コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

ようやく小説更新w


カルカーロの戦士達


#6 黒い男



コネクトは空を走る。データの奔流が顕現した流星となって。
目指す場所にはテレパイプ。しかし、コネクトは無視する。
「くぉっ!!」
上体を上に起こし、進行方向を地面と平行にしたのだ。無茶な方向転換によるGで、体が軋む。
それでもコネクトは進む。目指すは火山の頂上。



「マーク…ゼェクスウウウウウゥゥゥっ!!」
男――マークゼクスを呼ぶ声に、ゼクスは振り向いた。流星が肉薄してくる。
その中に、一本の剣が見えた。ガンハチェットだ。
「……アハト、お前の連れか!」
ゼクスはただ不敵に微笑む。その直後、振りぬかれた剣はダーカーの体に突き刺さって静止した。
流星の奔流が途切れ、少年が現れる。
「邪魔……だあっ!!」
ダーカーに突き刺したままのハチェットを強引に変形させ、体内に直に銃撃を食らわせる。
「ははは、面白いじゃないか、キミ!」
ゼクスは居合いの型を取る。コネクトの本能に危険信号が発される。
しかし一歩遅かった。不可視の刃が背負っていたグングニルを柄から切り裂き、アルバギガッシュ
弾き飛ばし―――
愛剣であるガンハチェットの、その刃を切り落としたのだ。
「――――?!」
一瞬、何が起こったのかわからなかった。否、わかりたくなかった。
5年間の間ずっとその手に握ってきた相棒。それを、こんな形で失うとは。
「……っがああああああああああっ!!!」
怒る。コネクトは怒った。愛剣の半身を投げ捨て、さらに背負っていたワイヤードランス
「デイライトスカー」を取り出し、振りぬく。
先端が射出され、ワイヤーでつながれた刀身が嵐のごとく乱舞する。
「…だめか」
ゼクスはためらった様子でその乱撃をかわすと、背から何かを取り出した。
「っ!」
それはまごう事なきガンスラッシュだった。それも、彼が使っていた「アキシオン」と同じもの。
それを見て、コネクトは駆け出しかけていた足を引き戻した。同時に、口からスペルワードを発する。
「…レイド・ジ・エルカルティオ……『グランツ』!!」
光魔法「グランツ」のスペルを組み立て終わると同時に、ゼクスの頭上がきらめいた。
「おっと?!」
立て続けに5本の光矢が降り注いだ。通常、ハンターはフォトン消費が激しいがゆえに
テクニックは使用禁止とされているはずなのに。
この少年は、自らを省みず技を酷使している。それほどまで、彼のことを……
「キミ、一つ聞かせてもらおう」
はあはあと息を切らせながら、コネクトは聞き返す。
「何を、だっ」
「……どうしてキミは、そこまでアハトに固執するんだ?他に仲間がいるのなら、彼らと共に
戦っていけばいいじゃないか」
ゼクスの問いかけに、コネクトは鼻を鳴らした。
「……アンタにゃわからんさ。アハトさんは戦友である以前に、友達で、『クルーニクス』の
一員なんだよ!……欠員は許さないのが、俺らのモットーでね!!」
威勢良く啖呵を切る。その自身のこもった瞳に、ゼクスは苦笑した。
「そうか…………ならひとつ、いいことを教えてやろう」
「……?」
ククッと喉の奥で笑うと、コネクトに爆弾を突きつけた。
「アハトは、もうここにはいない」
「―――なにっ?!…どういうことだ!」
「そのままの意味さ。オレの流した嘘情報で、今頃は惑星ホレイトスにでも向かっていることだろう」
「……確証は」
訝しげな目で、コネクトは聞く。ゼクスが手に持ったアキシオンをこちらに放り投げてきた。
「あいつの忘れ物さ。届けてやれよ、キミが」
「…………」
無言でアキシオンを引き抜くと肩に担ぎ、テレパイプ目指して走り出した。
「……さて、と。アハト、お前は彼らを守りきれるかな……?」
ゼクス一人になった火山の頂上に、控えめな笑い声が響いた。





「コネクト!」
「コネクトさん!」
テレパイプ直前で、コネクトは追いかけてきたルチアと神楽に合流した。
「……あの、アハトさんは?」
コネクトはあくまで無表情を貫く。
「真偽は不明ですが、惑星ホレイトスへ向かったそうです。…俺、追いかけてきます」
「ちょっとまった、アタシ達もいくよ」
テレパイプへ入ろうとしたコネクトの肩を、ルチアの手がつかんだ。
「……俺は単独でいかせてもらいます。ついてくるなら勝手にどうぞ」
はき捨てるように言うと、コネクトはテレパイプに入った。
「……乱れてますね、コネクトさん」
神楽が言う。しかし、皮肉とも取れるコネクトの言葉に、ルチアは憤りを隠せずに入られなかった。
「……わかったわよ」
「ルチアさん?」
「……アタシ、あいつにはついていかないからね。神楽、あなたもついて行っちゃダメ」
いきなりのことで、どうしてか神楽にはわからない。
「何故ですか?!ホレイトスといえば、機甲種エネミーの巣窟……彼一人じゃ危険です!」
「………………あいつは単独で行くって言ったからね。アタシらは無関係よ、関与する隙間はない」
それだけ言うと、ルチアはさっさとテレパイプへ入っていった。
「………………」
迷う神楽ただ一人が、その場に取り残された。



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アハトさんが合流せずに脱出してったのでw
ここからは二つの視点を同時に描いていきますゆえ、ご了承を〜
最近行数を長くできないのが悩みorz