの横に、あめゆぅも降り立った。
「フォースは二人いるよ。コトちゃんにばっかりいい思いはさせてあげないからね!」
あめゆぅも、片手にヴィタロッド、もう片手にローザクレインを据え付け、ダーカーの前に立ちふさがる。
「でも、フォースだけじゃ……!」
静止しようとするコネクトを、コトミがさえぎった。
「大丈夫だよ、ボクらは負けない。アークスとして、フォースとして、ね」
コネクトの間近で微笑を浮かべると、あめゆぅと二人で「バータ」を発射。氷の障壁を作り出し、
二人の行く道を作り上げたのだ。
「さあ、行って!お兄ちゃんは…」
「行って、コネクト!キミは……」
「「私達が守るっ!!」」
二人の声に押され、コネクトとルチアは走り出した。



そして最深部。最後の防衛部隊とコネクト達は、対峙していた。
「まったく……数が多すぎるのも、考え物よねぇ」
そういって微笑みつつ、ルチアはバシレイオンを構えた。そこで、ふと思いついたようにコネクトの方を
見やる。
「ねえ、あなたのバシレイオン、貸してくれないかしら?」
「え……え、ああ」
言われるまま、コネクトはマウントポーチから蒼いバシレイオンを射出する。
ルチアの手に収まった後、二振りのバシレイオンは青と紫の軌跡を描く。
「わかってるんでしょ?アタシがここで食い止めないと、コアは破壊できない、ってコト……」
ルチアはただ笑う。
「だから、いきなよ……。アタシはここで充分なの。コネクト君、手柄はあなたに譲るわ…!」
最後にもう一度微笑むと、ルチアは二本のバシレイオンを同時に振りかぶり、フォトンアーツ
「スピードレイン」を両手で同時に放つ。扉の前に群れていたダーカーたちが、一瞬だけ吹き飛ぶ。
「…………生きてかえろ、カルカーロに」
トビラへ駆け出す直前、そんな一言が聞こえた気がした。




ドアが閉まりきると同時に、その内部に光がともった。
「…………………………………」
コネクトの眼前には、黒い海が広がっている。それでも、彼は進む。今すぐ後ろで戦っているルチアの、
遠く離れた場で命を磨耗させているコトミの、あめゆぅの、神楽の、ゼクスの、そしてマークアハト、
彼らのためにも、コネクトは進まなければならないのだ。
「―――――――――おぁあっ!!」
咆哮と共にコネクトは「デイライトスカー」を装備。海の中から一体をつかみ出し、フォトンアーツ
「アザーサイクロン」を発動。振り回した一体を幾度も海に叩きつけ、その面積をじりじりと削っていく。
フォトンアーツ発動の限界時間がすぎ、引き抜いた一体は飛んでゆく。しかしコネクトはそれを無視し、
ワイヤーでつながれた刀身部を射出。何かに突き刺すことはせず、今度は両手を水平に広げた後、
自らの体を横に回転させ、海へと突っ込んでゆく。コネクトが独自に開発したフォトンアーツ
「スピニングレイジ」を使い、さらに穴を穿ってゆく。
しかし、長い間酷使していたワイヤーがその遠心力に耐え切れず、根元から引きちぎれてしまった。
だがコネクトは進む。グリップだけとなったデイライトスカーをダーカーの群れに叩きつけ、同時に新しく
ガンスラッシュの「ブラオレット」を射出する。
「――ぉおらあああああぁぁぁっ!」
ブラオレットの鋸状の刀身が展開され、近接格闘形態へ。それを3度連続で、群れへと押し付ける。
フォトンアーツ「トライインパクト」を出し切り、コネクトの残フォトンは底をついた。
だが、それでも彼はとまらなかった。底を突いたはずのフォトンを使うフォトンアーツを、
さらに連続で放ったのだ。フォトングレネードを打ち抜いて爆発によるダメージを与えるフォトンアーツ
「スリラープロード」が放たれ、群れの一角に穴ができあがった。
そこへ刃をつきたてると、ブラオレットの刀身が儚くへし折れてしまった。否、へし折ったというべきか。
ブラオレットの残骸を投げ捨て、コネクトはさらに武器を取り出す。
先刻の戦いで猛威を振るった「アルバクレイモア」。もう一度その手に収まったそれは、
数多の斬撃によりすでにぼろぼろの状態にあった。
それでもコネクトはその刀を振るう。この先にある、勝利を信じて。
チャージされた「ノヴァストライク」が、穿たれた穴をさらに内側から押し広げる。
「―――そこかぁっ!」
コアが見えた。赤く、赤く。不気味に脈動している。
そこに向かい、コネクトはソードのフォトンアーツ「ソニックアロウ」を発射。射線にいたほとんどの
ダーカーが真っ二つに裂ける。
そこで、別のダーカーの甲殻に激突したアルバクレイモアも中ほどからポッキリと折れた。
残った柄を別のダーカーに投げつけ、さらにポーチから「アルバグングニル」を射出した。
そこで、鋭い一撃がコネクトの脇腹を突いた。鈍痛、次いで空中を飛ぶ感覚。
痛々しい音を立てて、コネクトの体が床に伏した。ダーカーたちも動きを止める。
しかし、コネクトは立ち上がった。フォトンアーツの使いすぎで、痛覚神経に異常が発生する。
殴られた箇所が鉄を押し付けられているように痛む。だがコネクトは、もはやそんなこと気にして
いなかった。
「……死ね、死ね、死ね死ね死ね死ね、この、クズ蟲どもがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」
絶叫はかすれ、もはや声は出ていない。そして、コネクトは進む。
持ち直したアルバグングニルで「スピードレイン」を放つ。気迫に押されたのかすくんだダーカーを、
衝撃波が切り伏せていく。
続けて肉薄したコネクトはコアを背に向け「バンタースナッチ」を放つ。三段切りの三段目で、コネクトの
体が宙を踊る。それと同時に、アルバグングニルも柄から折れた。
しかしこれで、もうコアは目前だった。コネクトはポーチから、最後の相棒を打ち出す。
音高く手に収まった「アルバハチェット」のフォトン刃が、夜空の一等星のごときまばゆい光を放つ。
これこそ、コネクトが「闇を払うもの」と呼ばれた最も足る所以だった。
光のフォトンを操るのに長けていたコネクトだからこそできる「刀身へのフォトン注入」。
少年の最後の剣にして最強の剣が、「ダークリパルサー」が、その閃光を煌かせてダーカーを貪り食う。
光のフォトンを苦手とするダーカーを、コネクトは切り伏せ、なぎ払い、撃ち貫く。
《進め、コネクト》
誰かの声が聞こえた気がする。
《お前が望む未来のために、お前ができる性一杯をブチ当てろ。それが、コネクト、お前だ!》
(……マークアハト)
彼の魂が、コネクトをさらに奮い立たせる。
彼の使えなかった最強のプラスフォトンが、コネクトの前進を駆け巡る。
「―――おぉわぁりいぃ、だああああぁぁぁあぁぁあぁぁあぁぁぁぁ!!!!!」
輝きを増したダークリパルサーの光刃が、無数にコアへと突き刺さる。
コネクトが放った最後のフォトンアーツ「レイジダンス」。その止めである一条の閃光が、
赤いコアを純白に染め上げた。







《お疲れさん、コネクト……》
白く染まり行く視界の中で、誰かが微笑んだ気がした。