コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

繋録complete第3回!

曲のネタが尽きてきた〜w



今回は小説ですが、またしても番外です。
そして現在更新停滞中の繋録completeを更新しますっ!
何故だ……何故繋録本編が思いつかないぃぃぃぃ(悶絶



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0-2 写り込む影 by3/22



「入ります、総帥」
ここは、世界異能管轄組織「world saver」の総帥、その執務室。
ここ三年間、定期的に聞くようになった声に気づき、椅子にもたれる壮年の男が顔を上げた。
「おぉ、来てくれたか二人とも」
「お久しぶりです、総帥」
「お邪魔いたします」
部屋に入ってきたのは、二人の少年だった。
片方は、瞳のハイライトを穏やかに輝かせる寝癖だらけの少年。
もう片方は、人懐っこい笑顔を見せる大柄な体躯の少年。
「足労願ってすまないな、コネクト君にコルト君」
二人の名は「コネクト・バルダーディナス」と「コルト・レイルソーコム」。
三年前の「世界同時多発テロ」にて顔を合わせ、以後男の部下として動く「異能者」である。
「…しかし、定時報告以外に呼びつけるなんて珍しいですね?」
ところどころはねた髪をひょこひょこ揺らしながら、コネクト――セツは問いかけた。
「うむ。……百聞は一見にしかずだ、これを見て欲しい」
首をかしげる二人をよそに、男――アストレア、本名を「上月 正一郎(こうづき せいいちろう)」という――は
デスクの引き出しから数枚の写真を取り出した。二人が覗き込む。
その写真は、一見すればどこにでもある男と少女の写真だった。が、二人は不審な点をすばやく察知する。
「……アストレア、これはもしかして…………」
「…察しが早いな、二人とも」
「『インフェルノ』ですよね……こいつは」
その写真に写る鋭い目つきの男は、彼らの仇敵とも言える存在だったのだ。
二人はその姿を、直にその目で目撃しているのだ。疑いようもない。
「……んじゃあ、この女の子は一体?」
「うむぅ…二人も知らないか」
「…ということは、今回の用件は、この子の正体ってことですか」
アストレアが深く頷くのを見て、二人も考え始めた。
「んー…普通に考えたら、こいつは娘か孫か親戚の子かだよなぁ」
「もしかしたら、幹部かもしれんがなぁ。アイツは七天王とか中二くっせぇ軍団率いてたろ?」
「あぁ…その線もあるかぁ」
二人で議論を続けたが、結局考えは纏まらなかったらしい。
「……はぁ、こいつぁ平行線だなぁ。総帥はどう思います?」
セツがアストレアに問うと、問われた当人は複雑な表情で口を開いた。
「…噂程度の話なのだが、その少女は新世代の異能者らしいのだ」
「「新世代?」」と二人がオウム返しに呟く。
「うむ…連中は確か『アマテラス』と呼んでいたらしいな」
「アマテラス…日本神話の神さんか。えらくご大層な名前だこった」
「同感だ。……しかし、新世代の異能者とは一体?」
コルト――ソウが、アストレアに再度問いかける。その答えは、何とも意外な形で返された。
「二人とも、『イレギュラー』を覚えているか?」
予想の斜め上から来た発言に、二人は揃って頷く。
イレギュラー――異能の力と肉体を完全に同調させ、内に秘めたるその力を何倍にも底上げし、
通常の異能者とは一線を画した存在。
発現数は少ないものの、二人も定義として頭に入れておいたのだ。
意味を頭の中で反芻(はんすう)していると、不意にセツがぴくりと反応する。
「…まさか、この子はイレギュラー?」
「だと、私は考えている」
その言葉に、セツは苦い顔を、ソウは驚きと悔しさの混ざったような複雑な表情を返した。
「……定かな目撃情報はないが、何度か撮影には成功している。…これだ」
顎鬚をなでながら、アストレアは下になっていた写真の一枚を取り出す。
そこに写りこんでいた映像に、二人は目を奪われた。
「………これは」
「金色の……氷か?」
先ほどの写真に写っていた少女が、瞳を黄金色に輝かせ、掌中から同じ色の氷の塊を生成しているのだ。
暖色であるはずの黄色が、硬い少女の表情のせいでとても冷たく感じる。
「それだけではない。……私にも、にわかには信じがたいのだがな」
そしてそれに驚愕する暇もなく、アストレアが別の写真を出した。
そこには、先ほどの少女が異能を発動させているという、先ほどと同じ構図が収まっていた。
ただ、形だけをのぞいて。
「………おい、嘘だろ?」
「まさか……変わっているのか?異能の形が?!」
写真に写っていたのは、先ほどの金色の氷ではなかった。
少女の手から発されていたのは、金色のエフェクト光を持つ「風」だったのだ。
通常、異能は一つの形をとり、他への変形はしない。
だがこの少女が繰り出す異能は、その常識を打ち破っている。
この事実には、二人も揃って唸りこんでしまった。無理もないとアストレアは考える。
「……ところで、君達はどこへ進学することにしたんだい?」
ふと、気分を変えようと思ってそんなことを聞いてみた。
出会ってまだ数年だが、既に彼のなかでは孫のような存在になっている。
そんな彼らの進学先に興味を持ったのが、問いかけた理由だ。
「えと、俺は桜流学園ってとこに進学します。大型校で、すごく校則が緩いとこなんです」
ほほー、と気の抜けた相槌を打つセツに対し、アストレアは顎に手を当てて何かを思い出そうとしていた。
「…総帥?」
セツが問いかけると同時に「そうだ!」と閃いたように呟く。
「ソウ君、桜流と言ったな?」
「え、あぁはい」
「そうか…」と言って少し黙り込み、やがて思い出したように話し始めた。
「…二人とも、ここ最近の異能開花者数はどの程度か知っているかね?」
二人が顔を見合わせた後、この質問にはソウが答えた。
「えぇ。総人口で比べると、確実に18年前より多くなってきてると聞きました」
「そうだ、確実に、確実にな。……そして、その多くは日本での開花だという理由はわかるかね?」
こちらはセツが回答する。
「はい。最初の開花者が日本国内東西南北の男女4人だったため、その方の影響…あるいは教えにより、
日本を中心として世界でもぽつぽつと増え始めたと伝えられていますね」
「よろしい。……さて、本題に入ろう。日本での開花者が多いというのは先述の通りだ。
…そして、その中でも群を抜いて開花者が多いのが、ここだ」
そう言うと、アストレアは机上のノートPCの画面をセツたちの方向へ向ける。
そこに書いてあった校名に、二人は目を丸くした。
「……ここが、そうなんですか?」
「…まるっきり『桜流』ってかいてあるじゃんかよ、偶然にもほどがあらぁ」
画面の中に浮かんでいた文字は、違わず「桜流学園」の四文字を映し出していた。
「…しかし、なんでまた学校に集中してるんだか?」
セツの疑問に、アストレアが推測という形で回答を出す。
「私が考えるに……異能の力は、一種の『成長』と考えていいだろう。
子供達の成長に合わせ、異能も開花という形で成長の一つとなる…というのが私の考えだ」
セイバーの頭脳足りうる推測に、二人が唸る。


