コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

マビノギ 小説風にプレイしてみた


「また……会えますよね?」
そんな言葉が脳裏に響いたと同時に、俺は――俺の意識は覚醒した。
同時に全身の感覚も連鎖的に接続され、そこで俺は現在地をようやく確認する。
現在俺が突っ立っているのは、山のふもとに位置する農村「ティルコネイル」に続く道、トゥガルドアイルの道端だった。
なぜこんなところで眠りこけていたのかがはなはだ疑問だが、残念ながら俺の記憶にはない。
そしてそれを考えていると、ふと自分の体に違和感を覚えた。―――いや、違和感があるのは当たり前か。
眠りにつく前は20代前半ほどの身長と体つきを持っていた俺の躰が、現在は13歳の少年ほどの身長と体躯でしかないのだから。
まぁ、その理由はすぐに思い当った。


俺たち外界の人間―――この世界では「ミレシアン」と呼ばれる―――は、みな何らかの理由でこちらの世界へと移り住み、
新たなる概念を持った生命として生まれた存在だ。
その最たる特徴はなにより、「他の肉体へと転生できる」という点だろう。
この世界での転生といえば、俺たちエリンの旅人にだけ許された、ある意味生まれ持った特別な才能ともいえる。
だがその効果は、裏を返せばこの世界「エリン」をある意味での地獄にするようなものだ。
25歳へと到達した体はそれ以上衰えることはなく、記憶は無限ともいえるほど保たれ、すべてが朽ちることなき世界。
たとえこの世界に嫌気がさしたとしても、脱出することはかなわない、魂の牢獄。
それが、エリンの旅人に課せられた使命でもある。


話が脱線したが、ともかく俺に何が起こったのかというと「13歳の肉体へと転生した」こと以外にないだろう。
脳裏にも薄らぼんやりと焼き付いている、白髪に碧眼の少女の微笑みが、思えば俺をこの世界へといざなったのだ。
―――っとと、また話が脱線した。
とにもかくにもそんなことを考えつつ、俺は思い立ってある場所へと赴いた。




訪れたのは、冒険者のための大陸とも呼ばれる自然豊かな大陸「イリア」の北部にある雪原地帯「ビシス」だった。
ちなみに、ここに来るまでにさんざん迷って結局マナトンネルを使用したのは内緒の話だ。
そしてここに用があったのは、ひとつわけがある。
転生の儀式を終え、こちら側に戻ろうとした俺に、白髪碧眼の少女が手渡してくれたしるべに、俺の興味を深くそそる内容が
書いてあったのだ。
さっそくビシス地帯の一角にある山腹の洞窟「ヒルウェン鉱山」へと足を運び、その中にいたジャイアントの男性に声をかける。
ヘクターという男性から購入したのは、重厚感あふれる鉄の武装だった。
かつて俺が生きていた世界でもまた、戦闘のために作り出されていたコンパクトな射撃武器。
この世界ではそれを2つ―――2丁同時に装備して使用するらしく、一緒に携帯するためのホルスターも渡された。
あとは射出する動体を一緒に購入し、これで中距離戦闘兵装「デュアルガン」が完成する。
以前の世界では古めかしいはずだったリボルバー式の駆動系も、この世界で見ればなんとも未来的な武装だ。


そんな銃器を久しぶりに見た感慨からか、俺は鉱山を出るや否やとんぼ返りでティルコネイルへと戻っていった。
理由はただ一つ、ティルコネイルの奥地にあるダンジョンにて、その性能を試してやろうという算段である。
地元住民には「アルビダンジョン」と呼称される洞窟には、空洞と女神の石像以外に何もない殺風景な場所だ。
が、その顔はある条件によって様変わりする。
その法則に則り、俺は懐から金貨を一枚取り出して、コイントスの要領で祭壇の石床へと投げ落とした。
瞬間、周囲の風景がガラスを砕いたかのように吹き飛び、砕かれ、再構築されていく。
後方にあった階段は破砕される風景とともに粉微塵に砕かれ、代わりに閉ざされていた石扉がともに砕け、
下層へと降りるための階段が出現した。
変化を完了し、真の顔をのぞかせる「アルビダンジョン」の奥へと、俺は進む。


アルビダンジョンに出現する敵性生物の割合は、人間の幼児ほどもある体躯を持つクモが大半を占めている。
生理的に嫌悪感を持たせるそいつらに直接剣を浴びせないですむようになるかと思うと、知らず知らずのうちに落ち着いてくれる。
デュアルガンを駆り、俺はダンジョンを駆け抜ける弾丸の嵐となって突き進んだ。
試すならキアダンジョンのほうがよかったかなぁ、なんて後悔を覚えながら、あっさりと部屋の主――いわゆすボスの部屋へと
たどり着いた。早々に赤い体躯のクモたちが襲い掛かってくるが、そんなものはまとめて「ウィンドミル」で
蹴り飛ばしてやった。
「気持ち悪いのは、大ボスだけで十分だっ!」と吐き捨てながら、俺は最後に残った巨大な生物へと目を向ける。
赤いクモたちの大ボスともいえる、巨大なクモがそこに屹立していた。てらてらと光る体躯と昆虫的な体躯が視界いっぱいに移り、
思わず身じろぎしてしまう。そこがいけなかった。
その巨躯に似合わぬ俊敏な動作で近寄ってきたかと思うと、その無数の足で蹴りを繰り出してきたのだ。
「うがっ!?」と思わずくぐもった悲鳴を上げながら、俺の体は宙を舞う。ずがしゃと痛々しい音を立てて墜落するが、
何度も転生して様々な知識を蓄えてきた俺にはさして通用しない攻撃だ。両腕をバネにして飛び上がり、お返しと言わんばかりに
こちらから銃撃をお見舞いしてやった。次に来る攻撃を、相手の攻撃をいなして逆に打撃を叩き込む「カウンターアタック」で
反撃してやると、大クモはあっけなく沈んだのだった。


