コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

PSO2小説だだだだだだ

カルカーロの戦士達

 #3 夜、集会にて



終業のチャイムが鳴り響く。今日の日程はコレで終わりだ。
さっさと帰ってゆく同級生達を尻目に、コクトことコネクトはゆっくりめに歩いていた。
「おーい、コクトー!」
その背後から、朝と同じ声がかかる。コネクトは振り返り、一言。
「おーすリクウ。今日はそっちも早かったんだな」
というのも、リクウとコネクトは違うクラス。いつもリクウのクラスではショートホームルームの後に
十分ほどの反省会があるのだ。
だから、どうしたのかとコネクトは聞いてみた。
「知らないけど、センセーが会議なんだってさ。ラッキーなことこの上ないよ」
そうか、とコネクトは味のない返事を返す。
「そうだ、コクト。これからさ、俺の家来ないか?」
「え、なんで?」
「久しぶりに新しいゲーム買ったんだよ!ちょっと見てもらいたくてさ」
ゲームといえば、二人の大好物ともいえるものだ。だからコネクトも断りたいとは思わなかったが、
「悪い、この後ちょっと知り合いとの用事があるんだ。今日はパスさせてもらうよ」
断りたくない誘いがあったのだ。天秤にかけると、やはり約束事のほうが重い。
「あらら、そうかー。じゃまあ、土曜にでも遊ぶか!」
「そうだな……っと、今何時だっけか」
呟くと、コネクトは腕にはめたリストバンドに触れる。途端、いくつものディスプレイが浮かびあがり、
ついで一瞬にしてホーム画面が表示された。
「うおっ!それ、アークスバンドのレプリカか!?いいなあ〜!」
横で確認したらしいリクウがはしゃぐ。つられてコネクトも笑う。
「お前はこれから本物が手に入るだろうが。俺としちゃ、そっちのほうがうらやましいよ」
そうだった、とでも言いたそうな表情になり、コネクトはがっくりうなだれる。
ふと浮かび上がっている時計表示に目をやると、もう6時半だ。約束では7時につくと言っているが、
なにぶんここからは遠い。少し急がねばならないだろう。
「悪い、そろそろ時間だ。……じゃあ、また」
「ああ、また明日なー」
路地裏に入り込むと同時に、コネクトはダッシュした。



「どうも〜……」
トビラをあける。見ると、そこには朝の2人がいた。
「コネクト君、いらっしゃーい」
「…やあ」
片方は雨野ユウナことあめゆぅ。もう片方は神楽アリサこと神楽だ。
きょろきょろと見回し、コネクトが疑問を口に出す。
「トウアさんとチアキさんは?」
「トウアが迎えに行ってるよ……といっても、結構たつなー」
「与太話でもしているんだろう」
のんびり答えるあめゆぅとスパッと答える神楽。微妙な空気の摩擦が起こる。


数十分後、流石に女性二人男性一人の状況が気まずくなったころに、ようやくその人は帰ってきた。
「あ、お帰りアハ……トウアー。遅かったね?」
「…邪魔している」
「トウアさん、お邪魔してます」
「ああ、ちょっと待っててくれ。すぐ料理もって来る」
印乃トウアことマークアハトの表情が沈んでいるように見えたのは、気のせいだろうか。
と、アハトが台所に入ると同時にもう一度ドアが開く。
「こんばんはー。遅れましたー」
瑠璃チアキことルチアだ。そのおっとりした声に、あめゆぅが即座に振り返る。
「ルチア姉さまー!お久しぶりー!」
座ろうとしたルチアにあめゆぅがとびつく。そのままクッションの上にすっ転んでしまった。
ちょっとまずい光景なので、コネクトはテレビ(あめゆぅたちからは反対方向にある)に目を移す。
数分騒がしくなった後、アハトが料理を持ってきた。
「お待たせー!アハト特製マグマクッカーじゃー!」
「「「待ってましたー!!」」」
その後しばらくは、無言で辛味と旨味の絶妙なハーモニーに舌鼓を打った。


「ごちそうさまでしたー」
「むふー、美味しかったー」
「わざわざありがとうございます、アハトさん」
「…ご馳走様」
数十分後、綺麗に食べつくされた料理を囲み雑談が開始された。
「…そうだ、明日からの日程、どうします?」
コネクトが聞くと、アハトが難しい顔になった。
「……悪いけどオレ、しばらく戦闘から離脱させてもらってもいいか?……確かめたいことがある」
その真剣そのものな目を見て、あめゆぅが言う。
「いいよ。がんばってね」
あめゆぅは気遣いのできる人間だ。記憶をなくす前は何をしていたんだろうとコネクトは思った。
「それじゃあ、明日はアムドゥスキアにでも行きませんか?最近、キャタドランが異常発生してるって
聞いてますし」
ルチアの提案に、離脱するアハトを除き全員が頷いた。
「重ね重ね、すまない。そしてサンキュー。このツケは、また返すから」
「気長に待ってますよ」
コネクトの言葉には、ただ頷きを返した。



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アハトの自宅でてんやわんや騒いだその後。
クタクタになりつつ、コネクトは自室のあるマンションに帰ってきていた。
常備しているカードキーを取り出し、トビラの横にあるスリットに滑らせる。
静かな開閉音を鳴らし、ドアが開く。
―――そこでコネクトは、身を停止させた。
「……待っていたぞ」
なぜなら、施錠したはずの部屋に、白衣の女性が侵入していたのだから。



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はひー、終了w
今回はネタ集めに苦労しましたが、日常の会話がとてつもなく役立ちましたw