コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

繋録第2回!

ほのおのぉーにおいー、しーみぃついぃてぇー…む せ る っ 。
さよならはぁー言ったはぁずぅさぁ、わかれーたーはずぅさぁーっ。
ってことでちはーす、滞りなく曲目が減ってきましたコネクトにございますw


いやぁ、ほんとに前回はひどすぎて自分で悶絶するレベルですよ。
まぁ、そんなこと言ったところであれ以上はどうにもならないという落ちがあるんですがねw
さてさて、今回は前回終盤に登場した新キャラクター「セルカ」が満を持して乱入となります!
瑛斗の部下でありながら、本人がその素性を知らず、さらにそれも知らずにユウたちに接触し、それを傍聴する瑛斗…という
なかなかどうしてややこやしい展開になりますが、果たしてコネクトに書ききれるかっ!?
ではでは本編を、ドゾー。


*********


2章1幕
第2話 紅の転校生 by10/7


「えー、唐突だが、皆にお知らせがある」
という一言が担任から飛び出たことにより、教室内は一気に色めき立った。
やはり転校生というものは何人来てもうれしいものなのだろうか、と、一人冷静に思案するのはユウだ。
そう、今日はクラスメートたちが待ちわびた、新たな転校生が来る日。


生徒たちの予想違わず、担任の口からは転校生に関することが語られた。
「まぁ、とにもかくにも本人を見なければ始まらないな」という粋な計らいを忘れないのが、ユウたちの担任が人気でもある
要因の一つでもあるということは、クラス全員周知の事実だ。そんなわけで、担任が転校生の名前を呼ぶ。
「湯島、入ってこい!」
「は、はーいっ」
扉越しに聞こえてきたのは、女性の声だった。ユウの声よりやや大人びた声が、クラスの(主に男子勢の)ボルテージを
否応なく上昇させる。ふと斜め後ろの席を確認してみると、色めき立つでもなく、ボルテージを上げるでもなく、
ただただ扉のほうへと冷徹な視線を向けるセツがいた。敵勢のスパイかどうか探りを入れているのかは不明だが、
少なくとも乱暴なことをする気配はないようだ。その証拠に、現在は普段通りの体制で椅子に深く腰掛けている。
そこから視線を外した直後、突如としてどよめきが沸き起こる。慌てて視線を元に戻してみると、そこには
転校生と思しき少女の姿があった。
真紅のロングヘアーをゆるく風になびかせ、茶色いドングリのような眼でクラスを見通しているその表情は、緊張のせいか
少々固い笑みを浮かべている。黒い学園制服がよく似合う少女は、教壇の上に立って改めて名乗った。
「はじめまして、『湯島 朱梨(ゆしま あかり)』といいますっ。こ……この学校やクラスのことはまだまだわかりませんので、
どうかよろしくおねがいします!」
口足らずな挨拶を終えると同時に、教室のそこら中から拍手喝采が巻き起こった。新たな仲間の加入を歓迎するために、
ユウもできるだけ大きな音が鳴るように拍手する。
拍手がやむと、扉近くに待機していた瑛斗が続けて口を開いた。
「さて、湯島くんの席はすでに決まっているんだっけ。えー山都くん、右隣に席を用意してあげてくれ」
「……え、は、はいっ」
意表を突かれたらしく、セツが慌てて席を用意しに立ち上がる。セツが席を用意しに行っている間、ユウは軽くアカリと名乗る
少女を観察してみた。
期待に胸を膨らませているのであろう瞳は輝き、異能者を見定めるかのような目は―――瑛斗のような目はしていない。
そぶりを見せるといえば、いましがた机の角に足をぶつけて飛び跳ねているセツを心配していることぐらいか。
敵、としてみるには、判断材料が少なすぎると踏んでみる。しかしクラスに溶け込んでいる瑛斗の件がある以上、少なくとも
油断を許していい訳ではないようだ。
そこまで考えたと同時に、担任が再度口を開いた。
「それじゃ、いろいろ話もしたいだろうから、今日のホームルームはここまでにする。授業の用意は忘れるなよ!」
「「「はーい!」」」
三々五々に挨拶を口に出すや否や、生徒たちは一斉にセツの横に座った転校生のほうへと足を運んだ。
人ごみに押される中ユウも立ち上がり、同じく翻弄されるリクとともに人の山から脱出し、そろって廊下付近へと向かう。
席を用意してすぐに退避していたらしいセツが、そこにいたからだ。
「……さすが転校生だな」
セツのすぐそばにたどり着くと同時に、リクが感嘆にも似た声を出す。
「ほんとに……。抜け出すのにも一苦労ですよ」
ユウが不服気にセツへと愚痴る中、話しかけられている張本人のセツはしばし顎をさすりながら考え事をしていた。
彼の目線が捉えるのは、人ごみの隙間隙間から見える新たなクラスメート。
セツが何を考えているのかおおよその察しがついたユウは、質問の過程を数個飛ばして問いかけてみる。
「……あの転校生さん、どうなんですか?」
単刀直入に投げかけられた問いに、セツはうん、と言いながら自身なりに導いた回答を明示した。
「…………あくまで憶測だが、たぶんあいつは白だと思う。異能者として覚醒した人間は、その力によって大なり小なり
変化が現れるんだ。俺の場合は、周囲の異能者がいないと浮いちまう、ってのがあるかな」
さみしげに呟かれた言葉にユウとリクがそろってセツのほうを向くが、彼はすでに次の言葉を準備し始めていた。
「もちろん個人によって変化の大きさは違うが、それでも異能を持って興奮したり喜んだりしないほうがおかしい。
……んで俺が言いたいのは、あいつ……湯島には、そういう表情が見られないってことだ」
「そうですかね?……結構緊張とかしてたみたいですけど」というユウの言葉は、直後に続くセツの言葉にさえぎられる。
「それはあくまでも転校してきたからだと思う。黒塚や日野っちは、俺たちと同じように使命に燃えている的な節があった。
その点に関しちゃ向こう方も同じようなもんだろうから、そこでわかると思うが……。まぁ、今起こるわけでもないことを
詮索すんのは野暮ってもんさ。もちっと気楽にいこうぜ」
それだけ言い終えると、セツは授業の準備をするべく席へと向かっていった。残された二人は、しばし思案する。
「……なんか、なぁ」
「どうした?あいつが白だっていうんなら、少なくとも信頼はできると思うけど……」というリクの言葉は、
「いや……なんかむずがゆくって」というユウの言葉に遮られた。


