コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

新年、一発目はこれだぁ!(学園)

日記更新からすぐさまこんちゃーっ。
小説を書くのが楽しいコネクトですよーw


さてさて、今回から物語は序盤後編の舞台である2学期に突入します!
一応準レギュラーメンバー最後の2人が参戦するんですが、もしかしたらこれ以外にも
スピンオフから誰かが参戦するかもしれませんw
いや、わかりませんがね。
では新幕一発目、新年度小説一発目、二つの一発目と共にいってみよーぅ!


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1章 第4幕 3つ目の勢力
 第15話 新学期、新たな仲間と敵 by9/2



「ふぁ〜、ぁあっ。あ"〜、始まっちまった新学期ぃぃ…」
朝っぱらから不満たらたらの表情で、セツが4人に愚痴る。聞いてるのは無論ユウたちだ。
「コネクト、ホントに学校嫌いなんだなぁ。俺は楽しいと思うんだがなー……」
「うん、まあ。俺も楽しいとは思うぞ?……ただな〜……」
珍しくその先を言おうとしないセツに不安を抱き、ユウが聞いてみる。
「…何か、あるんですか?」
投げかけられたユウの言葉に、セツが項垂れるように頷いた。
「…俺と、ソウ、後いつか話したターミナル。俺達三人にとっての最大最悪の敵が来るんだよ……っ」
セツたちの敵といえば、これまでによく話してきたインフェルノのことだろうか?
4人が不安に思考をめぐらせるも、結局結論が出ないまま朝のホームルームに入っていった。


「えー、おほん。今日はお知らせが二つばかりある」
開口一番そんなことを言った皆藤の言葉に、生徒達が一瞬色めき立つ。
「といっても、同じことが夏休み前にもあったがな……よし、入ってきてくれ!」
からら、と引き戸を開けて入ってきたのは、ユウたちがよく知る人物だった。
「あっ」と声を出すユウに続き、リュウジとメグミもその人物に気づいたらしい。
「…えぇと、はじめまして!今日から皆さんと一緒になります『雪原 愛』です。どうぞよろしく〜」
軽い自己紹介が終わると、生徒達(主に男子から)の拍手喝采
皆の視線を浴びつつ、マナはきちんとユウに向かって会釈していた。


メグミの後(つまりリクの右隣)にマナが着席してすぐ、皆藤がぱんと手を打った。
「もう一人、お前達に紹介する人がいる」
これには全員呆気にとられた。まだ転校生がいるのなら、マナと共に紹介すればよかったのではないか?
と思ったが、次いで教室に入ってきたのはどう見ても青年だった。
「紹介する。これからこのクラスの国語科を担当してもらう、新しい先生だ。灯先生、自己紹介を」
こくりと頷いた青年改め新教師が、黒板にすらすらと名前を書いていく。
書き終わった後に生徒達に向けられた顔は、少々ながら老けているものの格好いいといえるぐらいには
整った顔だった。
「…はい、これから君達の国語科を担当する『灯 瑛斗(あかし えいと)』だ。趣味はオンラインゲームだから、
気になったときにでも付き合ってくれ!以上だ」
生徒からの拍手が連続する中、瑛斗は教室の一点を見やる。
頬杖をついて不満げな表情で窓の外を見る、セツを。



