コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

φ(・ω・`)カキカキ

#10 突破戦



「こんなろっ!!」
コネクトが振り下ろしたアルバクレイモアが、侵食されたキャストを袈裟懸けに切り裂く。
「いけえっ!!」
コトミが放ったギ・ゾンデが迸り、スパルダンの群れを次々と動かぬ鉄屑へと変えてゆく。
二人が目指すは、とあるビル。先刻、アークセンチネルから飛び降りた二人は
目指すビルから雷光が走ったのを目撃したのだ。
予測が正しければ、あの中に――――――!
コネクトはそう踏んでいた。そして今、群れたロボット達の只中を二人は駆け抜けようとしている。
「お兄ちゃんっ、フォトンがもう持たない!」
「ならスイッチだ!後はまかせろ!!」
フォースであるが故、コトミはフォトンの消費量が通常に比べて格段に多い。
そこをコネクトがカバーし、交互に前衛を努めてゆくという戦法を取っている。
「なんでお前達はっ……」
アルバクレイモアをマウントポーチに戻し、代わりに蒼いバシレイオンを射出する。
「ちっくしょおおおおおお!!!」
パルチザンフォトンアーツ「スピードレイン」の五段斬りが前方をふさいでいた群れを
なぎ倒した。次いでコネクトは手に持っていたバシレイオンを空中へ蹴っ飛ばす。
回転しながら上昇するバシレイオンに向かってジャンプ、その柄をキャッチし、体へ引き寄せて
一気に錐揉み急降下で敵陣に穴を穿つ。
パルチザンフォトンアーツ「トリックレイヴ」の衝撃波が辺りの空気をゆるがせる。
「オッケー!フォトン充填完了だよ、お兄ちゃん!」
「了解っ、スイッチ!」
さらに着地点から斬撃を繰り出す。3連撃の後後方へ飛びのく「バンタースナッチ」を使い、
攻撃を浴びせつつコトミと位置を入れ替えた。
「吹き飛んじゃえっ!」
入れ替わりに前へ出たコトミはアルバロッドを振りかざし高速詠唱。
式の完成した「ゾンデ」の雷が、群れ始めていた機会群をまた吹き飛ばす。
続けて詠唱したのは火炎のスペル。完成と同時に、前方で銃を構えていたキャストの胴体が
爆散する。任意の場所に火炎爆発を起こす「ラ・フォイエ」が連続してその紅蓮の刃を煌かせる。
後方から迫ってきたシグノガンは、コネクトの持ち替えたワイヤードランス「クシャネビュラ」の
刃に拘束され、回転を加えて別のシグノガンに投げつけられた。
ワイヤードランスのフォトンアーツ「アザースピン」の旋風により、シグノガンの四肢が四散する。
「このままむこうまで一気に走りきるっ!コト、ギ・グランツ準備!」
「わかったわ!」
前方には更なる数のキャストがひしめいている。二人は同時に詠唱を開始する。
「「ギレイド・ジ・エルカルティオ……『ギ・グランツ』っ!!」」
詠唱が完了すると同時に、二人の周囲に光の刃が発生する。
さらに二人が同時に手を振ると、その光刃が高速で回転を始めた。
「体にひきつけろ!纏ったまま突破するんだ!!」
「えぇ、できるのそんなの!?」
「できなかったらグランツだ!状況にあわせてフレキシブルに動けっ!!」
言うが先か、コネクトは自身の周囲にギ・グランツを展開し、きき足で地を蹴る。
できなかったら、というコネクトの物言いにすこしカチンと来たらしいコトミも同じくギ・グランツを
引き寄せる。周囲に展開したギ・グランツが高速回転し、キャストの防衛陣を薙ぎ払った。
「ハンターのお兄ちゃんができるんだよ、ボクにもできますよーっと!」
不敵な笑みを浮かべ、先を行くコネクトを追走する。
コネクトもまた不敵な笑みを返し、迫り来るキャストを叩き潰していく。




