コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

マビノギ 小説風プレイ日記その2


久しぶりにラビダンジョンにでも行こうかな。
雨降りしきるダンバートンの街道で、俺はふとそんなことを思いついた。最近は旅用の服や拡張カバンなんかを買い込んだせいで、
資金が乏しくなっていたのを思い出したのだ。
別に、普段から貧乏暮らしをしているおかげで1000Gでもあれば2週間は持ちこたえる自身ぐらいならある。
だがそこは金の魔力にとりつかれたもの、懐にお金がないと少々さびしくなってしまうのだ。


そんなわけで、俺は長い付き合いであるサラブレッドの相棒「エスカリアス」を走らせ、ダンバートン北西の遺跡へと向かった。
遺跡はぽっかりと大口を開けており、そこがまさしくラビダンジョンの入り口である。
相棒をその辺に停車させ、俺は単身ダンジョンの内部へと乗り込む。内部構造はいつぞやのアルビダンジョン他、ティルコネイル南東の
キアダンジョン、バンホール鉱山のバリダンジョン、ダンバートン北東のバリダンジョン、その他もろもろのダンジョンと同じ構造だ。
そして、その特性も全く同じもの。法則にのっとり、俺は金貨一枚をコイントス



構造が一変し、旅人を打ち崩すための顔をのぞかせたラビダンジョンを、俺は新たなる相棒「ダウラSE」を突き付けながら散策していた。
と、第1層に来て何度目かの宝箱に遭遇する。ダンジョン内の宝箱といえば、大抵はトラップとして魔法生物であるミミックが配置されている。
もう一つの可能性といえば――とのんびり復唱しながら宝箱を開けると、ボボボン!という炸裂音とともに、周囲に展開された魔方陣から
モンスターが湧き出てきた。
「……げ、スケルトンか」
15歳にしてまだまだキーの高い声でつぶやく。そこに現れたのは、白骨化した死体かと見間違うようなモンスター「スケルトン」だった。
唯一使者と区別できる点は、目があったはずの部分に寒気を覚えるような青い光が灯っていること。
舌打ち一つ、俺は両手のダウラを突き付け、トリガーを引き絞る。ガガァン!という音響とともに、魔力が炸裂した衝撃によって撃ち出された
鉛のかたまりが、スケルトンの背骨に相当する部分を撃ち砕いた。
この体になってからずっとデュアルガンを使ってきたので、使い始めたころに比べるとずいぶんと威力も上がってきている。
続く第2射を頭蓋骨に撃ち込んでやると、スケルトンの頭部はあっけなく粉砕された。
確定2発。最初は4発ほどだったのにと思うと、どうしようもなくうれしい。
気分がいいので、少し調子に乗ってみるとしようかな。そう頭の片隅で考えながら、俺は姿勢を低くし、ダウラを構える。
総数は4。突撃をかける!
数泊を置いて、俺の体は矢のごとく飛び出した。すれ違うスケルトンの脳天に魔力弾を叩き込みながら、向かいの扉に向かって
軽業のように飛び込む。秘密兵器であった「シューティングラッシュ」が見事に決まり、残されていたスケルトンはすべて
胴体から下を残して倒れ伏していた。
決めポーズで着地するのを忘れないのは、俺の至情主義。そんなことをドヤ顔とともに考えていると、すこんと頭に何かが落ちてきた。
拾ってみると、それは魔物を操るための魔道具「魔符」だった。そういえば、スケルトンの魔符も相当価値があったはずだ。
失念していた。ここに来た目的は、あくまでも資金稼ぎのためなのである。改めて部屋を見ると、もう一つ魔符が転がっているのが見える。
手早く回収し、さらに美味しい「レッドスケルトン」や「メタルスケルトン」を叩くべく、俺は歩を前に進めた。



ダンジョン第3層の中ほどあたりで、ようやくお目当ての鋼鉄骨野郎と出くわせた。
ケルトン……つまり骨なのに鉄製なのは突っ込んではいけない、と心の中で念じ、いつものごとく俺はダウラを向ける。
先手必勝。トリガーを引き絞り、奴の脳天を狙う。が、微妙に的が外れたようで、弾丸は左目を粉砕しただけに終わった。
だが、これで終わるようではデュアルガンではない。立て続けにトリガーを引き絞り、その数だけ弾丸が撃ち込まれる。
エナメル質が砕けるような鈍い破砕音とともに、メタルスケルトンは物言わぬ骸(むくろ)と化した。確定4発。
ずいぶんと威力も上昇したものだ。そうしみじみ感じながら、俺は残るメタルスケルトンを粉砕して回る。


