コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

どんどんいくよーっ

うっすどうも、また新しいスピンオフが増えて修正に右往左往してますw



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1章 第3幕 盛夏のひととき
  第11話 ただいま絶賛お休み中  by 8/4


同じ日にち、同じ時間、同じタイミング、違う部屋で、二人の学生が呟いた。




「あつい……」



「うう…久しぶりに超猛暑だ…………」
かたやユウ。自室のベッドでひたすら暑い暑いと唸っている。
現在時刻は朝10時にもかかわらず、ばてそうになるくらいの猛暑だった。
ごろごろとベッドの上で二転三転しながら、予定のない長い休みをどう潰すか模索する。
しばらくたっても暑さで頭が回らず、自室の小型テレビをオンにすると、
そこには一本のCMが流れていた。



「がぁ〜、クソあっちぃ〜〜〜……」
かたやセツ。自室におかれたパソコンのキーボードに突っ伏し、暑さと一緒に
色々と別のことを愚痴る。久しぶりに何かをする気も起きない猛暑だ。
「……あーくそ、だりぃ。テレリモテレリモ」
いいつつベッドに倒れこみ、床に放り投げてあったテレビのリモコンを取る。
電源を入れると、一本のCMが流れたところだった。



『暑い日はここで気分爽快!ソウエンブループールは絶賛営業中!』



「「これだっ!」」
別々の部屋で、全く同じタイミングで歓声が上がった。







「……っつか、こういう偶然もあるもんなんだな」
時間は進んでお昼過ぎ。セツはソウを連れて(連行して)、ここ
ソウエンブループールにやってきていたのだが、そこで思わぬ人物と鉢合わせする羽目になった。
「ですねえ。…なんだか、既視感たっぷりで」
そう、全く同じ考えを持ったユウが、リクを引っ張り出してプールに
来ていたのだ。ちなみに、ユウたちに連れ出された二人は二人の後ろで
暑い暑いと愚痴っている。さぞ部屋のクーラーがきいていたのだろうと二人の心中の愚痴。
「しかしまあ、よく場所が一致したもんだ。偶然にもほどがあるぜ」
そこそこの人数がいるプールサイドを歩きながら、セツが口を開く。
同調するのはやっぱりユウだったりする。
「ホント、ボクも予想外でした。まさかいつものメンバーが揃うなんて」
「にしちゃ、二人か四人か足りねえがな」
口を挟んできたソウの言葉で、そういえばとここにいない4人を思い出す。
「まま、いない人間は考えないでおこーぜ、っと。そいじゃ、おっ先ー!」
早口で話題を締め、人のいない箇所に向かって低空飛込みを敢行するセツだった。




「はーっ、泳いだ泳いだー」
勢いよく水から上がり、軽やかな動作でユウが着地する。すぐそこに
日陰のベンチで座っているリクを見つけ、すたすたと歩み寄る。
「リク、泳がないの?」
「まーな。俺最近、泳ぐのあんまり好きじゃないんだよ」
「あれ、そうだっけ?」と首を傾げつつ、ユウはリクの隣に座る。
「前ちょこっと言っただろ?プールの授業はいやだーって」
「ああ、そういえば。……どして?リクってちっちゃい時、泳ぐの
すごく好きだったじゃん」
「む、それもまあそうなんだが……」
視線を少々泳がせ、やがてもごもごと口を開く。
「…なんだろな。俺もよくわからん」
「ふーん、そっか……。なんか寂しいね」
ふと呟かれた寂しいという単語に、リクが思わずユウの方を向く。
「ちっちゃい時さ、よく二人で泥まみれになるまで遊んだよね?……また、
そんな感じに遊びたいなぁって、このごろよく思うんだ。
今は二人とも学問に忙しいからさ、こう言うのをいう機会ってあんまりなくって」
あはは、と苦笑しつつ、ユウは少し遠い目になる。
まずい、気分悪くさせたなとリクが思い、声をかけようとした瞬間。
「わーっ!!」
「「ぎゃああああああっ?!?!」」
背後からの奇襲者により、二人揃って悲鳴を上げてしまった。
みると、そこには見覚えのある茶髪の少女が立っている。
「……なんだ日野か。びっくりさせるなよなー…」
立っていたのは、クラスメートである日野恵その人だった。長い髪を一本結びにし、
日焼け防止であろうパーカーを羽織っている。
「久しぶり、メグちゃん。黒塚くんも来てるの?」
ユウの問いかけに、日野は頷いてみせる。
「さっき、あそこのウォータースライダーいってくるって。隣いい?」
「あ、どうぞどうぞ」
日野をベンチに迎えると同時に、3人の前に敷かれていたスライダーから
人が飛び出してきた。それも、格闘中のままで。
「セツさん?!」
「ルシアっ?!」
さらに、でてきたのがセツと、日野の連れである黒塚だったためなおのことだ。
うおーっ、うらーっと格闘戦を止めない二人を、強引にリクと日野が静止する。
「……黒塚、お前の主張は持論を押し付けてるだけだよ」
「お前こそ、主張を曲げようとしないでなにが持論を押し付けてるだけだ」
両者の間に火花が散るのを錯覚したユウは「どうしんたんですか?」と尋ねた。
すると、異口同音に「アレに出場したらどっちが勝つかでもめてた」と発音する。
3人こぞってそちらを向くと、