―*―*―*―*―*―*―


「山都君……だよね?」
「そーだけど」
3時間目の休み時間、アカリは隣席のセツにこんこんと話しかけていた。先ほどから何度か話しかけているものの、そのたび
返ってくるものといえばつれない返事のみだ。それでも諦めずに話をしていると、不意に窓の外を見ていたセツが
アカリのほうを向いた。いきなりなので少し飛び上がる。
「……なんで俺に話しかけてくるの?俺意外に、面白い話をする奴なんてごまんといるはずだけど」
睨むような目で射抜かれ、思わずアカリが委縮した。その反応に満足するかのように、セツはまた窓のほうを向く。
数秒の沈黙が流れた後、アカリは意を決して口を開いた。
「だ……だって、隣なんだから、仲良くしておかないと、困るかなぁ、なんて…………」
尻すぼみになってうつむくアカリ。しかしその直後、目の前から「ぷっ」という笑ったような声が聞こえた。
慌ててアカリが顔を上げると、小刻みに肩を震わせるセツの姿が見える。次いで、ククッと笑いをこらえるような声。
「あ、はははっ!人とのコミュニケーションは苦手みたいだな、湯島」
笑い飛ばしながら、セツがアカリのほうを向いた。その顔は先ほどまでの仏頂面とはうって変わって、現在は朗らかに笑っている。
が、目だけはなぜか笑っていない。時折目を細めて笑ってはいるものの、瞳だけは笑わなかった。
「……気に入った。放課後、俺に話しかけてくれたら、特別な場所に案内してやるよ。……っと、その前に」
そういって口をつぐんだセツが、しばらくしてニッと笑う。
「なぁ、湯島って超能力とか異能とか、信じるほうか?」
まるでからかうような問いかけに、むぅと湯島は頬を膨らませる。
「……どういうこと?からかってるんですか?」
「半分冗談、半分マジだ」
肩をすくめてすまし顔を作るセツの様子は、少なくともからかっているだけとは思えない。どう答えたものかと数秒思案しながら、
アカリは少しの間をおいて口を開いた。
「……私は、存在すると思う。霊的現象とか、そういうのも実際存在するからね」
そう答えると、セツが満足したように首を縦に振った。
「そーかそーか、オーライツ!んじゃま、放課後俺に話しかけてくれー」
それだけ伝え終わると、セツはさっさと向きを直し、四時間目の準備をはじめてしまった。


