コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

続けざまに第3回ぃぃ!

すすめぇ、すすめぇ、きみとーっ!なないろのにじこえてぇーっ!
れでぃごぅ、もっとぉ、とおくぅー、くもをつきぬけそらへとぉぉーっ!!
ってことでどもどもどもー、コネクトですよーん。


今回歌った曲:ポケットモンスター「Ready Go!」


いやはや、やっぱり物語の下地があると製作がすらすらすいすい進みますねー。
繋録にも剣物語にも風にも、ほとんど全部のプロットは作ってあるんですが、
それでもやっぱり遥かなる記録の作成速度は尋常じゃないですねw
ではでは第3回、いってみまっしょい!


*********


episode3 コウボウ



「…ただいまぁ」
「あら、おかえりなさいハル。ポケモンはもらえたの?」
若干意気消沈気味に帰宅したハルを、期待の声と共に母が出迎えた。
同時に頭の上にちょこんと乗っかっているリュートを見て、少々意外そうにハルへと問いかける。
「…そのイーブイを貰ってきたの?たしか、最初はみっつのタイプから選ぶのが主流なはずなんだけど……」
「あぁ、違うんだ。…実はこいつ、ちょっとしたいきさつがあってなついちゃったんだ。
手放すわけにもいかないしさ、パートナーに選んだんだよ」
「へぇー、ハルも隅に置けないわね!あらぁ、可愛い〜」
ハルの頭上から好奇心たっぷりの目線を母に向けていたリュートは、突然頭をなでられてすこしひるんでしまう。
しかしすぐに相手に害がないことを理解し、母の手を気持ちよさげに受け止めている。
「……まぁ、手放しじゃ喜べないんだけどね」
「ん…どういうこと?」
ハルは母に、ジムリーダーとの対戦を取り付けられたことを話した。
最初は驚いていたが、母もまたトウゴと同じように喜ぶ人間だったらしい。
「へぇーっ、あのトウゴ先生じきじきに取り付けられたのね!なら、ハルが負ける心配はないわ!
確かにジムリーダーは強敵だけど、今の貴方達の敵じゃないわ!応援するから、頑張りなさいな」
「……う、うん。わかった、やってみる!」
とりあえず明るく返事をしたはいいものの、その心中は岩ポケモンがのしかかったかのごとく重いハルだった。


「…んーと、確かヒオウギのジムリーダーさんは、と……あぁ、この人か」
その後自室。対策を練るべく、ハルはパソコンでジムリーダーの情報を仕入れていた。
画面に映った情報は詳細で、ジムリーダーの名前や姿に使用ポケモンはもちろん、果てはどんな性格かまで
こと細かく記されていた。
ハルはその中から、目当ての使用ポケモンをリストアップする。
「……ありゃ、流石に詳細な手持ちまではないなぁ。でも…」
気になったらしいリュートが画面をのぞきに来て、その頭をハルがぽすと撫でてやる。
「使うポケモンはノーマル!……つまり、今回は純粋に力と力のぶつかり合いなんだ!
勝機はある。そうだろ、リュート!」
「ぶいーっ!」
どうやらリュートも、バトルと聞いてうずうずしていたらしい。張り切ってジャンプし、そのまま足を滑らせて
乗っていた机から転げ落ちてしまった。
「あははははっ!……さーて、そろそろ向こうの準備も完了してるな。いくか!」
「ぶいっ!」
肩にリュートを乗せ、ハルは勢いよく部屋を飛び出た。
向かう先は、トレーナーズスクール裏手のドーム状施設「ポケモンジム」。