ところで、油断大敵という言葉をご存じだろうか。俺のいた世界では四字熟語として知られる、いわゆる一般常識だ。
意味は「油断すると危ない」だったか。
そんなわけで、俺は通路に配置されたモンスタートラップに出くわしていた。スケルトンが獣になった「骸骨オオカミ」が6匹と、
四つ配置された宝箱。うち三つは確定でミミック。ここはひとつ、知人から聞いた連続攻撃を試すとしようかな。
腰を据え、銃を回転させ、魔力チャンバーに弾丸を充填させる。同時に魔力を炸薬代わりに込め、何十発もの鉛を撃ち出せる
強力な炸薬へと返事させる。準備は完了だ。
そこへ、魔力の充填に気付いた骸骨オオカミが接近してきた。が、いまさら遅い。
「くらええぇぇっ!!」
咆哮一発、俺のダウラから無数の銃弾がショットガンのごとく飛び出た。いや、マシンガンと形容したほうが適切か。
ともかく、俺が行使するダウラからは大量の弾丸が撃ち出された。何十発と撃ち出された弾丸は残らず敵――ミミック含め、骸骨オオカミ全員にも
直撃し、相手へとダメージを与える。
久しぶりに使用したが、さすがに「バレットストーム」だけでは倒しきれなかったようだ。怒りに目を光らせ、こちらに突撃してくる。
だが、そこでのうのう引き下がるわけにはいかない。引き下がったところで、四肢を噛み千切られて内臓をぶちまけて終わりだ。
そう、引かずに進む!
残る魔力と弾丸を行使し、俺はその場から跳躍した。軽快なステップで迫るモンスターの脇を駆け抜け、すれ違いざまに
ダウラの弾丸を叩き込む。「シューティングラッシュ」を敢行し、周囲にした敵はまとめて吹き飛ばされた。
「ふっ……俺に勝とうなんて思うなよ」
17歳男子をやっていた俺には違和感ありありな甲高い声で格好つけたはいいものの、後方から迫る陰には気づいてなかった。
「はばっ!?」
鈍い打撃音とともに頭に走る衝撃、次いで自身の体が吹っ飛ばされる感覚。吹っ飛ばされながら見やると、なんと倒したはずの
骸骨オオカミがタックルを終えた体制で立っていた。しかも二匹。
「っと、くそぉ……やり切れてなかったのかよ!」
毒づきながら、再度ダウラを突きつける。今度は狙いたがわず鼻の頭に叩き付け、今度こそ全員を吹っ飛ばした。
撃った後も油断しない。以前の世界で見たアニメの名言を思い出しつつ、俺は骸骨オオカミとミミックの魔符を拾って進む。



「……あら、かわいい男の子じゃない」
そこから数十分後、俺はダンジョン最下層のボス部屋にて主と対峙していた。目の前にいるのは、ふわふわとした桃色の髪と
色白な皮膚を黒い衣装で妖艶に包む、魔性の女「サキュバス」。男性を悦ばせ、堕落させることに快感を感じるとかいう情報を
知人から仕入れていたことがある。
そんなサキュバスは、語勢強き俺に興味津々なようだった。対する俺は、かつてともに魔族の軍を退けた男からいただいた(押し付けられた)
真紅の刀身を持つ両手剣「ハイランダークレイモア」を握り、無言で構える。
身構える俺に、相手もやる気は満ちているようだった。腰からゆっくりとショートソードを引き抜き、軽い金属音とともにこちらへ向ける。


数泊を置いたのち、二つの影は激突した。サキュバスが鋭い刺突でこちらの喉元――正確にいえば少し外した場所を狙い、相手をひるませるだけの
作戦だったようだが――を突いてくるが、俺は危なげなく流麗な刀身でその切っ先をさばく。
二度三度刺突と回避の押収が続いたのち、突如サキュバスが距離をとった。お遊び程度にしか剣を振ってなかったせいで刃は宙を切り、
どっかと音高く床に突き刺さる。舌打ちとともに柄から手を放し、腰に吊っていたダウラに手を伸ばそうとする――直前。
ビシャアアアン!という電撃が炸裂した音が響き、同時に俺の体から一瞬力が抜ける。どうやら初級魔法の一つ「ライトニングボルト」の
電撃をまともにくらい、全身を一瞬だけ麻痺させられたのだろう。そしてその隙を見逃さず、サキュバスがショートソードを手に
突っ込んでくる。
ここで先手に回られるのはまずい。そう判断し、体勢を立て直すと同時に目前まで迫った刃を最小限の動きで回避。
同時に腰のダウラへと手を伸ばし、小さく折った足で地を蹴り、サキュバスの肩口に足の裏を叩き付ける。蹴り飛ばす動作と同時に
ダウラの銃口を突き付け、トリガーを引き絞る。轟音とともに弾丸が撃ち出され、サキュバスの首の下に直撃し、反動で俺の体は一回転。
危なげなく着地するとともに、サキュバスの体は地に伏した。
意外とあっけない終わりだったな。そう考えつつ、とどめの弾丸を眉間に撃ち込み、そのまま広間を後にした。



