コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

ぬおおおおおおおw(小説だよ一応ww)


#9 君はいずこへ



「ですから、私達もついていったらよかったんです」
「しらないわよ、あんな身勝手な奴!」
カルカーロ船団市街地。人通りの多い昼下がりのストリートを、二人の女性が歩いていた。
「…チアキさん、いつまでも根にもってちゃ、そのうちクルーニクスが瓦解しちゃいますよ?」
「いいんじゃないの?責任者はアハトなんだし。大体メンバーが二人もいなくなってるのに、
今更チームなんてあったもんじゃないわよ」
「それは、そうですけど………」
神楽がうつ向き気味に答える。横を歩くルチアはため息をついた。
「あめゆ……じゃなかった、ユウナが不安定な今、どっちにしろアタシたちはついてなんかいけないわよ」
ついとそっぽを向き、そのまま歩調を速める。何か言いたげだったが、神楽もそれに続く。
「とりあえず、いまはユウナと一緒に待ちましょう。そのうち二人ともひょっこりかえって来るわよ」
二人の足は、以前5人で鍋を囲んだあの家。アハトの部屋へと向いていた。



「お姉様〜っ!」
チャイムを鳴らしたとたんにドアが開き、次いであめゆぅが飛び出してきた。
ルチアはあわてて飛び移ってきた小柄な体を受け止める。
「お邪魔しますね」
「あ、どうぞどうぞー。アハトはいないけど、ゆっくりしていってね。特にお姉様」
「はいはい」
チーム「クルーニクス」の女性三人が一同に会することとなった。




しばらく3人が雑談をしていると、不意に神楽の端末からメロディが鳴り響いた。
「誰から?」
「ちょっと待ってください…………えっ、コクト君?!」
なんと、この船団に不在のコネクトから連絡が飛んできたのだ。これにはルチアも驚く。
「うそ……あの人、どこから連絡を?」
「とりあえず、開封してみます…………」
神楽が端末をいじり、コネクトから送られてきたメールを開く。
「あ、ボイスが添付されてます。……再生、しますか?」
不安げな神楽の問いに、まっさきに頷いたのはルチアだった。
「あのバカの言い訳よ。聞くだけ聞いてみましょう」
あめゆぅもそれに同意する。神楽も頷き、添付されていた音声ファイルを開いた。
彼、コネクトの声が流れ出す。
《……このメッセージは、クルーニクスの三人全員に聞いて欲しい。できるなら、全員を集めてから
開いてください。
……ええと、まず最初に。すみません。勝手にアークスを一時脱退したこと、お詫び申し上げます。
でも、これには理由があるんです………あの人、アハトさんに関する、ちょっとした理由が。
まだ俺のことを仲間と認めてくれるなら、この情報を信じてくれるなら。
この先を聞いてください。もし認めてくれないなら、信じないならば、このメールと、俺への連絡先、
その他もろもろは全部消して、俺のことは忘れてください。絶対に》
「……変な人ですよね、いつもこうして何か言うときは改まって」
神楽が苦笑する。だれもこの音声を切ろうとはしない。
《……ここから先を聞くということは、信じてくださったんですね。ありがとう。
…………俺は今、賞金稼ぎ時代のツテを使ってマークアハト、彼の行方を追っています。
先日の惑星アムドゥスキアでの一件は覚えていますか?あの時、俺は声の主…マークゼクス
出会いました。奴はダーカーを操って、アスラクトやカルカーロを襲った張本人でもあるんです。
そいつから得た情報によれば……ウソの可能性が高いですが、彼はゼクスからもたらされた情報を元に
惑星ホレイトスへ向かったようです。…ホレイトスといわれても、聞き覚えはありませんよね。
そちらに座標を送ってありますので、参照にしてください》
コネクトの言葉と同時に、別のウィンドウが展開され、詳細な情報が写し出される。
「……こんな座標に、惑星なんてあったのねえ…アンチ・アーク時代にも、こんなの聞いたことないわ…」
ルチアが感嘆の声を上げると同時に、コネクトの声が再開する。
《おそらく、マークゼクスはそこでアハトさんを亡き者にしようと企てているんでしょう。
彼が……アハトさんやられる率は低いですが、万一ということがあったため、俺はこうして
アハトさんを追っているんです。……それと、あめゆぅさん》
「へっ、私?!」
《貴女のことを神楽さんからお聞きしました。……話がこじれるでしょうが、神楽さん、どうか
彼女にも説明してあげてください。自分の過去を知らないのは、ある意味知っているより辛いときが
あるのですから。…………最後に、ルチアさん》
「………………」
《あんなことを言ってしまって、ごめんなさい。できるなら、あなた方にもついてきて欲しかった。
…でも、やっぱり危険を顧みるのは俺だけでいいですからね。
あえて突き放せば…と思いましたが、どうでしたか?けっこうきたでしょう》
コネクトの声が、一瞬だけ苦笑に変わる。
《……この情報をどうするかはあなた方にお任せします。消し去って俺を忘れるもよし、
公開して脱走者と蔑むもよし。…でも》
すぅ、と一呼吸入れる音が聞こえる。
《でも、あなた達がこの情報で俺を思ってくれれば、俺は多分、むこうでも報われます。
……そろそろ時間ですね。では、お元気で》
それ以降は言葉は続かなかった。録音の限界時間を越えているのだろう。
神楽がファイルを閉じようとすると、小さくノイズが走った。
《……最後に。あなた方にあえて、俺、楽しかったです………ブツッ》
こんどこそ、本当に声は途切れた。
神楽がファイルを閉じると、誰かがしゃくりあげる声が聞こえる。
「………………あの、バカ。言ってくれれば……言ってくれたら、アタシもっ……!」
顔を伏せたルチアが、肩を震わせていた。その横で、あめゆぅが不安を隠しきれていない顔で
神楽に問いかける。
「…………ねえ、神楽ちゃん、私達、なにかできないの?コネクトを、助けれないの?」
神楽もまた、苦しそうに顔を伏せる。と、また着信音が鳴り響いた。あわてて神楽がファイルを開ける。
またコネクトからのメールだった。しかし、今度はボイスがない。
代わりに、一文が添えてあった。
『もしついてくるなら、ハワード船団長にあうべし。さすれば道は開かれん』
三人は一斉に立ち上がった。