「たのもーっ!!!」
トウゴに入り口を通され、フィールドの扉を思い切り開け放つ。
そしてその前に立っていたのは、純白のワイシャツに深紅のネクタイをしめ、
漆黒の髪を蓄えた少年が―――情報と同じ容姿を持った人物が立っていた。
「…きみが、トウゴ先生お墨付きの生徒だね!話は聞いてるよ。さっそくはじめようじゃないか!」
「よ……よろしくお願いします!」
思わず改まってしまい、そんな自分にジムリーダーは微苦笑を浮かべる。
両者が配置についた後、ジムリーダーが思い出したように話しかけてきた。
「……これは、きみにとっての初めてのポケモンバトルでもあり、ぼくら教師なりのきみへの卒業試験だ!
ヒオウギジムジムリーダー、チェレン!最後の壁として、全力で相手する!」
ジムリーダーチェレンが名乗り終えた直後、試合の開始を告げるブザーが鳴り響いた。
「行くぞ、ミネズミ!」
「やってやるぜ、リュート!!」
両者の手からボールが放たれ、地へとポケモンを放出する。
ハルが出したのはむろんリュート。対するチェレンは、赤い目とぴしっと立たせたしっぽが特徴的な
ねずみのようなポケモンミネズミ」を繰り出してきた。
両者地に立ち、どちらから先に出るかをじりじりと読みあう。
「先手必勝!リュート、〈かみつく〉!」
「ぶいっ!」
先制攻撃を仕掛けてたのはハルとリュートだった。ドガースを撃破した際の俊敏な動作を見せつけながら、
軽快にミネズミの近くへと迫っていく。
「させるか!ミネズミ、前方に〈たいあたり〉で回避だ!」
「みーっ!!」
その動作を危険と判断したチェレンの鋭い指示が飛び、ミネズミもすばやくそれに応じた。
リュートのキバが体に触れる直前に猛ダッシュし、回避を行うと同時にリュートを吹き飛ばしたのだ。
「ぶぅっ!?」
「うおっ、リュート!」
錐揉み回転しながら吹き飛ばされたリュートは、しかし軽傷のようだった。フィールドの一角にざしっと着地し、
そのまま走ってハルの元に戻ってくる。
「…油断大敵だよ。ミネズミ、もう一度〈たいあたり〉!」
「しまっ……まずいリュート、はやく!!」
リュートが回避の動作を獲るよりも早く、ミネズミのずんぐりした体躯が横っ腹に突き刺さった。
「グッ……」
リュートォ!!」
そのまま衝撃にのり、リュートはだん、だんと地面を転がってこちら側に戻ってきた。
「くっ…大丈夫か、リュート!?」
倒れたままのリュートに呼びかけると、なんとかリュートは立ち上がってみせる。
「ぶ……ぶいぃっ」
(まずい…………さっきの二度の体当たりで、リュートのHPは半分持っていかれてる。しかも…)
チラとミネズミのほうを見ると、ミネズミは気合をためているように見える。
(あの構えは…たぶん〈ふるいたてる〉!攻撃力をあげて、次でこっちを落とすつもり……なら!)
ミネズミ、〈たいあたり〉で勝負をつけろ!!」
「みみみぃーっ!!」
「させるかよ!リュート、〈シャドーボール〉だ!!」
「ぶ…ぶいぃっ!」
ハルの指示で、リュートは眼前に漆黒の球体を作り出す。
しかし、ゴーストタイプの技である〈シャドーボール〉がノーマルタイプであるミネズミに効果が無いことは
ハルも知っている。そのことは相手は知らず、おそらく油断しているだろう。
半分の体力で無傷の相手を倒すのは難しい。ならば、奇策にかける。
「いまだっ!地面に向かって撃てぇぇ!!」
「なにっ!?」
「ぶいーーっ!!」
ズドォォォン!と地面にシャドーボールが激突し、その衝撃で盛大に砂煙が立ち上がった。
たいあたりで突っ込んできたミネズミも目くらましを直に食らったらしく、
砂煙の向こう側――つまりハルの方向に突き出てきた。捉えたはずの敵がおらず、ミネズミは困惑する。
その様子は、チェレンには見えずハルには見えている。つまり、今こそ勝機。
「決めろ、リュート!〈でんこうせっか〉から、思いっきり〈かみつく〉!!」
ズバッ、と砂煙の中から突撃してきたリュートの放った〈でんこうせっか〉は、ミネズミめがけて
一直線に軌跡を描く。
「くっ…ミネズミ、よけろぉぉっ!」
「みっ…みみぃぃ!!」
回避方向を明確に指示されなかったのが仇になったのかは不明だったが、リュートのキバは確かにミネズミを捉えていた。
「みぃー…………っ」
どしゃ、と音を立ててミネズミが伏したと同時に、ようやく砂煙も晴れた。
「……ふぅ、やられちゃったね。おつかれ、ミネズミ
戦闘不能な状態になっていることをその目で確認したチェレンが、モンスターボールのレーザーを当てて
ミネズミをボールの中に戻す。
「どうですか、俺とリュートのコンビネーション!」
「ぶいっ!」
「…あぁ、初のジム戦でここまでやるなんて、正直驚いた!でも、ぼくにはもう一体いる!!」
その言葉に続き、チェレンの手から新たなボールが放られた。
身構えるハルとリュートの前に現れたのは、自宅でも飼っている子犬のようなポケモンヨーテリー」だった。
「さぁ、休んじゃいけないよ!ヨーテリー、走りながら〈ふるいたてる〉だ!」
「きゃうっ!!」
ずばん!と爆発力のあるダッシュから、ヨーテリーは自らの攻撃力と特殊攻撃力を上げるわざ〈ふるいたてる〉を
使用しながら突撃してきた。
(…〈ふるいたてる〉は本来停止していないと本来の力を発揮できないはず……。充分に引き出さなくても
勝てるのか、もしくは…!)
一瞬の思考の後、気づいたときにはあと数秒でリュートに衝突するところまで来ていた。
リュート、こっちは〈たいあたり〉だ!真正面から答えてやれ!!」
「ぶぅーっ!!」
ハルの指示を受け、リュートも力強く駆け出す。
とはいえ、相手は不十分ながら〈ふるいたてる〉によって攻撃力を底上げされている。
このままぶつかれば、間違いなく軍配はヨーテリーに上がるだろう。
上手く避けられるだろうか、それだけを考えながら、ハルは再度指示を飛ばした。
リュート、ジャンプだ!」
「ぶっ、ぶいぃぃっ!」
スタン!と軽快な音を鳴らし、リュートは跳躍した。
てっきりぶつかってくると思っていたヨーテリーが唖然とした表情になり、そのままズデンと派手に転んでしまう。
「!まずい、ヨーテリー飛べっ!」
「逃がすか!リュート、ミニサイズで〈シャドーボール〉掃射!!」
ヨーテリーが跳躍したのと同時にリュートの口から小さなシャドーボールが何発も打ち出され、
ガトリングガンのごとくヨーテリーに命中していく。
「きゃいんっ!?」
効果が無いといっても、それは相性上の話。エネルギーの塊がぶつかって、痛くないほうが珍しい。
「決めろリュート、〈とっしん〉!!!」
「ぶぅっ…いぃぃー!!」
地上に降り立ったリュートが、再度地を蹴る。
どのみちここで倒さなければ、ハルの負けは確定しているだろう。リュートも既に消耗しきっており、
これ以上の継戦は望めない。
ならば、リスクを背負う。潔く倒されるより、最後まで足掻こうじゃないか。
「あうぅぅぅぅっ!!」
ズドォン!という衝撃音と共に、リュートヨーテリーの横腹を貫いた。
どぅと地に伏す、ヨーテリーリュート
「…………」
「………………」
そのまま両トレーナーも黙り、しばらく沈黙が続く。




