コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

最近ハルヒ読んだ(学園)

熱が出て頭の沸騰してるコネクトですw


早速関係ない話ですが、涼宮ハルヒの憂鬱読みました〜。
繋録と同じ学園モノなので、大いに参考になりますわぁ(ω`*)
じゃ、茹ってきた更新いってみよ…げほごほっ


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1幕 第2章
 第8話 転校生s  by6/20


「はあっ?」
意味がわからないという心境丸出しのリクの声が、セツの耳に入った。
「だーかーらー……」
ため息をつきつつ、セツが先ほど口に出した言葉をもう一度口に出す。


「転校生が、くるんだよ!」
満面の笑みで放たれた言葉は、新たなクラスメートの来訪を告げる音を響かせた。


「へえー、転校生ですかあ!」
遅れて教室入りしたユウのほうは、こちらはあっさりと受け入れた。
「ああ。それも二人さ」
ニヤニヤ笑いを抑えずに出しつつセツがこんこんと話し込む。
「なんでも男女ペアでどっかのクラスに入るんだとよー。どこでも良いけどさ、
俺としちゃどうせだしここ入って欲しいんだよなあ」
「それは誰でも同じだと思いますよ?第一、高校で転校生なんてそれ自体珍しいと思いますしね」
その会話に割り込むように、リクが話題を投げかけてきた。
「なあ、名前はわかってるのか?」
セツがふるふると首を振る。
「いんや、わかんねーべ。俺が聞いたのは男女ペアでどっか来るってのと、
一年だっつうことぐらいだけだ」
ふうん、とリクが相槌を打つのとほぼ同時に、担任の皆藤が教室に入ってきた。






つづく担任の言葉は、ユウ達にとって予想外この上ないものだった。
「…えー、唐突な話だが、今日からこのクラスにクラスメイトが増えることとなった」
「えっ」
セツが面食らう。ユウも同じく、ぽかんとした顔になる。
「先生もいきなりでなにも説明できていないものでな、お前達がいろいろ手ほどきしてやって欲しい。
……よし。日野、黒塚、はいってきなさい」
皆藤の呼びかけで、教卓側のトビラががららと開く。
先に入ってきたほうの第一印象は、なんと言っても長い髪だった。
鮮やかな茶髪は額の前で綺麗になびき、後ろは腰まで届くほどの長いものを一つに縛ってある。
頭頂部にはセットか元からかアホ毛がぴょこんと突き出し、チャームポイントとなる。
顔をのぞけば、瞳は涼やかな空色。にこりと微笑んだその顔は、見まごう事なき少女のものだった。


続くもう一人の転校生は、先ほどの少女とは打って変わった第一印象をあたえた。
カラスの羽を思わせる黒光りする短い髪が、あちらこちらで気ままにはねている。
かっちりと黒の詰襟を着こなす少年は、硬い無表情を通していた。


「えー、はじめまして!」
先に口を開いたのは、やはり少女のほうだった。
「今日からこのクラスでともに過ごさせていただきます、日野 恵(ひの めぐみ)と申します!
趣味は散策と読書ですね。改めて、よろしくお願いいたしますね!」
ハキハキと軽快に口を動かすさまは、誰が見てもスポーツ系だとわかるだろう。
「……エホン」
恵の自己紹介が終わると同時に、もう一方の少年が咳払いをする。
「…あー、黒塚 竜二(くろつか りゅうじ)っていいます。
ほとんど趣味とかなくて、ここで皆さんと一緒に探せればなぁ、って思ってますね。
まあ、できれば三年間の間を一緒に過ごしましょう、よろしく!」
最初にみたイメージとは違い、飄々とした口調で話を進めた。
二人の自己紹介が終わるや否や、周囲から盛大な拍手が鳴り響いた。



「よし、席の場所は自由に決めていいぞ。日野はどの当たりがいい?」
担任の皆藤が聞くと、恵は小首をかしげた。
「そうですねえ。あたしとしては黒塚君と仲が良いので、そちらにお任せしたいです。
あたしはその周辺、ってことで」
「そうか。じゃあ黒塚はどこがいいんだ?」
聞かれ、竜二は教室を見回す。
しばらくじっくりと眺めた後、うし、と小声で唸った。
「じゃ、あそこ……あの金髪の前にいるボサ髪の横でお願いします。
あと、日野っちは金髪のとなりでいいですか?」
「わかった。セツ、星川!後ろのスペアを用意してやれ」
「「はいー」」
あろうことか、竜二がさしたのはセツの隣だった。セツが心底めんどくさそうな顔で席を立つ。
遅れて、こちらは恵を隣に据えることとなるユウが立ち上がった。二人で机とイスを取り出しに行く。
「というわけで、これからこの二人と仲良くしてやってくれ。
色々話したいこともあるだろうしHRは終わりにするが、話に夢中になって授業の用意を
怠らないようにな!」
それだけ言うと、普段ならなにかしら話を持ち出す皆藤がそそくさと教室を出ていってしまった。


