コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

新小説、ポケモン物ですー

本編思いつかないからってこんなにSS投下して大丈夫だろうかwww
しかもこの小説、連載予定だし…っと、今のは内密に。


*********




episode1「ハジマリ」




いつかの時代、どこかの場所――


その世界には、既存の生物とは一線を画す不思議な存在「ポケモン」がいる。
ポケモンと人間は時に協力し、時に戦いあい、時に生活を共にしていた。


そんな不思議な世界からは当然、さまざまな物語〈エピソード〉が生まれ、刻まれゆく。
そしてこの世界でもまた、とても小さい、けれど壮大な物語が、幕をあけようとしていた……





「はい!どく状態になりますっ!」
「違うわ!何べんいったらわかるんだこのドアホめ!」
スパーン!と教室に快音が響く。
「いいか、お前達も復習に覚えておけ!状態異常を理解することは、すなわちポケモンバトルの
本質を理解することだっ!」
ここはイッシュと呼ばれる地方の南端にある小さな町、ヒオウギシティ
ポケモンの技「でんじは」を食らったら、ポケモンは「まひ」状態になってしまう!
…ではリト、まひになったらどんなデメリットがある?」
「はい、ポケモンが時折行動できなくなります」
少ない人口ながらも活気付くこの町には、次代の有望なトレーナーを育てるための学校、
「トレーナーズスクール」が存在する。
「よろしい。まひ状態に陥れば、最悪動けないままひんしにされてしまう可能性がある。
では、まひを解消するためのどうぐはなんだ?…リリカ!」
「はい、まひなおしかクラボの実を使いますっ」
「そうだ。よくわかっているな。……っと、今日はここまでだ。各自、忘れ物のないようにな。
それと、ハル。お前には特別課題を与える。しっかり復習してくるように!」
「……へぇい」
そんなトレーナーズスクールには、ある一人の落ちこぼれ学生がいた。
彼の名は「ハル」。ポケモンと共に旅をする「ポケモントレーナー」を夢見る少年。





「はー……。復習が学力上昇につながるのはわかるけどさぁ、こんな量は出さなくてもいいだろうに……」
ハルの家。15枚重ねられた特別課題を前にして、ハルはため息をついていた。
「ハル、気負うのはそれくらいにして、ご飯食べましょ?」
トビラをあけて微笑んできた母に「うん」と会釈し、居間へ向かう。


「……ふうん、じょうたいいじょうについてねぇ。お母さんもトレーナーやってたけど、
そんなに重視させるようなことじゃなかったわね」
食卓で、母が饒舌に喋る。思わぬ返答に、ハルは思わず腰を浮かす。
「母さん、それほんと?」
「ええ。なにせ私達の代っていうのは、正々堂々が主流だったからね。状態異常にして
作戦勝ちを狙うなんて、もってのほかだったのよ」
へえ、と小さく呟き、止めていた箸を進ませる。
「じゃあ、母さんも状態異常については……」
「そうね。知らないことのほうがほとんどよ。凍らされたりしびれさせられたり、ポケモンたちも
大変よね、ヨーテリー?」
「わんっ!」
テーブルの下でポケモンフーズを食べていた「ヨーテリー」が上機嫌そうに答えた。
「あーあ……習うより慣れろっていうんだし、実際に旅に出してくれりゃいいのになぁ」
不満たらたらの表情で、茶碗に残ったごはんをかきこむ。



「………はあ〜。終わる気がしねえええ………」
現在、宿題8ページ目。
鉛筆でさらさらと答えをかきこむ。その答えは、正解だった。
これだけではない。それまでやっていたページの全て、問題の全てが、寸分違わず正答だったのだ。
「…むかつく先生だよ、ったく。こうして全問正解したらしたで『カンニングしただろ』とか言って、
そのくせ一問でも間違いがあったら『この程度も全問正解できないのか』だしなあ。
あいつ先生する気ないよなぜってー…」
ぶちぶちと文句をたれつつ、次の一問に取り掛かる。


と、窓の外に何かが見えた。
「ん?」
身を乗り出し、先ほど見えたものの正体をさぐる。
直後、小さな光が瞬いた。その中心から、何かが落ちてくる。
よくよく目を凝らせば、それはポケモンのようだった。
「…っ!」
その事実を確認するや否や、ハルは家を飛び出した。




