コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

番外SS−っ!

あいしたっていーじゃないか、しばりーだれもーふーれーなーいーよぉ!
ってなわけでチャオ、コネクトです。

今回歌った曲…メグっぽいど「モザイクロール」


まーたコネクトはこんなものを思いついてやがりますw
一体いつになったらこの悪い癖は直るんだか…まだ繋録も序盤しか書けてないのに。



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傭兵と武器と戦場と



戦場というのは、どこも血みどろだ。
己の力を誇示するだけに戦い、無用な血を流すことになる。
実に哀れだ。
そして、そんな戦争に加担する俺たち傭兵も、また哀れだ。


なら、そんな傭兵に力を貸す「精霊」は?


それは、本人達に聞いてみるしかないだろう。




******



「よーし、行くぞテメエら!」
「おーっ!!」という野太い雄叫びの中に紛れ、俺は立ち上がる。
『さて、相手方のお手並み拝見と行きましょ』
そんな俺の横に、ほんのりと発光する小柄な少女が立つ。
「急かさないでくれ…無駄に暴れたくない」
それに対する俺の返答は、実にそっけないものだ。


この世界では、使い込まれた各々の武器には「精霊」というものが宿る。
性格や姿、声などはそれぞれ違うが、共通するのは「主に仕える」ということだ。
人の姿を取り、さらなる主との共存をするための、いわば「武器の意思」。
『…どうしたの、クロト?いきましょう』
「あぁ、わかっている」
クロト―俺の名を呼んだ少女は、すぅと光になって壁に立てかけられた大剣に浸透する。
その肉厚で無骨な剣を俺は背負い、拠点とする家屋から足を踏み出した。




数分歩くと、そこに戦火が見えてきた。
大規模な砲撃戦だろうか、そこかしこから炸薬の音がひっきりなしに聞こえてくる。
『あれが今日の獲物たちね?…んー、この砲戦をかいくぐるのは難しいかもね』
「だろうな。…が、やるしかない。行くぞ、レイ」
『りょーかい!』
レイと呼んだ大振りの大剣を担ぎなおし、俺は戦地へと飛び込んだ。
傾斜を滑りながら降りていくと、少しずつ交戦する者達の姿が見えてくる。
兵士達は皆護身用と間違えるほどの小さな剣でやる気なさげに戦っているようだ。が、それも
当然のことではあるだろう。
戦争というものは、本来起こることは望まれていないのだ。
人々は、大部分の者達が安息を求めている。ゆえに、どうしても戦争というものに乗り気にはなれないのだと思う。
が、そんなことは俺にはどうでもいい。
自分は傭兵だ。稼ぐために戦う。
中には戦いたいために傭兵となる酔狂な奴もいるにはいるが、基本傭兵はそういうものだ。
殺すことに抵抗はない。抵抗を感じれば、それはすなわち傭兵としての死なのだ。
何度か感じた引け目を覆い隠すように心の中で呟いた後、俺は強く得物を握る。
「…うおおおおおおっ!!」
咆哮とともに斜面を蹴り、数メートル下へと大剣を振り下ろす。
突然の野太い咆哮で、下にいた兵士達は驚いて足を止めてしまっていた。契機だ。
重量に任せて、俺は思い切り大剣を振りぬく。がつっ、と鈍い当たりだったが、軽装には充分致命傷だ。
地面へと吹き飛ばされた兵士を見て、対峙していた兵士も後ずさりする。
「安心しろ、俺は敵じゃない。そっちのお偉方から依頼を受けた傭兵さ」
自分の声音は充分威圧的だと自覚しているが、それでも驚かれるのを見るとすこしへこむ。
俺だって人間だ。誰にも寄り付かれないというのは少し寂しいものだ。
が、今はそんなことを考えている暇はない。目指すは敵の本丸である、石造りの砦。
「…レイ、荒っぽくなるぞ」
『大丈夫よ、思い切りやっちゃって!』
相棒の承諾を得て、俺は砦へと走り出した。