ホームルームが終わり、マナが定石どおり質問攻めに合っているころ。
ムスッたれるセツを心配したか、リュウジが突っついてみる。
「んだよ」と不満MAXなセツに、リクが問いかけた。
「なあ、お前の言ってる敵って……誰なんだ?それのせいで不機嫌なんだろ?」
リクの質問への返答は、数泊を置いてから帰ってきた。
「……お前ら、新赴任の教師見てたろ」
セツのぶっきらぼうな返事に、話を聞いている4人がこくりと頷く。その直後、ユウが鋭く察知したらしい。
「…まさか、あの先生が?」
「あぁ。…にゃろう、偽名なんて使いやがって。そう、アイツが俺らの敵だ」
不満が怒りに似たものに変わる気がして、全員がすこしだけ距離を置く。セツも気づいているだろうが、
気にする気はないのだろう。普段と違う声色ながら、きちんといつもどおりに丁寧に説明してくれた。
「本名を『杉山 瑛斗(すぎやま えいと)』。…コードネーム『マークアハト』。セイバーから分離した異能管理組織
通称『ミラーフェイス』の8幹部にして、組織総帥。…俺達セイバー幹部とは何十回も競り合ってきた、
いわばセイバーのライバル……いや、そんな生ぬるいもんじゃないな。インフェルノに次ぐ敵だ」
ミラーフェイスという言葉に聞き覚えがあるのだろう、リュウジとメグミが驚いている。
「フェイス部隊の総帥だって……?!ここが戦場になっちまうじゃねえか!」
さらに何かを言おうとしたリュウジを、セツが手で制する。
「やつらは過激派だ。こんな公の場で異能を使うわけがない」
えらく自身のある声だったので、ユウたちはそれ以上言うことが見つからなかった。



「コードエイト。どうぞ」
そんな会話が行われている頃、瑛斗は屋上で通話を行っていた。
「……はい。予定通り、発見しました。コネクト、コルト両名とも在学中です」
その目つきは生徒達の前で見せる目とはかけ離れたものだった。柔和な目つきは剣呑な太刀筋のごとく鋭く、
眼光は対面する者を射抜くかのような輝きを宿す。
「了解です。準備が整い次第、すぐさま実行に移します。では、コードエイトオーバー
通信終了の掛け声と共に電話を切る。とその瞬間、瑛斗に野生と思しきカラスが飛び掛る。
鋭い嘴が瑛斗を貫くよりも先に、ゴウッ!と空気を切り裂く音が響く。
軌道をそれたカラスがふらりとよろめいたかと思うと、パカッと正面から真っ二つに切り裂かれていた。
「……ガキが調子に乗るのはいかんぞ。真に強いのは俺たちなんだからな……」
一言吐き捨てると、瑛斗は教室へと戻るべく扉に足を向けた。



―*―*―*―*―*―*―



「ゆめでったーーぁかーくーとーんだー、からーだーはーどんなぁ、ふあんっ、まとっ、てもっ
ふりーはらってぇくぅ!ってかぁ」
ご機嫌調子で歌を歌いながら、セツが教室に入っていく。
「おー、おかえりー」
「おかえりなさーい。何買って来たんですか?」
教室の一角には、既にいつものメンバーが揃っていた。ユウ、リク、ソウ、メグミ、リュウジに加え、これからは
新たにギンとマナも加わることになる。
いつにもましてにぎやかになったそのスペースに、セツが会釈しつつ入り込む。
既に数人は持参の弁当やら買ってきたパンやらを食べはじめているが、本人は一向に気にしない。
「いやー、久方ぶりにカスタードパイが売ってたからさぁ、つい買ってきちまったぜ」
「あぁ、ここのパイ美味いよな!」
「俺も好きだぞここの!コネクもよく買ってるんかぁ」
「だよな!リクもコルソーもこの美味さを分かってくれるかぁ。どこかの頭の固い堕天使さんとは違ってなぁぁぁ?」
「俺は普通のパンが好きなんだよ。お前みたいな激甘党とは絶対に相容れないからな!」
「はいはい、ケンカはそこまで!食べよっ」
普段どおりにバカ騒ぎを響かせつつ、各々昼食を食べ進める。
話題豊富なソウとリクが揃って話を始め、時折飛び出るボケにはセツとギンが容赦なく突っ込む。
時折そちらの会話に混ざりつつ、ユウたち女子組はそちら単体で別の話をしたりする。
いつもどおり、他愛ない時間だった。
が、今回は違った。誰も予想だにしなかった闖入者が現れたのだ。