ハルが真っ先に向かったのは、街一番の高所であるヒオウギの高台だった。
あのポケモンがどこかに墜落したのなら、高いところから探すのが妥当である。
はっ、はっ、と息を切らせ、高台への階段を駆け上がる。
「……あっ!?」
頂上につく寸前、ハルはそれを発見した。
高台の頂上に設けられたスペースに、一匹のポケモンが倒れこんでいたのだ。
夜霧のせいかぼんやりとかすむ体は、白と赤の二色にいろどられている。
ひゅう、ひゅうという弱弱しい息遣いと無数の傷が、何者かに攻撃されたという事実を
音もなく物語る。
助けなきゃ、という直感が、ハルの脳裏を突いた。
「おい、大丈夫か?!」
すぐさま駆け寄る。しかしその直前、
『こないでっ!!』という声が、どこからかハルの耳に届いた。動きを止められる。
見ると、先ほどまで目を閉じていたそのポケモンが、強い意志を持った瞳で
ハルを睨んでいた。
(まさか……今の声って…………)
いやいやそんなことはない、とハルは頭をぶんぶんふる。
と、背後から新たに複数の足音が聞こえてきた。反射的にハルも身構える。
そして現れたのは、軍服のような出で立ちの男達だった。見積もって4,5人だろう。
そのうちの一人が、端末に向かってなにやら報告している。
「ったく、散々てこずらせてくれやがって……まあいい。こいつの『むげんのしずく』は絶対に必要なものだ。
いくぞ、捕縛しろ」
「「はっ!!」」
どうやら男達は、ハルの後ろに倒れるポケモンを攻撃した主だったようだ。
そうとわかれば、ハルには黙っていられる理由がなかった。迫ってきた男達の一人にタックルをかます
「ぐおぉっ?!」
「貴様っ、そいつをかばう気か!!」
モンスターボールを引っ張り出した男に、毅然とした表情で訴えかける。
「お前ら、ポケモンを傷つけるなよ!」
自分が感じた怒りをそのままに、男達にぶつける。
ポケモンも俺たちとおなじ、同じ生き物なんだぞ!なのにっ…なのに、なんでこんなことするんだよ!!」
必死に訴えかけるハル。が、男達の耳には届いてなかった。
「…ポケモンが同じ生き物だと?ふざけるな。ポケモンは俺たちが『利用』するんだよ。
さっさとどけ、このガキ!!」
男が蹴り飛ばそうとしたが、ハルはそれを体で受け止める。
直後、ハルの後方で倒れていたポケモンがふわりと浮き上がった。そのまま上昇し、一定の高度で停止する。
呆然と見上げるハルの前で、そのポケモンは姿をゆがませ、次の瞬間には忽然と消えていた。
「ちっ……逃がしたか。こうなれば作戦中止だ、引き上げるぞ!」
男の号令と共に、軍服まがいの連中はバタバタと騒々しく去っていった。
蹴りを入れられた部分を押さえつつ、ハルは仰向けに倒れこむ。
(…………守れた、のか?)
考えるが、おそらくはいつかつかまってしまうだろう。
――それでも、ほんの少しの間でもあのポケモンを守れたという事実は、少し嬉しかった。


すこし後、ハルは閉じていた目を開け、帰るために体を起こす。
と、そのすぐ横で、空間が揺らいだかのように見えた。
「…?」
それを見やるのとそこからポケモンが出現したのは、ほぼ同時だった。
戦闘機にも似た鋭角的な赤い翼。胸に施された三角の文様。
心配げにこちらを見つめてくる目は、不思議な黄金色。
間違いなく、それは先刻姿を消したあのポケモンだった。
再び呆然とするハルの目の前に浮かぶそのポケモンが、くるくると周囲を旋回する。
数回回った後、ポケモンが手の部分から光のようなものを生成し、ハルに浴びせかけた。
「わっ」と声に出す暇もなく、ハルの体が光に包まれる。数瞬たつとすぐに光は溶け消え、先ほど蹴られた
部分の痛みが嘘のように引いていた。
混乱してまともな返事を返せないハルをみて、そのポケモンが笑い顔を作る。
が、直後に体がぐらと揺らいだ。次いで、ふらふらと階段の踊り場に向けて下りていく。
不審に思ったハルが駆け寄ると、また弱弱しい声が聞こえてくる。
どうやら、ハルの治療で残った力も使い果たしてしまったようだった。キズだらけの体の力を抜ききっているのがわかる。
「…………恩返し、だったのか?」
思い至った一つの結論を、ハルはぼそりと呟く。
「……それで倒れたら、意味ないだろ…」
ぐい、とポケモンの体を持ち上げる。思ったよりはずっと軽く感じるそのポケモンを、ハルは自宅に
運び入れるべく抱えあげた。