とりあえず、ダンバートンに戻ってやることはクエストの報告だ。
魔符集めに関するクエストは、町の中央にある官庁にて行っているので、まずはそこに向かう。
いつ来ても、この町は活気にあふれている。さまざまな街をつなぐ場所にある故、自然と交易人や行商人、果ては旅人が
休息のために訪れるのだ。
で、そんな街ではもちろん危険なこともある。西の入り口から入ってまず目についたのは、戦闘を行っている人間たちだった。
どうやら、巷で噂のデュエルというものをやっているらしい。人同士で争うなんて面倒な、なんてことを思いながら通り過ぎようとした、その矢先。
「どっせえぇぇぇぇぇい!」
「は?」
野太い男の声が響くと同時に、俺が素っ頓狂な声を上げるとき、すでに事は収束していた。みしり、という骨がまとめて砕かれる嫌な音とともに、
俺の体は10m近く吹っ飛ばされ、そのままぼろきれのように地に伏した。
瀕死状態になった中、とりあえず冷静に――過度の痛みはあまり感じないようになっている――思考を整理する。目の前には、
巨大な丸太でできたハンマーを担いで「うぉっしゃあ!」と叫ぶジャイアントの男性。
つまりいうと、俺はデュエルに運悪く巻き込まれてしまったようだった。しかも故意に。
最悪だ、と思いながら、とりあえず退散すべく体を起こし、その場から走り去った。


「あーいつつつ……死ぬかと思った」
数分後、マヌケな声を出しながら、俺はダンバートン城壁外に建ち並ぶワゴンからあるものを頂いていた。すなわち、染色アンプル。
この道具さえあれば、染色の仕方を知らない人間でもあっという間に服の色を変更できるというすぐれたアイテムだ。
ローブの色を変えようと思い立って購入し、南東の入り口から宿へと向かう最中。
どんなカラーリングにしようか迷っている俺の胸から、突如として漆黒の槍が突き出してきた。
「うぉっ?」と声を上げる暇もなく、俺の体をぶち抜いて何者かが走り去っていった。慣性に従い、俺はぶっ飛ばされる。
……今度はランサーか。うっすら怨嗟(えんさ)を吐きつつ、俺は胸から腹にかけてぶち抜かれた大穴の感触を無感動に感じていた。


「……どこでこんなケガをしたんだ?ったく、よく生きてるもんだ」
「すんません、毎回お世話になってます」
幸いすぐそばにヒーラーの家があったので、そこの人間に治療を行ってもらった。この世界の医者はどんな傷も治してしまうから末恐ろしい、
なんてことをのんびり考えつつ、退散箇所を考えていると。
「破っ!」
「はっ?」
グワシャ、という心地いいサウンドともに、俺は顔面をへこまされる。


「……しばらくこの時間に来るのはやめるか」
そうつぶやきつつ、俺は鼻っ柱を抑えながらヒーラーの家を出た。はぁーとため息をついていると、ふとききなれた声。
「ふざけんな、殺すぞ!」
「私はハクをそんな風に育てた覚えはありません!」
「黙れ殺すぞっ!!!」
次いで、物騒な物言いが飛んでくる。何事かとそちらを向くと、予想通りそこにはある人物がいた。
しばらく前、友人一味とともにアルビダンジョン上級へと潜った際に仲間として同行していた人物「拍菜(はくな)」氏の姿が、そこにあったのだ。
が、現在の彼女は少々気迫が違った。これはまずいと本能的に悟り、エスカリアスを召還して撤退しようとしたまではよかったのだが。
どこからか飛んできた無数の矢が、身じろぎさえできない俺をハチの巣にしてくれた。
あぁ合計360Gの損失だな。そううっすら考えながら、俺は最後の気力で真後ろのヒーラーハウスへと転がり込む。


「もうごめんだ、もうごめんだ!」
うがー、と叫びながら、俺はムーンゲートの前で胡坐をかく。只今開通待ちだ。
ラビダンジョンで傷なしで帰ってきたかと思えば、まさか街中で360Gも消費させられる羽目になるとは。
盛大なため息に通行人が驚くが、気にすることはない。そうこうしているうち、開通の時間が来た。ゲート解放を示す石が浮かび上がり、
青白く発光する。
「……よし、とっととおさらばしよう」
心底そう思って、本音を出して突入しようとして。
突如背中を衝撃が襲った。
あぁまたか、とあきらめ気味な思考の中、俺が見たのは自身を吹っ飛ばしたのであろう黒いキントウンだった。


幸いその後、キントウンの乗り手にはちゃんと謝っていただいた。
……もう死亡祭りは金輪際御免こうむりたい。いや割とマジで。


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終わりっ!
いやー、実話なんですよねこれがw
鯖1でプレイをしていたら、もうダンバが物騒なこと物騒なこと。拍菜さんにも声かけられる状況じゃなかったしぃ(ーw−;


久しぶりの小説風日記、いかがでしたか?
基本的にプレイ記録に忠実にのっとって書いていますが、戦闘描写やダメージ描写はかなり誇張してあります。
だってこのほうが痛みが生々しく伝わるじゃないですか(真顔


それでは今回はここまで。
またあいませーう ノシ