目的のビルへ飛び込んだ二人は、なおもスピードを緩めずに突き進む。
「っていうか、お兄ちゃんハンターなのになんでテクニック使ってるのさ!そんなんじゃフォースの立場
なくなっちゃうよ!」
ふと思いついた文句をコネクトにぶつける。
「非常事態だ、しょうがねえだろうが!」
「しょうがなくないじゃん!さっきもお兄ちゃん、大剣つかって薙いでたじゃん!」
「いいじゃねえか、こんな状況で言い合うつもりかよ!」
少しずつ口論がエスカレートしていく。
「大体お兄ちゃんは他の人の邪魔しすぎなの!ずっと前の戦闘でだって、他のハンターさんを大剣で
たたきとばしてたじゃん!忘れたとは言わせないからね!」
言いつつ、迫ってきたスパルガン向かって氷結魔法「ギ・バータ」を吹き付ける。
「なっ…………よく思い出せよ!あれは向こうから飛び込んできたんだろうが!
俺だってソード振りかぶった後だったからあれはどうしようもねえよ!」
「それがダメなんじゃん!お兄ちゃんは人の射線に入るし他人の邪魔するし、
ハンター向いてないのよこのバカっ!」
「はぁ?!バカ、今バカッつったな!?」
「言ったわよ、それがどうしたの?!」
「知らないだろーから教えてやるよ!バカっつったほうがバカになるんだぜこのバーカ!
バーバーカ!さっきお前が使ったのあわせてバーバータ!!」
「くだらないわよ!お兄ちゃんのギャグいっつも絶対零度級なんだから自重したほうがいいのよ!」
「人のギャグを絶対零度とはなんだ絶対零度とは!」
ガミガミと文句を垂れ流しつつも、二人は抜群のコンビネーションで機会軍団を蹴散らしてゆく。
と、全力疾走の二人の前に、巨大なシルエットが浮かび上がった。
「げっ……『ビッグヴァーダー』じゃねえか、運わりぃ…」
たじろぐコネクトをよそに、コトミが鼻を鳴らす。
「何?お兄ちゃんびびってる?ふふっ、さすがハンター様は違いますねえ〜」
ムカッと来た。
「びびってなんかねーぜ?お前こそ怖気づいてるんじゃねえの?」
「そんな事ないよぉ?」
両者向かい合い、不敵に笑む。
「なら勝負だ。コイツはおそらく最上階まで走っていくだろう。だから、どっちが長くしがみついてられるか
勝負しようじゃないか。撃墜にはちっとばかり人数が足りないからな」
「えへへ、いいよ。お兄ちゃんが負けたらローザクレイン買ってもらうからね?」
「じゃあお前が負けたら回復アイテム一か月分奢りだ。異論は?」
「ないよ。私は負けないもん」
真剣な顔でコネクトをにらむ。コネクトもまた、好敵手を見る目でコトミを見やる。
「ならいくぜ………レディっ」
「「ゴウ!!!」」
二人同時に掛け声を発し、二人同時に大機艦「ビッグヴァーダー」の背に飛び乗る。
通路内を疾駆してるだけあり、今は安定している。しかし、それもすぐに終わるだろう。
コネクトの予想は的中し、ビッグヴァーダーはビルの外壁に飛び移った。衝突の衝撃波が二人の体を軋ませる。
しかしビッグヴァーダーは止まらず、そのまま外壁を伝い上へ上へと駆け上がっていく。
ビッグヴァーダーの背面はまっ平らなため、捕まる場所がない。
と思ったら、コトミはすでにフォースの特殊能力である「テレポート」を用い、上に上っていた。
「あっ、ずりぃ!」とコネクトは罵倒したが、なにぶん騒音がすさまじいため聞こえない。
しょうがなく、コネクトもクシャネビュラを取り出し、上に向かって振り上げる。
刀身がビッグヴァーダーの機関の隙間に突き刺さり、ワイヤーを引き戻す力でコネクトを上に引き上げた。
登りきった瞬間、また衝撃が襲ってきた。ビルのでっぱりにでもあたったのだろうと二人は思う。
コネクトはもう一段上に登るべく、クシャネビュラの刀身を振り上げる。
コトミもまたもう一段上に上るため、テレポートに取り掛かる。
しかしその瞬間、三度目の衝撃が二人を襲った。上へ上がるために、二人は片手を離している。それが災いした。
衝撃に耐え切れなかったもう一方の手が、するりと滑り落ちてしまったのだ。しかも、二人同時に。
「うわあああああああああああ!?」
「きゃあああああああああっ?!」
背から放り投げられ、二人の体はビルの合間を高速で落下していく。
と思ったその瞬間、何かふわっとしたものに包まれ、二人は停止した。そのまま、ビルの中へ引き寄せられていく。
「……………?」
コネクトが下を見やると、それは透明な羽に似た物体だった。コトミも同じく、羽のようなものに包まれている。
数秒後、ビルの中に降り立った二人は、羽の持ち主を確認するべく前を見る。
「あの…………大丈夫でしたか?」
そこには、背中に透明な羽を生やした少女が立っていた。



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ひー、ひーw
アハトさんの更新ペースに追いつける気がしないorz
コトミが挑発的な態度になったのは仕様で、もともとああいう性格なんです。
普段こそぶりっ子ですが(オイ)、ライバルに対しては上のような態度で接し、闘争心を高めることがあるんです。
豹変にびっくりした方すんませんw