 * * * * * * 


外伝 体験記


ちなみに、この世界では可能なことならば何でもかなえることができる。
努力をすれば一軒家を持つこともできるし、日がな一日中ゴロゴロして過ごすことだって可能だ。
で―――そんないろんなことが叶うこの世界で俺がとりあえず望んだことは「異性になりたい」ということだった。
下心がない、なんていえばただの綺麗事だからあえて理由を明示すると、つまるところ「ボーイッシュな女の子として
カッコ可愛く活動したい」という、なんとも子供じみた理由だった。
そんなことを、俺をエリンに導いた張本人――ナオという白髪碧眼の女性だ――にしどろもどろしながら話してみると、
意外にも「外界から訪れた旅人さんは、よくそうおっしゃいますね」と返ってきたことも記しておく。
とにもかくにもそんなわけで、俺は晴れてこの世界で女性として活動することになった。
なれない体を懸命に動かして、男として活動したおかげで慣れたエリンを探索している途中、俺は
いろいろとヤバい出来事に遭遇することになる。


ある日、俺が小高い丘で昼寝をしているとき、突如として頭を棍棒のようなもので殴られた。
そのまま意識が暗転し、次に目が覚めた時にはなぜか俺はロープでつるされている状況。
そして眼前には、無数の半人半獣の敵性生物「ゴブリン」―――。
ヤバい、こいつはヤバいと本能的に知覚する。戦闘に関する知識ばっかり吸収した硬い頭でさえ、どうなるのかがわかるほど
非常にまずい事態に遭遇してしまったことは明白だった。
ロープをほどこうと腕を動かしていると、突如として腹部付近に鋭い痛みが走る。
「ぐっ!?」とくぐもった悲鳴をあげつつ正体を探ってみると、どうやらゴブリンの持つ棍棒に殴られていたらしい。
ずっと監視されているのは厄介だな、と小さく吐き捨てて、しばらく抵抗をやめてその間に状況を整理する。
現在、俺は両手足をロープで縛られて行動不能武装である剣と盾も奪い取られて壁の隅だ。
防具である「らふティオズアーマー」その他は剥ぎ取られずにすんでいるが、そのうちすぐにみぐるみ剥がされてしまうだろう。
本能がそう告げているから間違いない。
そんなことを悠長に考えていると、ゴブリンたちの魔手が両手足の防具(つまりガントレットとブーツ)をひっつかんだ。
「やばっ」と声を上げるが、時すでに遅しだった。そのまま両方を引っぺがされ、黒い腕保護布とニーソックスが露出する。
いや、そのくらいはなんてことないんだが、続けて襲いくる手があろうことか、胴を守る鉄板を組み付けているベルトを
引き抜いたのだ。あえなく鉄板が外れ、鎧に守られていたはずの柔な胸が(まだ布越しだけど)無防備にされてしまう。
旅人以前は17歳男子だった俺にとって、その光景は恥と判断するに十分な威力を持っていた。
で、結果的に俺はブチ切れる。
「離せと……言っとるだろうがぁぁぁっ!!」
甲高い女の子声で叫んだ俺は、縛られている状態のまま「ウィンドミル」を慣行。近寄っていたゴブリン全員をブッ飛ばし、
ついでに手足のロープを引きちぎった。回転が終わると同時に着地した俺はすぐに走り出し、壁際に安置されていた
バトルソードとカイトシールドをひっつかんだ直後、最寄りの一体に向けて盾を掲げながら突進。
吹き飛ばして相手をけん制した後、全速力でゴブリンたちのアジトを離脱したのだった。



「……ってことがあったんですよ、マジで!」
「うははははっ、そいつぁ痛快だ!あー、群れのど真ん中でミルぶちかましたら楽しいんだろうなぁ」
そんな体験談を食事の肴にしながら、一日は終わる。
無限の牢獄であるこの世界で、俺は今日も生きていく。


*********


おわりーっ。
初めてプレイを小説にしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
新才能である「シューター」がなかなかどうして楽しかったので、調子に乗ってこんなものを作っちゃいましたw
ほとんどアハト氏のパクリです、本当に(ry


ちなみに、後半はプレイと全く関係ないただの小説です。
裏でアバターたちがこんなことされちゃってるのかもしれないなぁ、というコネクトの妄想でございます。
例によってソッチ方面の表現はソフト目です。マジ書くのに嫌気がさすw


そんなこんなで今回はここまで。
またあいませうー ノシ