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しばらく生徒達の喧騒は途絶えず、授業に入ってもちらほら話しかける者もいつつ、
いつもより早めに4時間目を迎えたような気がした。
そんな4時間目の授業中……



「なあ、アンタ」
突然、先ほどまでの授業では一切を語ろうとしなかった竜二が、セツに話を持ちかけてきた。
「ん?」
もちろん授業中なので小声だが、不思議と竜二の声はよく通った。
なぜなら。



「お前、『蒼炎のコネクト』だろ?」
セツの二つ名を、この転校生が知っていたからだ。
セツは竜二のほうに訝しげな顔で振り向きつつ、返答を口にした。
「……何の話?俺ファンタジーもの好きやけど、さすがにリアルで名乗るとこまでは行ってへんぞ」
無論、この少年がセツの二つ名を知っているはずもないのだ。
だからセツは内心で動揺を抑えつつ、知らぬそぶりを決め込むに至った。
セツは冗談が得意な性分だったので、今回も見抜き辛めな言葉をチョイスした。
得意の関西弁でまくし立てる。
「……無駄だよ、『コネクト・バルダーディナス』君。アンタのことは、セイバーのお偉方から
大体聞いているんでね。だまそうったってそうは行かないよ」
が、帰ってきたのはまたもセツの秘密、しかも本名だった。今度こそ、セツが驚愕の色を見せる。
「………黒塚だっけ?お前、セイバーの回し者か?」
険しい顔で、セツが問いかける。
「半分あたり。……でも今は、これ以上のことは話せないな。放課後、校舎裏にこい。そこで話す」
言うだけ言うと竜二はくるりと方向を変え、授業に向かう体制になった。


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「なっ……あの黒塚って奴がか?」
昼休み。ユウたちは屋上で昼食をとっていた。セツの放った言葉に対し、ユウたちが驚きを見せる。
「あいつは半分アタリってぬかしくさった。あとは放課後話すとかうんたらかんたら言ってたよ」
ぱり、とコンビニおにぎりの海苔を噛み砕きつつセツが淡々と話す。
「でも、ここの監視ってセツさんたち二人の役割でしたよね?
いまさら監視体制の強化でもするんでしょうか……?」
難しい顔で、ユウがうなる。
「んー、それはないだろうな。増員するんならあらかじめ俺らに連絡くるし、
なによりあいつは協力するって気配がないし」
こちらもコンビニパンをモソモソ食べつつ、ソウが答える。
「なんにせよ、あんにゃろうの正体は放課後にわかるさ。誰かついてくっか?」
セツが問いかける。
「そりゃまあ、お前の友達だしな。もしものために、俺はついてくぜ」
「ボクもついていきます。あの人たち、なんか怪しいっていうか……」
「そういう理屈ならオレも行くぜ。日野って奴はともかく、あの黒塚の方はなんか気に食わないしな」
意外なことに、全員が賛同の意を示した。セツがよし、と頷く。
「サンキュ。じゃ、放課後に玄関前集合な」
そこで会話は途切れ、セツはさっさと教室へと戻っていった。