「あの……」
「んあ?」
声。次いで肩をつつかれる。振り向いてみてみると、それはなんと女子生徒だった。
「…なんぞ。俺は女子に恨まれることはやってねーぞ?」
「あ、いえ。そうじゃないんですっ」
微妙にどもりつつ声をつむぐ少女は、若干頬を上気させつつセツに言った。
「あの…放課後、あいてますか?」
「あぁ……いいぞ。どこで?」
「じゃあ…校舎裏の空き地でお願いできますか?」
もう一度頷くと、女子生徒はくるりと綺麗に身を翻し、自分の席に帰っていった。


「……おい、セツ」
「んだ」
「うらやましいぞ」
「黙っとれ妄想野郎コルソー。こちとら猛烈にデジャブっとるんだ」
デジャブ?と他の面々が首をかしげていると、はぁとため息をつきつつセツが説明を開始する。
「俺はな、ちょいとあのシチュエーションを見たことがあるんだよ。
…1年前の話か。俺は指導と銘打って、セイバーの隊員の育成をしたことがある…」
そこまでいったところで、ソウが手で制する。意外そうな顔でセツが見やると、
「言いたくないだろ」とソウが返してきた。
「…すまんな」と珍しくしおれるセツを見やってから、話はソウが引き継いだ。
「以前からコネク…セツは何度もセイバー隊員を育成している。この前の夏祭りで会ったプリズムや、
セイバーで顔を合わせたウォーズとかもこいつの後輩さ」
その言葉には一同揃って驚嘆の色を示す。よもやセツがそれほどの存在だとは露ほどにも思わなかったのだ。
「でまぁ、そのときもいつもと同じように育成任務に付くはずだった。でもな…」
一呼吸置き、すぐに再開する。
「その女性、精神異常者…サイコパスだったんだよ。セツはおろか、総帥の話ではセイバーにもそんな情報は
はいってなかったそうだ」
「サイコ…パスか。ってことは、さっき言ってたデジャブって…」
「そう。その女性に暴行を加えられたときと全く同じシチュエーションなんだそうだ。
元っからコイツは女嫌いだったが、それを境にもっと嫌いになったんだとさ」
さらに少し話そうとしたソウの口を、セツが手でふさぐ。
「…そういうわけだからさ、悪い。誰か隠れて見張ってほしい」
これまた珍しく、頼んできたセツの目にはあからさま恐怖の色が浮かんでいた。薄ら笑いを浮かべているが、
普段の達観した様子がどこにも見受けられない。むしろ、年以上にか弱く見える。
そんなセツの顔を見て、ユウの頭のどこかが盛大に刺激されたらしい。
「わかりました。ボクに任せてください」と自身ありげに言ってみた。
「頼んだ」とだけ返すセツに不安を覚えないわけではなかったが、それでもユウは明るく頷いて見せる。
そんな反応を見てか少しだけ微笑むセツを見て、安堵をもらすユウだった。


―*―*―*―*―*―*―


「じゃ、ここで待っててくれ。何か来たら、すぐに頼みたい」
「分かりました。…ならないでしょうけど、気をつけて」
こくりと頷いて歩いていくセツを、ユウ、リュウジ、メグミが見守る。
結局あの後さらに二人も同行することを申し出てくれた。他のメンバーは各々用事があるため
こうして監視にはつけなかったが。
「セツ君、大丈夫かな……」
「さぁ、な。でも、もしものときは俺らが出ればいいさ」
「はい。ボクはいつでも…」
各自状態を確認しつつ、セツのデジャブが杞憂であることを願う。