「た、だい……まぁっ!」
「ハル、どこにいって……あら、そのポケモンどうしたの?」
はあはあと息を切らし、ハルは迎えに出てきてくれた母に事情を説明する。
「…さっき、勉強してたら窓の外に何か見えたんだ。よくみたらこいつで、すっげえ弱ってるんだ……。
放っておけないから、つれて帰ってきた」
とりあえず、あの黒服のことは言及しないで置いた。
「…わかったわ、こっちにつれてきなさい。応急手当するから」
母の言葉に頷き、ポケモンをリビングへと運び入れる。


「……これでよし、と。にしても、見ないポケモンねぇ……」
応急手当はすぐに済んだ。母が心配そうに、ポケモンの顔を見やる。
「たぶん、どこかから旅してきたんだ…と思う。俺も、こんなヤツ見たこと無いし」
しばらくそのポケモンをみていたが、やがて母に寝るように指示される。
宿題が残っていたが、明日は休みだ。ハルはさっさとベッドにもぐりこもうと思うのだった。


―*―*―*―*―*―*―


翌日。
大あくびをしながらリビングに入ってきたハルは、その光景に目を見張った。
「……あれ?」
いないのだ。昨晩に家で手当てをした、あの赤いポケモンが。
母はまだ寝ているので、連れ出されたということではないだろう。つまり推測すれば、夜のうちに
目を覚まし、そのまま出て行ったことになる。
「………まあ、いいかな?」
数分黙考するも打開策は見つからなかったので、おとなしくあきらめることにした。
黒服の連中に捕まってなければいいなぁ、と他人事のように考えつつ、冷蔵庫に手を伸ばした。




「あら、どこ行くの、ハル?」
朝食後、外着を着て靴を履くハルに、母が問う。
「ちょっと、高台まで遊びに行ってくる。あのポケモンが気になるし、さ」
「わかったわ。お昼には帰ってくるのよー」
「りょーかい。いってきまーす!」
短いやり取りをかわし、ハルは玄関の戸を開く。
今日も快晴だ。いまは春なので、日差しが心地いい。つい全身を伸ばしてしまう。
「…さて、行くか」
目的地はヒオウギの高台。昨日あのポケモンを見つけた場所。
周囲の人々と挨拶しながら目的地へと足を進ませていると、不意に後から肩をつつかれた。
「…?」
ふりかえると、そこには見慣れない女の子がいた。
赤茶色いシャギーウルフの髪。白地に赤いラインの入ったシャツと、クリムゾンレッドのスカート。
黄金色に輝く丸い瞳は、どこか人外のような雰囲気を醸し出している。
「なにか、用?」とハルが簡潔に聞くと、数歩離れて少女が手招きをしてきた。こっちへこい、の意味なのか。
呆気にとられつつも、ハルは少女の後を追う。
ヒオウギの町は細い路地が無数にあることで有名だ。その路地を、少女は右へ左へ進んでいく。
時々見失いそうになったと思ったら、少女が止まって待っていたり。
そうこうしてるうちに数分たった頃、ハルは見知らぬ場所へと来ていた。
「こんなとこ、あったんだ……」
そこは、路地の奥に隠されていたようなちいさな空き地だった。その中央に、先ほどから追い掛け回していた少女が
立っていた。
ようやくみつけられた、という感覚を胸に抱きながら、ハルは歩み寄る。
「ねえ、君…だれ?なんで、こんなとこにつれてきたの?」
答えは、意外な形で帰ってきた。
『…昨日は、ありがとう』
「へっ?」とハルが素っ頓狂な返事をしたのも無理はないだろう。何しろ、頭の中に声が聞こえてきたのだから。
昨日はありがとう?なんで頭の中に声が?そもそもこんな子面識ないぞ?と、ハルの頭の中で疑問符の嵐。
そしてその無数の疑問に導き出された一つの答えが、ハルの頭に浮かぶ。
「…………まさか、昨日の…ポケモン?」
問うと、少女が笑ってこくんと頷いた。同時に、少女の姿がゆがむ。
特殊な光学迷彩でも解くかのように姿を変えたそれは、まさしく昨日のあのポケモンだった。
唯一違うのは、その顔が笑っているところ。
『お礼を言い損ねたから……。ごめんね、私、人前にはこの姿で出たくないんだ』
つまり、ハルにこの姿を見せるためにここまで連れて来たということらしい。頭の中で合点がつく。
『あらためて、昨日はありがとう。私は〔ラティアス〕。…えっと、君の名前は?』
そう問われて、そういえば名前を知らないんだっけなと改めて思い出す。
「…えぇと、俺はハル。……別に、お礼を言われる筋合いはないよ。ただ、自分が思ったとおりに動いただけだし」
今更のように昨日の行動が気恥ずかしくなり、ハルは頭を掻く。
ふと、昨日の連中のことが頭に浮かぶ。
「…ねえ、ラティアスだっけ?君は、なんであいつらに追い掛け回されていたの?」
その瞬間に、ラティアスの表情が曇った。タブーな質問だったかと思い謝るその前に、ぽつぽつとラティアスが話し始める。
『……私は、ここにいるドラゴンポケモンに会うためにやってきたの。彼の力が弱まったのを、私達兄弟…
私と、兄のラティオスが感じ取ったの』
そこまで話すと、ラティアスが掌中にちいさな宝石を取り出した。
『これは、私達が運んできた〔むげんのしずく〕。力の弱まった彼に力を分け与えるために、私達の力を少しだけ取り出して、
物質にしたもの。これを運んでいる途中に、昨日のやつらから攻撃を受けたんだ……』
その後を推測するのは簡単だ。攻撃を受けた兄妹は離れ離れになり、ラティアスは単独でこの町まで逃げ延びた。
しかし撃ち落されでもした後、ヒオウギの高台に墜落したのだろう。
改めて、先日の黒服たちへの嫌悪の念が沸いてくる。が、その後にもう一つ気になったことがあった。
「……なんで、そこまで色々俺に話すの?何で、そんな大事なものを俺に見せるのさ?」
問いかけてみると、ラティアスが分からないといった様に首をかしげる。言葉足らずだったかと思い、補足を入れる。
「……俺が助けたからって言っても、この後俺が君に危害を加えないとも限らないだろ?…もしかしたら、
俺にそのしずくを奪われてるかも知れないんだぞ?なのに、なんで…」
そこまで言うと、ラティアスは理解したようだった。次いでまた笑う。
『そんなこと言ってるなら、ハルは悪者じゃないね』
「……え?」
『だって、悪者ならそんなこと言わずに奪いに来るでしょ?わざわざそんなこというハルが悪者だなんて、
私は思わないな』
これには一本とられた。彼女は無邪気ゆえに、ハルの本質を見抜いたようだった。
「…そうだよな、ゴメン、変なコトいって」
『ううん、疑うのも無理ないよね。こっちこそごめん』
互いに謝りあってしまい、同時に苦笑をもらした。