 * * * * * * 






「…降下完了。耐熱処理展開を停止。大気圏内飛行へ移行する」
船を操るパネルを操作しながら、コネクトはふと思案する。
(……あのメッセージを見て、あいつらどうするだろうな。……ったく、われながらかっこ
つけすぎたな。…………死ぬ気なんざ、さらさらないのにな)
不意に苦笑がもれる。その音に気づいたコトミが、こちらを見やってきた。
なんでもない、と手を振ってから、コネクトは再び船の操舵に集中する。
窓の外には、まるで機会都市のような風景が広がっている。
かつてよりキャストたちが住まうこの機会惑星も、今はブキミに静まり返っている。
「…真っ暗、だね」
窓の外をのぞいていたコトミが言う。
「だな。…………どーにも、嫌な予感がする」
コネクトが呟いた直後、数個の計器が突然悲鳴を上げ始めた。
「っちぃ!もうおでましかよっ……!」
途端、ゴゴン!と船が大きく揺れる。
「サブスラスターに侵食発生……ちきしょう!不時着準備、メインスラスター出力120%に上昇!
滑走路へ突っ込むぞ!コトミ、どっかにしがみついとけぇ!!」
いつにもまして真剣な顔になった兄を見て、コトミは素直に従った。船体が悲鳴を上げる。
「うおおおおおおおおおっ!!!」
アークセンチネルのスラスターが、空に流星を描く。






バリバリとスパークが鳴り響く中、コネクトは目を覚ました。
「っつつ……コトミ、大丈夫か?」
「う、うん…何とかぁ」
無事に着陸できたようだったが、気を抜けない事態に発展していることは目視せずとも承知の上だった。
「コトミ、今から出撃の準備、できるか?……三分で」
問いかけると、コトミはリストバンドのホログラフィックを操作する。
瞬間、コトミが光に包まれ、戦闘体勢に移っていた。
「ボクをなめてもらっちゃあ、困るなあ」
コトミの挑発気な言葉に、コネクトは口元をゆがめる。
「上等…………いくぞっ!」
コネクトの合図で、二人は一斉に通路へ、次いで外へ飛び出した。
眼下には、黒い池が見える。



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ひぃ、これでおkw
主人公の出番が少なかったのは今までの反動です。逆にカルカーロ居残り組みの出番が増えましたw
えらいやっつけ臭がしますが、そこはご愛嬌ということで流してくださいお願いしますうううう(泣