コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

ジ・アポカリプス前日談〜

がけぇっぷちにぃーたたさぁーれてたぁーときくなんがぼくぅーのうでをつかみぃー、
じぶぅんじしぃんのあぁーりかたぁ、はじめぇーてーみえたぁんだぁっ!
ってことでちゃっす、コネクトですー。


さてさて、今回はちょっとした肩慣らしです。
アポカリプス始動のその前に、コクトたちの様子を書いておきますー。
まぁ、位置づけとしてはプロローグですかね?



*********


0 遠き崩壊



「さて、次の目的地はどこがいいかなぁ」
「おじちゃん、いっちゃうの?」
「……む、あぁ。おじさんはこれでも多忙……すごく忙しいんだ。
キミがもっと大きくなったら、また会いに来るさ」
青年が、半泣きの少女の頭を優しくなでる。
「ほんとに?……じゃあじゃあ、私はアークスになるね!」
「お、そりゃ楽しみだ。そのときになったら、おじさんたちの仲間として戦ってくれよな」
「うんっ!」
明るく、勢いよく頷いたのを見ると、青年は後の大人たちにも挨拶する。
「それじゃ、俺は行きます。新任のアークスさんにも、俺みたいな待遇をお願いしますね」
「そいつぁ土台無理な話だなぁ。まぁ、それでも丁重にもてなしてやるよ!」
がははと笑うたくましい男性が、青年の肩を勢いよく叩く。
「あてて……じゃあ、またいつか」
「おう、いつでも戻ってこいよ、暴風さん!」
苦笑気味に笑うと、青年はその小さな村を後にした。




「もー、遅いよ?」
「すまんすまん。村の子供に泣きつかれてた」
自身の所有する船に戻るなり、青年は既に乗り込んでいた少女に声をかけられた。
「あぁ、なるほどね。…ふふ、簡単に想像できるね、その光景」
「よせやい、いつかの古傷が悪化しそうだ」
苦いものを含んだ笑いを浮かべながら、青年は豪快に自分の席へ座り込む。
「さて、と。これからの予定だが……どっか、行きたいところはあるか?」
背もたれに体を預けながら、青年は少女に問いかけた。聞かれた少女は、赤い瞳を瞬かせながらおとがいに指を当てる。
「うーん……。この辺のほとんどは回りきっちゃったからね」
「だなぁ……それじゃ、一旦打ち切って戻るか?」
戻る、という青年の言葉はつまり、彼の故郷である船に里帰りしようという提案だった。
少女も頷くが、直後になぜかばつの悪い顔になる。
「いいけど…………うーん」まで言って言葉を切る少女を不振がりながら、青年は理由を聞いてみた。
「どした?なんか嫌な思い出でもあるっけ?」
「あ、ううん。そうじゃなくて、さぁ……。ほら、アレだよアレ」
少女の言葉が意味するものに、青年はすばやく感づいた。「あぁ」と呟きをもらしてから、再度苦笑する。
「……たしかに、今戻ったらなんとなく茶化されそうな気がするなぁ」
「そう、それ。……私、茶化されるのやだ」
少女の眉が下がって、いかにも嫌そうな顔になるのを見て、青年もぽりぽりと頭をかく。
「うーん、とはいってもそろそろ顔出さないと、また何かあったのかって心配されそうだからなぁ。
なんだかんだ言って、そろそろ3年戻ってない計算になるし」
と青年が説得しても、以前少女の困り顔は解消されない。が、直後に何かを閃いたらしく、少女が口を開いた。
「あっ、それじゃあ、私だけ別行動っていうのはどうかな?」
「え、別行動か?……うーむ、それならまだいいか」
一瞬逡巡したものの、青年はすぐに決断を下した。故郷に戻るとなるならば、なるべく出発は早いほうがいい。
各種システムと計器のチェックに入り、すべてに異常がないことを確認する。
「エンジンシステム、チェッククリア。通信システム、現在はグリーンとブルーを往復中。テレポータル生成装置、正常。
目的地までの距離、逆算。……ポータルは使えないか」
目的の場所まで一気に空間跳躍ができるシステムは、距離の都合上使用はできない状態だった。しかし、道中どこかで
少女を下ろしてから向かう予定なので、都合がいい。
「主砲、および副砲、正常作動確認。艦内機密システム、人工重力システム、ともに正常値をキープ。
その他まとめて、オールクリア!」
内容の復唱を終えると同時に、青年はコンソールからエンジンに火を入れた。薄くエンジンが指導する音が、艦橋に響く。
直後に船体下部の姿勢制御用スラスターを点火。窓の外から見える景色も、徐々に下方へと流れる。
充分な高度を取った後、青年はお決まりとなりつつある決め台詞とともに、スロットルを手前にめいっぱい押し込んだ。