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そして放課後、全員がそろい一行は校舎裏手の空き地へと向かった。
「…そういえば、質問いいですか?」
「んあ?」
その途中、ユウが質問を切り出してきた。
「今日はセツさん珍しく学生服じゃありませんけど、その服どこのメーカーのですか?」
今日のセツは、普段とは違いデザイン性のある服で登校してきていた。
雨続きで寒い週だったため、黒の長袖シャツに薄青地のジャケット、下はクリーム色のズボンという
なんだか格好よさげないでたちだった。
「コイツか?わりーけど、コレメーカー品じゃないのよね」
「え?ってことは、オーダーメイドですか?」
「いや」
そこで、横を歩くソウが切り込んできた。何かを知っているらしい。
「いまコネクが着てる服は、セイバーの隊員服…っつか制服なんだよ。
その人の持つ異能の色に合わせたジャケットの色になってる」
つまり蒼炎光波だから薄青色なのか、とユウは納得した。
「無駄話ってことは、たいそう余裕なんだな。援軍連れてきて、態度がそれか?でかっ面だな」
前から降りかかった言葉に顔を上げると、そこはもう校舎裏だった。みると、
黒塚と後ろに日野が立っている。
「別に。こいつらはただの見物客。なんかやりあうなら俺一人でお相手するぜ?」
セツが口を開く。いつか聞いた挑発的な口調に、それでも相手はおどけてみせる。
「そうかいそうかい、そいつはちょうど良かった。一対一で戦えるほど安心するのはないね」
「御託はいいよ。さっさと教えてくれねえか、アンタのこと」
しかめっ面でセツがいうと、黒塚はクスクスと忍び笑いをもらした。
「おいおい、何のためにこんな人のいないところに来たと思ってるんだよ。
流石のオレも、はいわかりましたで教えるわけないだろうさ。ここは……」
「決闘、ってか。いいぜ、そのケンカ買うよ」
打って変わって、今度はセツが口元をゆがめる。
「なら、ラピッドバトルで勝負だ。アンタの十八番だろ?」
ほう、とセツが声を漏らす。
「流石俺っちの名をしっちょる奴や。あっしの得意分野もしってんのけ……おもしれえ!
コンボ使用数は2回、ワンヒットエンドルールで勝負だ。異論は?」
「ナシでいい。勝ってやるよ、英雄気取りさんに」
そこで互いから言葉が消えた。セツが蒼炎をその手に纏う。
対する黒塚は、背に漆黒の翼を生やした。堕天使のような出で立ちは、見るものに恐怖を与えるだろう。
両者そのままの体制で静止し、互いの動向を伺う。
「あの……セツさんが言ってた『ラピッドバトル』って、どういうのなんですか?」
その隙に、ユウはソウに問いかけてみた。案の定、すぐに返事が返ってくる。
「簡単に言えば、異能者同士の決闘だ。相手に異能の弾丸を打ち込んで、先に当てたほうの勝ちだ。
相殺、回避、異能による防御、遮蔽物をつかっての回避……ようは何でもありさ
自分の目で確かめたほうが早い、と付け加え、ユウにセツたちを見るよう促す。
みると、あちらでは緊迫した空気が漂っていた。その場にいる全員が、固唾を呑んで見守る。
数十秒後、セツが唐突に口を開いた。
「アンタがふっかけたケンカだ。負けてグチグチ言うのはナシだぞ」
その数瞬後、セツが地を蹴った。一度の跳躍で校舎2階付近まで跳びあがり、そこから何百ともあろう
小さな蒼い炎をばら撒いた。
「うお、多いぞ!?」
そのあまりにも規格外ともいえる量に、リクが驚きを見せる。
「多かないよ、こんくらい!」
が、答えたのは以外にも敵対する黒塚だった。ばさり、と黒い翼をはためかせると、周囲に
無数の黒い羽が飛び散った。
「『フルブラスト・フェザー』!アタック!!」
黒塚が叫ぶと、飛び散った羽たちが一斉にセツめがけて突進を開始した。
蒼い炎と黒い翼が交錯し、たがいを相殺しあいながら相手に突進していく。
「数だけじゃ、俺の黒は捌ききれないぜ!英雄気取りさんよぉ!!」
雄たけびをあげつつ、射出する羽根の量を増大させてゆく。
しかしセツの表情は、意外にも静かだった。とその瞬間、その口元が不敵にゆがむ。
「お前も、なぁっ!!!」
「なにっ?」
セツの激昂に、黒塚が一瞬ためらいを見せる。
「そこっ!『コバルト・オブ・カタストロフィ』……ディスチャアアアアアアアアジっ!!!!」
セツが叫ぶと、今度はセツの手のひらから巨大な1条のレーザーが放たれた。
黒塚の放った羽根を焼きつつ喰らいつつ、一直線に黒塚のほうへと突き進む。
「うおおっ?!」
黒塚が必死に回避行動をとる。コンマともいえるほどの一瞬の後、黒塚のいた場所をレーザーが焼き払った。
「うわっ、アレちょっとまずいんじゃ…っ!」
その出力の大きさに、ユウが身じろぎしながら口を開く。
と、こちらは平然と立っているソウがすぐに答えを返した。
「大丈夫さ。このラピッドバトルで使われる異能の力は、発射できるギリギリの量くらいまでに
押さえ込まれてる。地形とか、動植物とかに影響はないよ」
ソウの言うとおり、レーザーが通り過ぎた後には影響が出ている様子はなかった。ユウが胸をなでおろす。
「くっそ、なんて威力だ…!」
着地したセツに向かって、黒塚が吐き捨てるように言う。
「ま、実力の違いさ。あの戦争を乗り越えた奴なら、だれでもこのくらいの2倍3倍はもってるさ」
さらっとセツに言われ、黒塚は頭にきたらしい。ばさっと翼をはためかせ、さらなる羽根を叩き込む。
対するセツは打ち出された羽根を剣の形にした炎で受け止めた。黒い羽根がじゅう、と音を立てて消滅する。
「ちっ、遠距離は不利かねえ……ならっ!!」
黒塚が踏み込んだ。両手に黒い剣を生み出し、セツへと切りかかる。
「うおっ、接近戦か?おもしれえっ!!」
対するセツは炎剣をさらに巨大化させ、一振りの大剣へと変化した。
二刀の一斉攻撃を大剣の腹で受け流し、さらに飛来する剣撃の嵐を右へ左へかわしまくる。
「どうした!防戦一方じゃ勝負決まっちまうぞ!!」
黒塚が言い放つ。がその直後、大剣の一閃が閃いた。
「なっ?!」
見ると、先ほどまで連撃を加え続けていた双剣の刃が、根元からぽっきり折れていた。
「甘いんだ……よぉっ!!!」
ゴウッ!!とセツの大剣が唸りをあげる。折れた剣を手放し、その一閃一閃を必死にかわす。
「くっそ…………こうなったらぁ!!」
瞬間、黒塚が垂直に飛び上がっていた。黒い羽を羽ばたかせ、上へ上へと登り行く。
と、ある一転で黒塚が停止した。そのままぐるん、とこちらを向く。
「終わりにしてやるよ……『ロスト・エデン』!くらええええええええええっ!!!!」
翼から黒い塊が飛び出したかと思うと、黒塚の周囲で停止。そのまま主人とともに幾重にも重なる
細い、しかしすさまじい速度のレーザーを放った。
「……んなの、ありかよおおおっ!?」
セツの絶叫と、レーザーの轟音が響いたのは、ほぼ同時だった。