「…すまん、ちょいと話し込んでてな。待たせちまった」
「いえ、いいんです。…あたしも、確証無しに話しかけちゃったんで…」
ぴりりとセツの脳裏に、予測が浮かぶ。が、それは一般の人間に話すことはタブーなもの。
まだ裏付けが取れたわけではないのだ。すぐに問いたいところをこらえる。
「んで、何で俺を?告白とかなら、俺よか別のヤツのほうがいいと思うんだが、な」
セツのつっけんどん気味な物言いに、少女は首をふるふると振る。
「違うんです。……えぇと、その」
しばらく言うかどうか迷っている。それだけで、セツには予測の確証が取れたも同然だ。
が、万一という可能性も捨てきれない。しかしともすれば、思い込みは杞憂に終わったようだった。
こっそりとポケットに手を突っ込み、送信直前のメールを送信する。内容は「呼んだらきてくれ」の一文。
送信を確認すると同時に、少女がようやく口を開いた。
「セツさんって…異能、って言葉、ご存知ですか?」
ああやっぱりね、内心ガッツポーズ。
「なるほどね。…つまりさ」
そこで言葉を切り、ポケットに突っ込んでいた手を勢いよく抜き放つ。同時に、爆発のようなエフェクトと共に
蒼い炎が発生する。
「きゃあっ!?」と少女が軽く悲鳴を上げる。
「こういうことだろ?」
セツが改めて問いかけると、少女はこくりと頷いた。確信する。
「ドラグ・エル・ルシファー!最小出力でファイア!!」


いきなりセツから号令がとんできた。
いや、正確にはその少し前に「呼んだらきてくれ」という旨のメッセージが届いてきていた。
セツの不安が思い過ごしだった場合のために用意しておいた通達用のメッセージがきたということは、
杞憂に終わっているらしい。ほっとするが、セツから号令が来ていたことを思い出す。
「あぁくそ、人使い荒いんだよ!」と小声で愚痴りつつ、リュウジが異能を展開。
黒い翼からビット状の物体を射出し、ごくちいさなレーザーを照射。
セツの右足すれすれの場所に、バチュン!と音を立てて着弾する。
と同時に、振り向いたセツからさらに号令。
「皆、きてくれ」
手招きも付け加えられ、ユウたちがいっせいにセツの近くへと歩み寄る。
「この子、開花したばっかりらしいんだ」とだけ言ったセツの顔が、どことなくうれしそうに見えた。





「…というわけで、これからちっとばかし付き合ってもらう。いいな?」
数分後。一通り基本的な説明を終えたセツが、その一言で話を締めた。
「はい。…あの、何から何までありがとうございます」
笑顔を見せる少女に、セツがひらひらと手を振る。
「いーんだよ。っつか、これが俺らの仕事でもあるしさ」
普段どおりの達観した様子が元に戻ったことに対し、皆ほっとしている。
「さてと。これから君の異能力を少し育成しようと思うんだ。ちょいっとばかし帰りが遅くなるが、いいか?」
「あ、はい。あたしは部活とかないんで大丈夫ですよ」
了承の返事が帰ってくるや否や、よしとセツが一頷き。
「星川、サバゲー部ってもうあいてるか?」
「はい。リクが空けにいってます。連絡はしたんで、待ってるかと」
「っしゃわかった。じゃ……えーっと、すまん名前…教えたくないか?」
ここにきてまたも微妙な距離を保とうとするセツに、少女がぷるぷると首を振る
「いえいえいえ、大丈夫ですよ!…えと、あたしは『柊 百合花(ひいらぎ ゆりか)』です。じゃあ、お願いしますねっ」
百合の名が冠するとおり、日陰に入ればかなりの色白なことがわかる。
灰色の目と漆黒のシャギーウルフがその白さをさらに引き立てており、どこか幻のような雰囲気を纏っている。
改めてみるその不思議な可愛らしさを見て今更ながら気恥ずかしさが湧いてきたセツが
「オールライツ!んじゃあ、さっさといくぞこんちきしょーっ!」
と照れ隠しに走っていってしまうので、ユウ以下ユリカたち4名が急いで後を追う形になってしまったのだった。