「『アークセンチネル』、メインエンジン始動!カルカーロへ向けて、発進!!」
朱色から白銀色に塗り替えられた母船が、轟音と共に空へと突撃する。




新光暦246年。相も変わらず人類に敵対的な謎の種族「ダーカー」の攻撃は続いていた。
彼らの攻撃で轟沈する惑星間航行移民船「オラクル」も少なくなく、いまだ人類は恐怖に晒されている。


そんなさなか、希望の光が訪れたのは八年前のことだった。
とあるオラクルに所属する惑星探査軍「アークス」の中の数人が、ダーカーの移動拠点「ハイヴ」を撃破したのだ。
その吉報は瞬く間に全宇宙を進むオラクルへと伝えられ、人類が反撃できるというその確たる情報は人類を強くする。
平行して対ダーカー用の兵器群も続々と開発され、現在では正規の軍のみでも襲撃してきたダーカー軍を
撤退に追い込めるほどの戦力となったのである。



しかし本当に恐ろしい存在は、「ただのダーカー」以外のものにとどまらなかった。



 * * * * * *


「……兄さん」
とある場所で、その人は虚ろげにつぶやいた。眼前には、中ほどから叩き折られたアークス用の武装「ザンバ」が鎮座している。
いとおしげにその無骨なラインを撫でながら、その人は再度声をつむいだ。
「兄さん、もうすぐ貴方にお土産を届けます……」
恋慕にも似た感情を顔に表していたその人は、しかし直後に狡猾で獰猛な笑みを浮かべる。
「貴方を殺したあの女の首。……すぐに、届けて差し上げましょう」
台座に似た物体に突き立てられていたザンバを、華奢な腕で軽く持ち上げて背に吊るした直後、ひとつの通信が入った。
『そこの不審船!識別コードを提示の上、こちらの指示に従ってもらう!』
通信の主は、艦橋正面に見えるオラクルの警備船からのようだった。その人は軽く舌を打つ。
が、それ以外に目立った言動は起こさなかった。代わりに懐からタバコを取り出し、慣れた手つきで火をつける。
二、三度同じ定型句が鳴り響いた後、その「女」は静かに体を起こした。
ふぅー、と紫煙を噴きながら、おもむろに右の手で鉄砲の形を作る。それが無造作に警備船の一隻に向けられた直後、
女の口から「バーン」と小さな呟きが漏れた。ただ、それだけのこと。
しかしその直後、グワキャン!!という盛大な音が響く。見ると、先ほど指を向けられていた船の横っ腹には
砲弾でも炸裂したかのような大穴が穿たれていた。そのまま姿勢を崩し、あえなく爆散する。


「さて……行ってくるよ、兄さん」
艦橋から立ち去り際、女は傍らに立ててあった写真をぱたりと伏せた。


*********


近況報告をした近辺に限りすばやく提供できるこの体たらくである(ドヤァ


さて、ようやく始まりましたカルカーロシリーズ第3部なんですが、これを機に少しの間当作品の製作は停止いたします。
理由ですが、現在平行作成中の「デュアルフェイス」を完結させた上で始動させたい、という考えの下です。
リメイクを披露せずにさっさと完結させるのもどうかと思いますからね。


本編中ではあえて名前を出していませんでしたが、前半の青年と少女はお察しのとおりコクトとホムラですw
後半に登場した女性ですが、まだ正体は伏せておきます。
だってネタバレになっちゃうじゃないですか、ここで公開したらw


では今回はこの辺で。
またあいませうー ノシ


(今回歌った曲…ラーゼフォンヘミソフィア」)