コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

しょうせっつw(PSO2小説)


カルカーロの戦士達


#5 追憶


「このおっ!!」
今日は一体何対のダーカーを貫いただろうか。ルチアの持つバシレイオンが、最後のダーカーの腹を
えぐった。消滅と同時に、疲弊したルチアが槍の遠心力に振られ、尻餅をつく。
「……周囲にダークォトン反応なし。…突破完了、か」
状況の確認を終えたコネクトが、詰めきっていた息を大きく吐き出した。
「…それにしても、最後まで竜族を見ませんでしたね」
神楽が辺りを見回しながら言う。
そう、たった今の戦闘が終わるまで、竜族は一度も現れなかったのだ。
ダーカーに殺されたならまだわかる。しかし、その亡骸さえも、この地上にはなかったのだ。
「……どうなってるの?アムドゥスキア……」
「わからない。ただ確実なのは、確実にダーカーの支配が広がっている。もしくは、この辺に小規模な
巣窟があるかの二択だ。……どっちにしろイヤだがなあ」
コネクトがため息をつく。
「…どっちにしろ、今のままじゃ到底最深部まではいけそうにないわね。一度戻りましょう」
ルチアが、気を失っているあめゆぅを見やりながら言った。先の戦闘中、記憶喪失にあるあめゆぅは
何らかのフラッシュバックを起こしたのだろう。今はこのとおり静かに眠っている。
神楽は頷いたが、コネクトは頷かなかった。次いで、理由を言う。
「……ちょっとだけ、調べてみたいことがあるんだ。すぐに戻るから…先に帰っていて」
言うだけ言うと、ルチアたちが静止する前にコネクトは奥へ走り出した。
二人は顔を見合わせつつも、その場でテレパイプを作動、キャンプへと帰還した。




「……この辺か」
奥地まで来たコネクトは辺りを見回す。というのも、先刻の戦闘の最中に「フォトンの色彩」を
感じた故の行き当たりばったりな行動だった。別に何をしようというわけでもなかった。
周囲は何かが暴れたのかところどころの岩壁が崩れ、山のようになっている。
「…!」
そこまで考えた瞬間、コネクトの頭に微細な思念が流れた。先ほどから発せられていたこのフォトン
ようやく、発生させている元が特定できた。
直下だ。コネクトはハチェットを銃形態にして構える。もう片方の手には、手榴弾
そこでコネクトは思い直し、瓦礫の上に手榴弾を置いた。自分はそこから5歩ほど離れた場所に下がる。
「…巻き込まれるなよ……」
呟き、ハチェットから弾丸を放った。手榴弾にヒットし、周囲を爆風と音が包む。
もやが晴れた後には、上半分が綺麗に吹き飛んだ瓦礫の山が見えた。その中央から、人が這い出てくる。 
「あいたたたた……ありがとうございます、助かりましたぁ」
出てきたのは少女だった。セミロングのほんのり茶色がかった黒髪。どこか遠くを見つめているような
新緑色の瞳。手にはフォースの証ともいえるロッドが握られている。
「…キミ、大丈夫……です、か?」
少々みとれつつもコネクトが問いかける。その声に反応し、コネクトのほうをむいた少女の顔が、
驚愕に彩られる。
「あ……ああっ…………」
「…どう、しました?!」
が、沈黙は一瞬だった。その少女が、
「お兄ちゃんっ!!」と叫んだからだ。
いきなりぶっ飛んだことを言われたので、コネクトが「はあっ?!」と素っ頓狂な返事を返す。
そしてそんなコネクトの驚愕などいざ知らず、兄と呼んだ少女はうれしそうにぴょんぴょん飛び跳ねる。
「やったあっ!久しぶりだねえ、お兄ちゃん。忘れたとは言わせないよ〜」
呆然としていた一瞬のうちに腕に絡みつかれた。こんな辺境にいた辺り、やはり反射神経は驚異的だった。
「ちょ……っと待ったあっ!何、キミ誰?!俺が兄貴?!ふざけるのも大概にせんかいっ!」
しかりつつ腕をほどこうとするが、少女の腕力が思ったより強く、振りほどけない。
「あーあ、やっぱり忘れてる〜」
むぅ、と頬を膨らませたその少女の顔は、コネクトの脳に何かを引っ掛けた。




するりと抜け落ちたのは、数瞬後のことだった。




「…………………」
「……………………」
「………………………」
「…え、えーと」
「コネクトさん、貴方どういう趣味をお持ちで?」
「ち、違うっつーに!」
キャンプシップでは一悶着起きていた。無理もないだろう。やりたいことがある、と言って
戻ってきたら見知らぬ少女を連れてきたのだから。
「頼む、コトミ。お前のほうから誤解といてくれ〜」
こういう多対一の状況にコネクトはめっぽう弱い。連れてきた少女に助けを請うも
「お兄ちゃんの問題なんだから、お兄ちゃんで片付けないと意味ないじゃん」と一蹴されてしまった。
数歩後ろによろめいてテレプールに落ちそうになり、危うく踏みとどまった。
「……で、コネクト。この人誰?」
ただ一人、そういう目で見ていないあめゆぅが問いかけてきた。
「……あー、こいつは『神宮寺コトミ』。……信じないだろうが、妹だ」
「「「はいっ?!」」」
女性陣三人の疑いの目線。もう逃げたいとコネクトは内心思う。
「ほんとなの?キミ」
あめゆぅがコトミに聞く。
「はい。改めまして、神宮寺コトミです。さきほど紹介があったとおり、これの妹です」
ぺこりと頭を下げたコトミを見て、3人はうろたえる。
「え、えーと……ルチアよ」
「神楽だ」
「あめゆぅです〜」
女性陣三人が女性の言葉をあっさり受け止めたのを悟り、コネクトがまたがっくりとうなだれる。
そんな折、コネクトの持つリストバンドが着信を知らせた。
「……?」
覗き込む。そこには「印乃トウア」と記されている。
すぐに受話器をとった。通話が開始される。
「もしもし、アハトさん?コネクトです」
《…………アハトは預かった。返して欲しくば、その座標に来い》
それだけの会話だった。もちろん、周囲の4人にも聞こえたであろう。
「……………っ!!」
転送されてきた座標は、アムドウゥスキア最標高を持つ火山。
コネクトは、刹那の速度でテレプールへと飛び込んだ。


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アハトさん編が超展開だったのでこっちも超展開にしてみた^q^
今回から、新キャラクター「神宮寺コトミ」が追加されますー。
設定集に更新うpしておきますので、ご一読をー。
なぜ関係が妹なんだって?……まあ、知らぬが仏ってことわざもあるんですよw


まあ、ブラコンな妹所望というきめぇ性格なんです。ご許しください。