「おーっす、お帰り皆」
開錠に出向いていたリクと役員の仕事があったソウが、既に部室へと戻っている。
そこへ一番乗りにずかずかとセツが入り込んできた。
「ただまー。射撃場開いてっか?」
「おう、開いてるぞー。何すんだ?」
答えは、遅れて入ってきたユウたちと一緒にいた人物によってもたらされた。
「…おぉ、女子新入部員か!うはぁ、華でるねぇおい!」
「アァホ抜かせコルソー。わーってんだろ、この雰囲気をよぉ」
おちゃらけたソウにすばやくセツが突っ込む。その速度に、ソウが態度を改める。
「……うし。この子か?新しいのって」
「ああ。柊っていうんだと」
ソウがユリカのほうを見やると、ユリカ本人がぺこりとお辞儀をする。ソウも軽く会釈し、もう一度
セツのほうを見やる。ひょうと射撃台を飛び越えたところだ。
「っとぉ…。うーし、ここにいる全員きてくれ!」
セツの号令に、ユウたち付き添いメンバー、待機合流組の二人、そして新メンバーのユリカが射撃台の横を通り過ぎ、
台から的の間にあるデッドスペースに集合する。全員が円形に並ぶと、セツの話が始まった。
「うーし、これから…んーっと、ぃよし、第1回異能者集会を始めるぅぅぅ!」
開幕と同時にガッツポーズをかまして周囲を引かせた後、即刻真面目な態度に豹変する。
「…この集会は主に不定期だ。今日みたいに新人が現れたときや、敵対勢力もろもろとの交戦、もしくは発見をしたとき、
さらには異能関連で相談したいことがあったときなどに開催しようと思う。異論は?」
誰も何も言わず、微妙な静寂が過ぎる。
「うむ、よろしい。…さっそくだが、第1回の集会内容は『新人の育成』としたい。というわけで、テーマ人物柊。
こっちに。他の皆は反対側に、半円状で並んでくれ」
「あ、はい」
セツの手招きでユリカが数歩前に出て、セツ含む既存のメンバーが半円状に並ぶ。
「うし、これでいいな。…総員、異能展開!!」
セツの掛け声をいち早く受けたソウが真っ先に「紅炎魔弾」を展開。それに続き、リュウジが「堕天黒翼」、メグミが
「十字旋風」、ユウとリクが「電光石火」と「金色舞火女」を順に展開する。
「わわわわっ!?」
ユリカが驚く暇もなく、色とりどりの異能が目の前に展開された。その数実に6色。
「……はぁー。皆さん、全員異能者って人だったんですかぁ」
「そうだ。世界異能管轄組織『world saver』の精鋭たちさ。俺はセツこと『コネクト・バルダーディナス』。
改めてよろしくな、柊」


「さてまあ、まずは柊の異能確認からだな。…えーっと、異能の出し方はわかるか?」
「はい。何度か使ってみてなんとなくは感性をつかめてます」
頷かれたのは少々以外だったのだろうか。なんとなく微妙な間を置いてから「よし」と一言発した。
「んじゃあ、早速発動させてみてくれないか?まずは形を見ないと、応用技をどう教えたものかわからんからな」
「わかりました。じゃあ……っ!」
すぅ、と両腕を水平に伸ばし、思念を両手に込めるような体勢になる。
数秒たつとごくごく小さく、ひゅるるという音が鳴り始める。
「ん……この音、風の異能か!」
それだけで正体を悟ったセツだったが、続く現象に裏をかかれる。
「ん……んんっ!」
轟!と突風を巻き起こし現れたのは―――「青色の風」だった。
「うおっ!?」
しかも驚くことに、セツほど重量をのけぞらせるほどの突風が巻き起こる。これにはセツはもちろん、ユウたちも驚いた。
「わわっ!……すごい、青い風の異能なんて見たことない!」
「うおおぉっ……やっば、なんて勢いだ!こっちまで届くぞ?!」
「ととっとっとっ…あはは、見たこと無いよ!ってわぁっ!?」
「危ないっ!…しかし、なんてヤツだ。『シフト異能』持ちってのは予想してなかった……」
それぞれの反応を介し、初めてユリカが発動を停止させた。
「…えと、シフト異能って?」
風が停止した途端、そばにいたセツが踏ん張りすぎによりズデン!と派手に転倒する。ユリカが「あっ」と声を出す暇もなく、
前向けにつんのめった。「ぐほあっ!?」と咳き込んだ声が部室に響く。
「す、すみません!大丈夫ですか?」
「お"、お"うよ…大丈夫」
げほげほとむせるセツを心配げに見やるが、それを見たセツがすっくと勢いよく立ち上がったので安堵の息を漏らした。
(心配かけられたくないのが理由なんて、いえないよなぁ)と心中愚痴りつつ、改めて先ほど出たキーワードの
解説に入る。
「っし。えーとシフト異能っつーのは、既存の属性を持ったまま別の形へと変わった異能のことだ。
具体的に言えば、炎の異能が開花している状態で『雷』にシフトするとする。そしたら、炎の力を持ったまま、
形…俺の場合は炎、柊の場合は風だな。この形が、シフト先の異能の形に変わるんだ」
頭上に?を浮かべたのを見た気がして、セツは苦笑気味に説明を続ける。
「たとえば、炎から雷に変わるとする。そしたら、炎の色…つまり赤だな。その色を保ったまま、雷の形になる。
ようは、赤い雷が出来るってことだ。……わかる?」
「はい、とりあえずわかりました…」
どうにか伝えることが出来たらしく、ほぅとセツが胸をなでおろす。
「つまりいうと、色をそのままに形だけ変わるってことだ。属性ってのに相性とかもないから、色違いなだけって
覚えてくれてていいぞ」
後から説明を付け足したソウに向かい「わかりました!」と微笑むユリカを見て、セツが悔しげな顔。
その表情を見て、皆で笑いあうのだった。