「セツが、負けた……?」
ユウの後方に控えていたソウが、驚愕に目と口を開く。
「そんな……」
ユウもまた、動揺を隠せていない。異能者相手に絶大な力を遺憾なく発揮していたセツが、
こんな少年異能者ひとりに負けるとは。
「やったか……。へ、英雄さんもたいしたことなかったねえ」
満足げな笑みを浮かべつつ、黒塚が着地体勢に入る。が、
「何言ってんだよ…………勝ったつもりか?」
爆風の中から、セツの声が聞こえた。
「な…………負け惜しみかよ!」
黒塚が爆風の中にいるセツに向かって声を荒げる。それと同時に、爆風が途切れた。
見ると、切れ切れの爆風の中からセツの体が現れた。その右手を上に掲げ、空の一転を指差すように。
「…………?」
不審気に空を振り仰いだ黒塚の目に、
「どむどりゃああああああああああああああああああああっっっ!!!」
大剣を振りかぶり、太陽から飛び降りてくるセツが映った。



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「……っはー。乾杯だぜ、コネクトさんよ」
結局、勝負はセツの一閃で幕を閉じた。地面にへたり込む黒塚が、力なく笑う。
「……まー、あの身代わり出すんがちょいとでも遅れてたんなら、俺負けてたしな。今回は運勝ちよ」
こちらも校舎にもたれかかるセツが、疲れたように返事をした。
「で、あんたらのこと。約束どーり、教えてもらうで」
「はいはい……っと!」
苦笑をもらしつつ、黒塚が立ち上がった。
「まず自己紹介だな。俺は黒塚竜二こと『ドラグ・エル・ルシファー』だ。
所持異能は『堕天黒翼(だてんこくよく)』。お察しのとおり、『闇』の異能だ」
黒塚が自己紹介を終え、後方で控えていた日野に声がかかる。
「改めまして、日野恵こと『ウィン・リ・シャイン』です。異能属性は『風』、名称は
『十字旋風(じゅうじせんぷう)』です。どうぞよろしく」
二人が手を差し伸べてきた。日野はユウと、黒塚はリクとそれぞれ手を繋ぐ。
「……はいはいはーはー、なるほどね」
その後ろで、一人セツが何かに納得した様子を見せた。
「…………『堕ちた太陽』ってのはあんたらのことか。通りで強かったわけだ」
「堕ちた太陽?」
リクの疑問に、ソウが返答を返す。
「セイバー内で三年前のテロを俺たちとともに戦い抜いた人間の生き残りと噂されてる人物のことだ。
『ブラック・シャイニング』っていう、つまるところの合体攻撃を始めて成功させたって言われてる」
「……え、そんな人たちが、どうしてこんなところに?」
「簡潔に言うと、機密事項ってやつさ」
黒塚が笑いながらあっけらかんと言い放ったので、セツ、ユウ以下4名がそろってずっこけた。
「まあ、その任務が終わったらあたしたちもここで落ち着くつもりですしね。改めて、よろしくお願いします」
ぺこりと日野があたまをさげる。その行儀よさに一同が面食らった。
「…………なんていうか、なあ?」
ソウが、困った顔でセツを見やる。
「……黒塚と親友とは、思えんなあ」
ユウとリク、さらに日野が苦笑し、黒塚本人が思いっきりムスッたれた。