「ぬんっ!」
重量と質量のある大剣をもろに食らった兵士の一人が地面に叩きつけられ、血反吐を吐く。
手ごたえからすれば、おそらく内臓のひとつでもやられているだろうか。
うっすら考えながら、俺は次の獲物を探す。
と、遠くに弩を持った兵士を見つけた。ここから不用意に近づけば、おそらく串刺しだろう。
いくら傭兵といえど、うなりを上げて飛んでくる矢をかわしきる自信はない。
「レイ、いけ!」
がしゃんと大剣の切っ先をそいつに向けると、先端に燐光が集束していく。
一つの光球が形成された直後、その球が敵兵めがけて撃ち出された。
一直線に飛ぶ途中、光球は姿を変えていく。
藍色の燐光は艶やかな紺色のロングヘアへ、光は大剣の精霊とは想像もつかないような
ほっそりとした華奢な体躯へと形を変えていく。
両の手には陽炎をまとい、クリムゾンレッドの瞳はまっすぐに敵兵を見据える。
人の少女の姿をとった、俺の武器に宿る精霊「レイ」は、両の手を兵士に押し当てた。
「…ぎゃあああああああああっ!!」
すぐ後、兵士の断末魔が聞こえる。
レイの持つ力は「対象に熱を与える」というものだ。今回の場合、レイは敵兵の体内にある水分へと
熱を送り込み、全身やけどの状態にしたのだろう。
あっけなく手放された弩を尻目に、レイはふわりと天使のごとく宙を滑って戻ってくる。
「相変わらず、加減を知らないな」
『ええ。加減したら、クロトが死んじゃうでしょ?』
「…よくわかってるじゃないか」
短くやり取りを済ませた後、レイはまた光となって大剣へと戻っていった。


いざ砦へとと思った矢先、ぼぅと砲弾が上空へと打ち上げられ、爆発した。
青色の花火は、この世界の戦場では一般的に降伏の意味を持つ。
『あら、もう終わり?』
「そのようだ……戻るぞ、レイ」
無駄な犠牲を増やすことにならずに済んだという事実に心中で安堵しつつ、俺は大剣を担ぎなおした。
『なーんか、今日はあんまり暴れられなかったわね』
「そのほうがいいんだよ。人にとっては、な」
『…よくわかんないわよ、クロト。私にもわかるように説明しなさいよ!』
言うが先か、人の姿をとったレイが俺に抱きついてくる。
人間体になっていると実体ができるというのはつい最近わかった事実だが、俺は随分と前から知っている気がする。
最初に出会ったあの時も、同じ光景だったのだから。
『ねぇ、クロト聞いてるの?!』
小さな頃の記憶に少しばかり浸っていると、すぐに上からレイの声がかかってきた。
「お前が理解する必要はないんだ。…精霊のお前は、な」
いつもどおりそっけなく返すと、これまたいつもどおりにレイがムスッたれる。
『むぅぅー……。はぁ、いいわ別に。いつか自分で調べる』
「時間があったらな」
『一言余計よ!』と罵倒を浴びせられながら、俺は傭兵団の本部へと足を進める。


戦場というのは、どこも血みどろだ。
己の力を誇示するだけに戦い、無用な血を流すことになる。
実に哀れだ。
そして、そんな戦争に加担する俺たち傭兵も、また哀れだ。


なら、そんな傭兵に力を貸す「精霊」は?


彼らは、けして哀れではないのだ。
己の主のため、全身全霊をかけてそばに付き添い、従い、忠を尽くす。


それは、主従関係などという揶揄の言葉では、決して違うと俺は考える。


それは、己と信頼できる相棒の間に結ばれた「絆」なのだから。
絆があるから、俺たち傭兵はそいつらを相棒として使い続ける。
絆があるから、彼ら精霊は己が主に従い、信頼される相棒としてそばに仕える。


それは、当たり前の話だ。



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おーわーりっ!
……だめだ、久しぶりに投げやりなラストになってしまったorz


ちなみにこの小説の元ネタは「診断メーカー」にあった「武器と契約しったー」です。
武器に宿る精霊から妄想が始まり、気がついたらな ん だ こ れ。
うーん、毎回のことですがコネクトは自分でも進む方向がわかりませんw


それじゃ、今日はここまで!
ついでといってはアレですが、今回の登場人物の紹介も乗せておきますw
またあいませうー ノシ




クロト・ドーガント
男性 28歳
傭兵団の派遣人員として、レイと共に世界を飛び回る戦士。
軍人のような人物で無駄口もあまりきかないが、唯一レイにだけは他の人間と変わらない態度で接する。
愛用の得物は肉厚で大型の両手剣で、レイはそれに宿っている。


レイ
性別不詳(見た目は女性)
クロトの持つ大剣に宿っている精霊で、クロトの無二のパートナー。
クロトとは対照的におしゃべりで好奇心旺盛な性格で、いつも楽しげに笑っている(戦闘中は除く)。
精霊としての能力は「熱を操る」ことで、水分を蒸発させたり逆に冷却したりできる。