「…ところで、もうひとつ聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
街の大通りに戻る途中、ハルは気になったことを質問してみた。こくりと頷いたのをみてから、
ハルが質問を口に出す。
「その格好、どうやってるの?…人間に化けるポケモンなんて、すごく珍しいのに」
現在のラティアスは、町の通りで出会った女の子の姿になっていた。
人間や他のポケモン変身信するポケモンもいるにはいるが、そうそうお目にかかれるものではない。
ゆえに、ハルは原理が気になってしょうがなかった。
『これ?えーっとね、これは私達の羽毛で光をまげてるんだ。屈折具合で人の姿になってるの。
他にもポケモンになったり、姿を消したり。色々出来るんだよ』
へー、とハルは返事する。悪用されれば面倒なことになるだろうな、と考える。
それと同時に、二人は大通りに戻ってきた。人々の喧騒が、ハルの耳に戻ってくる。
『……それじゃ、私はそろそろいくね』
しかし抜け出してすぐ、ラティアスは手を振って離れようとする。
「あっ、ちょいまち!」
寸でのところでハルが引き止めた。少女姿のラティアスが振り向き、小首をかしげる
「…………一人で、いくの?」
『…うん。これは私達ポケモンの問題だから。ハル、君には悪いけど、ここからは私だけでやらなくちゃ』
「そっか。……がんばれよ」
もう一度しっかりと頷き、今度こそラティアスは去っていく。



――本当は、一緒にいきたい。


――彼女は苦しんでるんだろう。無力だった自分を、呪ってさえいるんだろう。


――助けたいのに。


――自分には、それをする資格なんてない。


とても、とても複雑な感情を抱きながら、ハルはちいさな背中を見送った。





「……はぁ」
家に帰ってしばらくしても、ハルはラティアスを気にかけていた。
街のすぐ外でやられていたりしないだろうか。であったとして、逃げおおせれるだろうか。
ぐるぐると頭の中で考えが周り、なんだか落ち着かない。
「くそ、なんでこんなに気になるんだよ…」
ただ助けただけなのに。いきさつを聞いただけなのに。
――なぜこれほどまでに、力になりたいと思うのだろうか?
「…はぁぁ」
今日何度目とも知れないため息をつくと同時に、ピリリリリリ!と自宅の電話が鳴り響いた。
「もしもし?」と受話器をとる。聞こえてきたのは女性の声だった。
『もしもーし、ヨーコさんのお宅ですか?』
ヨーコというのはハルの母親のことだ。「ちょっと待ってください」といっておき、母宛に電話が来たことを
知らせる。受話器をわたし、それまでわだかまっていた考えを吹き飛ばすために大きく伸びをする。
「ハル、あなたに合いたいって言う人がきてるそうよ」
不意にかかった母の声に、ハルは少しだけ体をこわばらせた。