空を仰げば、色は茜に染まっていた。




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「……へえ、なるほどね。まさか堕天使と蒼炎が一堂に会するとはねえ…」
三日月が登る満天の星空。ユウたちが去った後の後者裏に、何者かがたたずんでいた。
その人物の足元に、暗がりから出てきたネズミが這い寄る。
が、その人物のスニーカーに触れた途端、ネズミは音もなくめちゃくちゃにつぶれた。
どろりと体液が滲み出し、目玉が飛び出たそばからぺしゃんこにつぶれる。
後ろ半身は原型があったが、その人物が進み出ると同時にそちらもぐちゃぐちゃにつぶれていった。
「……ふふっ、面白いじゃないの。アタシたちとやりあおうなんて、ねえ」
その人物の長い黒髪が、夜風に揺れる。身に纏うのは、桜流の女子制服。
「しかし、驚きましたね」
上からも声がかかった。黒髪の少女が、上を仰ぐ。
3階建ての校舎屋上の縁から、誰かが飛び降りてきた。同じように、桜流の男子制服を身に纏っている。
「あら、トウヤ、こんな時間に何してるの?」
トウヤと呼ばれた少年が、飛び降りたときにずれたメガネを直しつつ答えた。
「何といわれても、あなたについてきただけですよ、コトハ委員長」
コトハと呼ばれた少女が、うっとうしげに鼻を鳴らす。
「護衛か何か?アタシにはそんなの必要ないわよ」
「ですが、これが『あの方』に与えられた命ですゆえ。ところで、委員長こそなぜここに?」
コトハが大きめのため息をつく。
「あんた、今日の放課後の出来事知らないの?…いよいよ、セイバーどもが動き出したみたいなのよ」
セイバーという単語に、トウヤが片眉を持ち上げる。
「……ということは、あの『堕ちた太陽』がここに来ている、と?」
「そうよ。後おまけに、蒼炎もいるみたいね」
なるほど、とトウヤが唸る。
「もう勘ぐられていたんですね。……まったく、仕事が速いというか暇をもてあそんでいるというか」
「明らかに前者でしょうが。……とにかく、来週か再来週にはやりあうことになるわ。
アンタ、覚悟できてるでしょうね?」
きつく言い寄られたトウヤが、心外だとでもいいたげに肩をすくめる。
「愚問ですね。…こちらも、兵員は整っています。やるなら、今すぐにでも決行できますよ」
「……よろしい。いいわね?いつでも対応できるように、あいつらの強化を怠らないこと。わかった?」
「わかりました。委員長……いえ、『ウィード・ラ・プレリュード』隊長」
その言葉と同時に、トウヤの姿が掻き消えた。
「……さて、堕ちた太陽さん?あなた方の実力がすこしでもあがっていることを期待するわ…ふふふ」
誰もいない敷地内に、コトハの笑い声だけが響いた。



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終わりっとー!
今回また真キャラ来ましたねーw
そのうちキャラ設定に新しくぶち込んでおきますので、ぜひご一読をー。
そしていよいよ本格的に敵サイドも始動開始……。
ここから物語本編が始まったとか言っても過言じゃありません、はいw
でもまあ、プロットどおりの時間軸に調整するために次の話は別のことになるでしょうねえ。計画性ゼロな俺ワロス
ちなみに今回の戦闘「ラピッドバトル」は東方の弾幕バトルをアレンジしてみたものなんですが、どうでしょうか?
現物は知らないので、原作っぽいかどうかは読者様の感想にお任せします(オイ
最近はラノベをよく読んでますので、ちょっとは描写とか上手くなったかなーと調子に乗ってみますw
ではでは ノシ