 * * * * * * 


「……それで、どうなんだよあいつ?」
昼休み、久しぶりに屋上で昼食をとっている最中、不意に私の隣にいたリュウジが口を開いた。問われたのは、今回の転校生について一番
情報を握っているであろうセツだ。「ぬ」とだけ答えると、パンから口を話して語り始める。
「……まぁ憶測に過ぎないが、俺的には白だな。星川たちには話したが、あいつには俺たち特有の覇気がない。
それでも、そんだけで断定するのは野暮だけど……。あいつについての情報が少ない以上、今は様子見だ」
簡潔に話をまとめたセツが、なぜか私のほうを向く。にらまれるような目だったので少々怯んでしまったが、直後に彼の目が
穏やかな色に変わる。
「……星川。湯島をサバゲー部に引き入れたいんだ。女子同士だし席も近いから、お前にも援軍を頼みたいんだ。いいか?」
どうやら仲間内に引き込み、全員で情報をつかもうという算段だったようだ。気軽に異能関連を口に出せなくなるデメリットこそあるが、
程よい緊張感を持てるのはありがたい。
「わかりました。私でよければ」
そう答え、どう引き入れようかを頭の中で練り始めるのだった。


―*―*―*―*―*―*―


「湯島さーん!」
そして放課後、私は練りこんだ計画を発動する―というほど大層なものではないが―ことにした。
部へと向かうために荷物を手早くまとめ、斜め後ろの席にいるアカリへと声をかける。
私の声に戸惑いつつも、「なに?」と問い返してくれた。うん、とうなずきながら、私は口を開く。
「実はね、あの人……セツさん、山都くんが、あなたを部活に誘い込みたいって言ってたんだ。でも、あの人男の子だし、
直接言うのが恥ずかしいからーって、ボクになすりつけちゃって……」
異能面で誘うことができないなら、直接交渉が一番だ。そう踏んだ私は、情を込めた感じに誘ってみた。
それに対する答えは、しばらくしてから帰ってくることになる。
「…………あぁ。私でいいなら、入らせてもらおうかな。……どんなところなの?」
何かを考えるようなそぶりを見せながらうなずいたアカリに、私は含み笑いを意識しながら語ってあげた。
サバゲー部。サバイバル・ゲームっていう、戦争をまねた遊びをするための団体……なんだけど、最近はもう部活が部活じゃなくって、
みんなのたまり場みたいな感じになってるなぁ。ボクも大体毎日行ってるし、だれかと話すのが好きならたぶん合うと思うから!」
そこで言葉を切り、改めて、笑顔を浮かべながらこう告げる。


「おいでよ、ボク等のところに」
声をかけられた少女は戸惑いつつも、最後にはしっかりとうなずいてくれた。


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終了!
いやー、危うく二か月停滞をやらかしてしまうところでしたw


今回から新しく「湯島朱莉」というキャラが登場になりますが、ご察しの通り、正体はセルカちゃんです。
相手方のスパイだということも知らずに、仲間内へと引き入れるユウ達…これからどうなるんでしょうかね(投げやり
一応、セルカ本人にも異能は備わっており、使うこともできましたが、記憶を凍結されたことで現在使用不能ですw
ですがそのうち(たぶん本編内時間で正月あたり)開花して使用可能になりますので、彼女の活躍にも期待しててください!
え、ギンたちはどうするのかって?それは次回をお楽しみくださいなー。


次回、またしても瑛斗さんが襲撃してきますw
迎え撃つのはユウとリク、そこにソウを加え、さらにあと二人を加えて5VS1での決戦となります。
大規模船が描写できるのかどうかはなはだ疑問ですが、まま頑張ります!w


それでは今回はこの辺で。
またあいませうー ノシ


(今回歌った曲:装甲騎兵ボトムズ「炎のさだめ」)