「水着美少女コンテスト」なる看板が持ち上がっている最中だった。
三者三様、それぞれに言葉を失う。



経緯は、セツがスライダー待ちの最中に黒塚と偶然遭遇。二人で駄弁りながら上っていると
例の看板が見えたらしく、最初は冗談で仲間内の二人の女子を評価しあっていたが、やがて
ついつい議論が白熱してしまい、格闘戦に突入。タイミングよく順番が来たので我先にと
乗り込んで、そのまま下まで降りてきたのだという。


なんとバカバカしい、とリクは思ったが、リクもそれなりに興味が出たようだ。
こそっとユウに耳打ちしてみる。
「ユウ、でてみたらどうだ?」
途端、「ふぇっ?!」と小さな悲鳴を上げて、ユウがリクの近くから飛び退いた。
「な、なっ、えぇ?!ぼ、ボクに出ろって言ってるの?」
そりゃお前に耳打ちしたんだからお前以外ないだろう、と心中で突っ込みつつも、
リクは言葉を続ける。
「なんていうかな……お前なら入賞くらいは狙えると思う」
最後ににかっとスマイルすると、ユウはしばらく立ち尽くしたあとにこういった。
「……ま、まあ、リクが望むなら………で、出ないこともないけど…」
恥ずかしいやら泣きそうやら色々混ざった表情で、ユウはもごもごと言う。
そう言ったので、黒塚も何気なく「じゃあ、お前も出てみろよ」と日野に話を振る。
そのあと日野が一瞬赤くなりながら「む、私はいいよ」とあっさり拒否した。
一連の光景を、セツは買い物から戻ってきて何がなんだかという表情のソウと共に
傍観していた。
「……青春だねえ、お二人さん」
セツの呟きは、隣のソウにすら聞こえなかったようだが。



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《…では、エントリーナンバー9!星川さん、どうぞ!》
わーっというボルテージの上がった歓声と共に、やや緊張気味にユウが舞台袖から出てきた。
下の観客席では、これ見よがしにと男4人と女1人が座っている。
「…眼福ってヤツか?」
落ち着き気味の黒塚からそんな一言が出たので、残る4人がいっせいに固まったりしたが。
《…ふむ、なるほど。そんな星川さんの特技は『歌』だそうです。それでは歌っていただきましょう!
曲は不朽の名作アニメ『リボルバー』から主題歌『スターライト・ボルテッカー』!!》
「スタボルかー。俺も好きだけど高音域難しいんだよなあ」
セツの一言コメントを最後に、4人から一時会話が消えた。
歌うだけで静止していれば良いので、ユウも幾分か気が楽だろう。
「―――はち切れそうな、貴方への思い、このリズムに、乗って、伝えるんだーっ―――」
涼やかなソプラノの歌声が、周囲に響き渡る。
(そういえば、これもう水着関係ないよな)と心中で思いつつ、セツは歌声に聞き入っていた。


「あーっ、すっきりした!」
帰り道、ユウは先頭で大きく背伸びしていた。
「結局、優勝は逃したな」
おしいところまで行ったんだがなぁ、とセツに続き黒塚もコメントする。
「ううん、いいのいいの。ボクも楽しかったから!」
くると振り向いたその表情は、夕暮れの太陽のように眩しい笑顔だった。




「む」
帰宅途中、セツはポケットの携帯がバイブを響かせているのに気づく。
「…はい、桜花です」
しばらく、返事と相槌を繰り返す。
「……わかりました。予定が取れ次第、すぐにそちらに向かいます。では」
ぷつりと通話を切った後、誰にも気取られない鋭い微笑を浮かべたセツだった。


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なんでこんな速度で執筆完了したしww


ちなみに俺は中3のころ、友人にプールに誘われたことを寝過ごしてしまった経験がありますw
あのときはとてつもない絶望感でしたわぁorz
ちょうどそのとき知ったある催眠で事なきを得ましたがねw


ちなみに学園モノということで、数年はやらなきゃいけませんw
一応具体的には
「高2の修学旅行が終わった次のイベント」を終了地点としています。
夏に終わったら夏休み直前で、冬なら大晦日とかクリスマスとかでですね?


では今回はこの辺で ノシ