コンコン、とノックの音が響く。
「はーい」と(仮のだが)部屋の責任者であるセツが、顔を出しにいくため手に持つAKを置く。
「…だれでしょうか?」
「さあ?…頼むから廃部はやめて欲しいよな」
苦い経験のあるユウとリクが揃って苦笑すると同時に、セツが引き戸をがららと開けた。
「…ん、なんだ委員長か。何の用だ?」
扉の前に立っていたのは、ソウのいる2組の委員長沙理那琴葉/ウィードと枢木陶冶/ゼキアだった。
が、その目には好戦的な色はもう見られない。戦いにきたのではないことを悟り、用件を聞く。
「久しいわね、コネクト。…でね、アナタのクラスに、新赴任の教師がきたでしょう?」
どうやら、話の主題は新教師瑛斗のことらしい。こくりとセツが頷き、先を促す。答えたのはトウヤだった。
「…ヤツは、何か危険だ。今日俺達のほうでも授業があったが、明らかに俺達を敵とみなした目でみてきていたんだ。
コネクト、お前のほうもそんなことはなかったか?」
「…………いいや、少なくとも今日はなかった。あいつが異能者を敵視してること、お前らも知ってたんだな」
「ええ。アイツは危険よ。アタシらが言えたことじゃないけど、アンタたちも気をつけなさい」
それじゃ、の一言と共に二人は踵を返して歩いていった。


「セツさん、何のお話だったんですか?」
途中から二人の顔を見たらしいユウが、セツにいち早く問いかけてくる。
「あの新教師のことだ。…朝方言ったとおり、あいつは俺達異能者にとって忌むべき存在なんだ」
憎憎しげにはき捨てるセツを、ユウが少し心配する。
「セツくーん!ユリカが応用の続き教えて欲しいってー!」
「ん、りょーかーい!」
が、メグミに呼ばれてセツが勢いよく席を立ったため、見当違いの心配をしたなぁと内心苦笑するユウだった。


