コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

小説ですよー

ちこっと前書き。


こんなにハイペースで進んでるのはナイツロード初期と繋録初期以来ですw
アハトさんが続きを示唆して下さるおかげで、ものっそい勢いで進行してます。感謝〜


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#4 火の惑星、墨色の蟲


ラクル「カルカーロ」から、一つの船が射出される。
先端からレーザー光が照射され、宇宙空間の一点に光の穴を生み出す。
レンズのような穴に移るのは、無数の浮島とその奥に光る溶岩の海。


行き先は、惑星アムドゥスキア。竜が支配する、灼熱の惑星。





「コネクト、なにいじってるの?」
一室のベンチに腰かけ、ディスプレイボードをいじっていたコネクトに、あめゆぅが問いかける。
「ああ、なんかアヤシイ女に押し付けられたんですよ、これ。『マターボード』っていうらしいんですが
ね、どうにも何をするのかいまいち……ってなわけで」
コネクトが手に持っているのは、マターボードというらしい。ディスプレイにいくつかの光点が
浮かんでいるそのサマは、幻想的でありある種の恐怖を醸しだす。
昨夜、帰宅したコネクトを待ち構えていた女性は、シオンと名乗ったあとこのマターボードを託したのだ。
訝しげに思いつつ受け取ったものの、いまだ何に使うのかはわかっていない。
「へー。ね、ね、みせて?」
そんなコネクトの思索はいざ知らず、あめゆぅが見せて欲しいとせがむ。
「いいですよ。…はい」
受け取ったマターボードを、あめゆぅは物珍しげにのぞきこむ。
「コネクトさん、そろそろですよ」
神楽の呼び声に、コネクトは窓の外を見やる。ちょうど、ワープゲートの壁が途切れようとしていた。


その数瞬後に目に映ったのは、いくつもの浮島だった。
酸素濃度が薄いためあいにく上陸はできないが、ほんのりと緑に染まるその光景は、どこか落ち着く。
しかしその直下には、赤々と光る河が見える。溶岩の河だ。
ここは「惑星アムドゥスキア」。そして今コネクトたちがいるのは、ここまで移動してきた船、
アークスたちの生命線とも言える仮拠点「キャンプシップ」だ。
ショップ端末や倉庫端末などが一通りそろっており、まさしく拠点といえる小さな部屋である。
「さ、いこう。うかうかしてると、他の人たちに獲られちゃいますよ」
ルチアの微笑みに、全員が頷いた。四人は開錠された奥の部屋に足を運ぶ。
そこには、水が満ちていた。否、水のような何か、と表現したほうが正しいだろう。
これは「テレプール」。先に目標地点に投下されたテレパイプへと直接ワープすることが可能な
転送装置の一環だ。
最初にルチアがパルチザンを担ぎ、鋲を音高く鳴らして飛び込んだ。水面に触れると同時に
テレポーターが展開。ルチアをデータの奔流へ変換し、転送する。
「ああ、お姉様まってえええ〜」
続けてあめゆぅがルチアを追い、飛び込んだ。神楽が苦笑する。
「こういうのは、対処に困りますね」
「全くだよ」
二人で微妙な笑みを浮かべ、コネクトと神楽は同時に飛び込んだ。





そこで、マークアハトは4つの流星を見た。蒼い、データの奔流のような流星だ。
(……あめ達かな?…まあ、どうでもいいけど。…………オレには、オレのやるべきことがある。
…兄貴、ケリをつけてやるよ……)
心中で呟き、アハトは道なき道を進む。眼前に、黒い蟲が湧き出た。
「……うおおおおおおっ!!」
一人咆哮をあげ、掲げた長剣「アキシオン」を振りかぶり、突撃する。




データとなってアムドゥスキアへ飛び込んだ四人は、順当に着地した。
ルチア、あめゆぅ、神楽、そしてコネクトの順に衝撃を発し、黒い大地に降り立つ。
「…さ、て。得物はどこかな……」
ルチアがパルチザンを構え、あたりを見回す。だが、気配の一つもない。
「…………おかしいですね。ふだんなら、ディックあたりでも出てきて普通なはずなのに…」
「ええ、何か…別の気配を感じます」
コネクトと神楽も、それぞれの得物を構えて警戒する。
「………うっ、い、いや……」
そんな中、あめゆぅ一人が、何かにおびえだす。
「いや…………こないでえええええっ!!」
絶叫と共に、周囲の地面から黒々とした霧―液化したフォトンがにじみ出て、
ついで先刻の蟲が這い出てきた。「臨戦態勢!」というルチアの掛け声で、あめゆぅを背にかばうように
3人が円形に構えを作る。
黒い蟲「ダーカー」は後から後から湧き出てくる。その数、目視でも20はくだらないだろう。
「……まったく、せっかくアムドゥまで出張ってきたのに、相手にするのはこいつらかよ。イヤんなる」
はき捨てるようにコネクトが呟き、その手に持つガンハチェットを銃形態へ移行させる。
「いい機会です。このさいですし、数を減らしておきましょう」
神楽に続き、ルチアも呟く。
「あめちゃんを怖がらせたからね……容赦はしないよ」
三人は同時にうなずき会う。
「……………………散開っ!各個撃破ァっ!!!」
コネクトの号令で、三人はそれぞれの正面へ突っ込んだ。





「……よお」
火山の頂上、そこでアハトはダーカーと対峙する。
「久しぶりだな。アハト。……13年ぶり、か」
壮年の男の声、次いで、ダーカーの群れが左右に割れる。奥にいた影が、静かに歩み寄ってくる。
薄いヒゲをさすり、その男―――英雄「マークゼクス」は、柔和に笑んだ。



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別行動になったので、アハトさん視点もちょいちょい入れてみますた。どうでしたか?
ルチアさんとあめさんはもう関係できてます。多分w