「……ぶ、ぃっ」
少し後、先に立ち上がったのはリュートだった。


*********


はっひゅー、第3話完成!
ドえらい単調なジム戦になっちゃったなぁ、と若干後悔しておりますw
実際、BW2以前をクリアした人にとっては最初のジム戦は単調に思えるんじゃないかと個人的に考えます。
いいわけだと言われたらそこまでなんですがねww


さて今回対戦したチェレンさんですが、彼の手持ちは一応本編準拠です。
ヨーテリーハーデリアにしようか迷いましたが、そうするとなんだか負けで終わりそうな気がしたんで
このままにしましたw
リュートが使った〈シャドーボール〉と〈とっしん〉は本来この時点で覚えてるはずないんですが、
そこはもとから覚えていたと脳内変換していただきたく思います。
もともととっしんは出す予定なかったんですが、最後の相打ちに近い状態を演出するには
反動の返ってくるとっしんがうってつけだったんです。それ以外に強いわざといったら〈すてみタックル〉以外
なかったんでw(現段階でそこまで覚えていると不自然だと考えました)


次回ですが、1話以来ようやっとヒロインポジションであるラティアスが再登場します(やっとか
ここからの展開は完全新規のオリジナルなので、原作再現を期待なさっている方は
そこのところご了承願いますー。
それではまた次回あいませう ノシ