「……ここか」
数分後、ヒオウギの高台。ハルに会いたいという人物は、ここで待ち合わせを申し出てきたのだ。
なんだか最近はよくここにくるなぁ、とぼんやり考えつつ到達した頂上に、その人物がいた。
「いやー、ほんとここって絶景だよねーっ!」
きゃあきゃあと感動交じりの声を上げながら、せわしなく動く頭は金の髪を蓄える。緑色のベレー帽に似た帽子が
良いコントラストを出している。
「ねえねえ、あなたもそう思うでしょっ?」
「へっ?…え、あぁ、はい」
くるりと振り向いてこちらにいきなり話を振ってきた人物は、見た目16ほどの少女。
今年13になるハルとさほど変わらない目線の彼女は、赤い眼鏡が特徴的だった。
いきなりのことでハルもびっくりしてしまい、若干狼狽した返事になる。
が、そんな返事のことなど彼女は一向に気に留めない。それどころかふと思い出したように、名を名乗ってきた。
「あっ、あたしはベルっていうの!ポケモン博士のアララギ博士の助手でーす」
ベル。その名はハルが母から聞いた「待ち合わせの人物の名前」に他ならない。
目的の人物と話していることなどつゆほども気にせず、ベルはなんとものんびりしたカンジで話しかけてくる。
「でね!あたしは今、ハルって人を探してるんだ。キミ、知ってるかな?」
笑うベルの問いかけに、若干疲れ気味に返事をする。
「……はい、知ってますよ。他でもない俺ですから」
「あぁっ!やっぱりそうだったんだ!うわぁー、聞いてた通りだ!えっと、はじめまして!
会えてよかったよー」
あははと朗らかに笑う彼女を見ると、すこしばかり緊張していたことが本気でどうでもいいことに思えてきてしまう。
頬の緩みを隠さず、用件を聞き出す。
「それで、何でいきなり俺に会いにきたんですか?」
ハルの問いかけに「忘れてた!」とでも言わんばかりの表情になる。ちょっと心配になってきた。
「そうそう、そのことなんだ!…実は今日、キミにあることを尋ねたくってここまできたんだ」
続く一言は、ハルの心を重く突いた。



「旅に、出てみたくない?」



*********


くっはー、長い長い!w
いやー、ここまで長く出来るのは下地になるものが存在するからですねぇ。…繋録?あれはもう根性の領域ですw


さて、今回更新の冒頭でもちょろっと言ってましたが、今回から新たにこの「ポケモン小説」の連載を開始したいと思います!
理由は至極単純、ラティアス可愛いから(嘘
ゲフン失礼。ホントはポケモンで書く小説に憧れていたからです。
技とかの表現をかけるかどうかは怪しい領域ですが、どうにかあがいてみるつもりです。
あと本小説には
・ヒュウと彼関連のストーリー
・一部のバトル
・PWTなどのやりこみ要素
・それに順じてのサブウェイ前でのサポートキャラとの出会い
を全面カットといたしますw
入れ替わりに追加として
・BW2の夢の跡地で出合うラティ兄妹にまつわるストーリー
ラティアス(アニメ映画の設定にテレパシー設定追加)との二人旅
を追加します。
理想としてはポケスペみたいな「オリジナルを盛り込みつつ原作に沿ったストーリー」を目指すつもりですが、もしかしたら
脱線するかもしれませんw
そん時は皆さんから容赦なく言ってください。軌道修正に尽力しますっ。


さて、長話はこれくらいにして、下地のおかげでプロットが完成しちゃった次回の予告で締めたいと思います!


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「キミは、どの子をパートナーにする?」


「試験を受けてもらうぞ!」


「全力でっ、ぶっ飛ばせぇぇぇぇぇぇ!!」


「甘いんだよ、ガキがっ!」


「まってろ!今すぐっ…」


「いくよっ、つかまって!!」



「俺の……俺の相棒は、こいつです」


次回「ちいさな決断」


「さぁ、いこうぜリュート……俺達の記録〈レポート〉を作るんだ!!」
乞うご期待 ノシ