―*―*―*―*―*―*―


「うーっしゃあ!今日はここまでだな」
6時のチャイムと同時にセツが勢いよく立ち上がり、ぱちんと音高く手を鳴らす。
「柊は悪いけど、明日もここに寄ってくれ。コントロールのスジがいいから、多分明日中には完璧にできると思うんだ」
「はいっ、わかりました!」
笑顔で頷くユリカから恥ずかしげに目をそらすセツを見て、リク、ソウ、リュウジが揃って苦笑する。
ユウとメグミに加え、当人であるユリカたち女子陣は首をかしげる
「んんっ!んじゃま、今日はここまで!おつかれさまでしたーっ!!」
最近恒例になっているセツからの輪唱で、全員が「おつかれさまー」「おつかれー」「おつー」と
口々に言いながら、帰りの支度を整えていく。
「コルソー!今日また一緒にドラグーンやんねえか?!」
「わりー、オレ今日はパスするわぁ」
メグー、一緒に帰るか?」
「うん、帰る帰るーっ。それじゃー皆さん、お先に〜」
放課後の普段と変わらないやりとりが、徐々に遠ざかっていく。
残ったのは愛用のAK−47を整備するセツと、今日の部室鍵当番であるユウだけだった。
「…静か、ですね」
なんとなく沈黙が嫌になったユウが、背を見せるセツに呟く。
期待していた通り、その返事はすぐに返ってきた。
「だなぁ……。学校の沈黙って、俺どうも苦手なんだよな」
「あぁー、わかります。普段はいろんな人の声でにぎやかなのに、こう静かだと調子狂いますよね」
あははは、と二人で苦笑しあった後、ふとセツが声をかけてきた。
「なあ星川、俺もうちょいっとここにいるから、先帰っちゃっていいぞ」
「えっ、でも鍵は…?」
今日の当番は自分だ。話しかけてくるセツが帰るときに閉めるべく、今こうしてここにいるのに。
「あー、気にすんな。俺が残りたいだけだし、星川にメーワクかける訳にゃいかんからな」
椅子の背もたれに腕を乗せつつ、セツがさらっと言ってのける。
正直な話、セツの気遣いは嬉しい。帰って特に用事があるわけでもないのだが、今日は監視や指導など
なれないことをして若干疲れていた。
「…じゃあ、お言葉に甘えさせていただきますね」
「んー、おつかれさーん」
軽い敬礼で見送るセツにひらと手を振り、ユウは静まり返った廊下を歩き始めた。





「ふぁーあっ、帰って何しようかなぁ」
うーんと伸びをし、ユウは帰り道をスタスタと歩く。通りかかったサバゲー部部室の窓からは、
真剣な顔で銃の整備をするセツの姿がみとめられた。
真剣だなぁとぼんやり考えつつ、盛夏の頃に比べて落ちるのが早くなってきた夕日の光を浴びながら
なんともなしにユウは帰路を急ぐ。


「おや、星川くんか」
その人物―――灯 瑛斗とであったのは、校舎の角を曲がったまさにそのときだった。



*********


新年一発目からマークアハト氏を敵(っぽく)出演させちゃった罪をお許しくださいぃぃぃぃ…
いつかアハトさんと製作会議(マビノギ)をしたとき

(アハト・▽・)<実はセツ達を強制召喚したのは俺だったりするんだよねw
(繋;´д`)<ちょ、マジっすかwww


なんて会話をしたんです(かなり前かつうろ覚えですすいませんっ)。
で、それを脳内解釈して反映しようとした結果


強制召喚したのは俗に言う強硬派の皆様

アストレアと強硬派はいがみあってる

じゃあ強硬派のアハトさんはライバルだな

ライバルじゃ生ぬるいかなぁ、そんな中途半端俺がしたくないし

じゃあ思い切って敵っぽく登場させちゃうか

ただの敵じゃ面白くないと思うなぁやっぱ

じゃあインフェルノ側近っぽい描写がいいかも

でも本人の口から言ったら立場がなぁー

あ、だったら召喚されたヤツに言わせりゃいいじゃん!

ついでにインフェルノ直属っぽい第3勢力でも作るかなw

以下本編


となりました。妄想しすぎだバーバーカww
そんなこんなで登場させたらあんな意味深なポジションです。残念な技量です本当に(ry
ゲフン、失礼w


新年一発目の小説、どうでしたか?
これからはこの駄文がさらに悪化すると思われますので、見切る方はイマノウチー。
では、今日はここらへんでっ。