「…うむ、これで決定だな」
数分後、3人の会議は終了した。
「…しかし、俺まで行く必要はあったんですか?自分を批判するわけじゃないですが、コルソーは俺なしでも
充分な実力と知識を持ってると思うんですが」
少々不服だったようだが、ソウもセツの言葉に頷く。
問われたアストレアはと言うと、何とも意外な形の返答を出した。
「まぁ、確かにそうだ。……だが、右も左もわからない学校に一人だけというのは寂しかろう?」
「……あ、あぁー。そういうことですか」
数泊置いてセツが理解したらしい。ソウも遅れて理解し、寛大な目の前の人物に苦笑する。
つまるところ、理解者兼友達兼同業者として二人を同じ学校に進めたかったらしい。同業者というのは、
アストレアにとってはただのオマケだったようだ。
「それじゃ、俺たちはここで失礼します」
「うむ。…せっかくの青春だ、楽しんできたまえ」
「といっても、異能者がきたら真っ先に非日常に引き戻されそうですがね」
セツが苦笑気味に呟きつつ、二人は総帥の部屋を後にした。



知己の二人が去り、静かになった総帥室。
セイバーの部下があつらえたふかふかの椅子に背を預けつつ、壮年の男は目を閉じる。
(……彼らをこんな無益な戦いに巻き込んだのは、私だ)
三年前、別の人間に召喚された形でありながらも、彼らを戦いに巻き込んでしまった。
そのことを、彼は今も気にかけている。
元あった日常は破壊され、彼らの日常は世間一般に言う「非日常」へとすり替わってしまった。
その根幹の原因は異能であり、それを知る自分なのだと彼は考える。
今回の二人への採決は、彼なりの償いでもあった。


いずれ異能が世間一般になったとしても、彼は喜ばないであろう。
しかし、それでも世界は回り続ける。
ならば、せめて自分ができる方法でそれを償わなければならない。


「私は今度こそお前を殺すぞ、インフェルノ
虚空に向かい、彼は呼びかける。
今はこの世にいない、永久の仇敵に向けて。
「……否、セルゲイ」
少しばかりの訂正を加えた後、彼は執務室を後にした。


無人となった執務室に、星の光だけが色めき立つ。


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終了っ!
お気づきの方は少ないかと思われますが、今回の主役はアストレア総帥です。
彼の心中と、セツたちが同じ学校にいる理由、さらにいずれ劇中に登場する最強のイレギュラー「アマテラス」に
関する事を喋ってもらいました。


現時点で「アマテラス」に関して纏まっている情報を書いてみますと
・パーソナルカラーは黄(もしくは金。どちらかは不明)
・他のイレギュラー同様、細胞レベルで融合しているため対異能者用兵器が通用しない
・調節次第ではランク5よりも強力になる
・普段は炎の形をとり、状況に応じて他の形にも変形する
ぐらいな感じです。中々にチートな異能ですw
最強設定だからしょうがないね!こんな小学生が考えそうなの考えた本人が言ってもどうしようもないけど!!


そして、最後のセリフでついにインフェルノの本名が明かされることとなりました。
本編ででもいずれバラしますが、インフェルノの本名は「セルゲイ」となります。
この名前、実はアハト氏のスピンオフから取ってきた設定なんですw
元々本名を公開するつもりはなかったんですが、スピンオフから逆輸入した設定を色々と弄った結果
登場させることと相成りました。アハトさんすいません(・ω・;)
あと、文中で「今はこの世にいない」と書いてますが、別に間違いじゃありません。
今はいないんです、今は。


最後に、セツとソウが同じ学校に進学した理由。
ここは正直どーでもよかったんですが、コネクトは設定を考えるのが大の大好きなんですw
だからキャラ設定の項目が無駄に多くなってるんですが、この理由もそのひとつ。
最初はただ単に友情出演という形をとっていたんですが、様々な設定を構築していくうちに
「じゃあ設定しちゃうか」的な心境になっちゃいましたw
この大量の設定を生かしきれるか、そこが甚だ疑問です。


長くなりましたが、第3回はここまで!
またあいませうー ノシ