コネクトの雑記スペース

創作小説、オリキャラ設定などの雑な記事を取り扱うところです。

プロットって大事だね

ばぼーん(背後で爆発)コネクトだーっ(キメポーズ


いきなりですが、小説書くときのプロットって大事ですよね。
自分は大体行き当たりばったりで書いていくんですが、プロットを書いたりしたら
稀にそれを基盤としてものすごい勢いで物語が構築されるときがあるんですw
まさしく鋼鉄の瞳が現在進行中なのです(ドヤァ
ま、そんなモチベーション云々の話は置いといて、ラスト2話を頑張りまっす!!


*********


#09 決戦


「ハイヴ……っ」
コクト達の眼前にそびえる、巨大な船のごとき何か。その異様な姿は、
過去にも見たことがある。
よもや、こんな形で二度目の謁見となろうとは。コクトは頭を抱える。
そもそも、ここは人類始祖の星として今も多くの人間が住んでいるはずなのだ。
彼の脳裏に浮かぶ最悪の結末を、全力で振り払う。
「出るぞ、コクト!発振する前に止めるんだ!!」
急かすゼクスをとりあえず制し、コクトは計器を弄り始める。
逼迫したゼクスの声が聞こえる。焦る気持ちはここにいる皆同じだ。
「…まずは、アークセンチネルの主砲で攻撃してみます。俺のリパルサーと
同じ機構を持ったこの兵器なら、なんらかの効果が期待できるはずです」
言うが先か、コクトは筐体展開用のテンキーを操作。
コクトの持つガンスラッシュ「ダークリパルサー」に組み込まれた「フォトン注入」の機構を
そのまま大型化した筐体が横からせりでて、稼動を開始する。
「…ハイヴ本体に攻撃するつもりなら、無駄だぞ」
両手を押し当ててフォトン流入を開始しようとしたコクトを、ゼクスが制した。
「……どういうことですか?」
「実はハイヴの外郭装甲は、フォトンによる攻撃の一切を無効化する特殊バリアが働いているんだ。
以前突入したときは物理的に外郭を破壊したから成し得たのだ、それ以外に方法は無い」
つまるところ、外部から攻撃を加えて破壊を試みても無駄ということになる。
これにはホムラはもちろん、コクトも驚いた。
ハイヴは発進直前のごとく底部のスラスター状機構を駆動させており、もはや
一刻の猶予も無い状態だ。しかしそんな状態でハイヴの進行を阻止できないとなると、
解決策が浮かばなくなってくる。
「……今は泳がせよう。進行方向のオラクルに掛け合い、防衛軍を結成するしかあるまい」
静かに言うゼクスに、コクトも頷く。フォトン流入用の筐体から手を離し、
ハイヴと惑星の方角から目標となっているであろうオラクルを算出する。
数秒の後にモニターに投影された結果は、再度コクトたちを驚愕させた。
「…………予想方角、オラクル『カルカーロ』、接敵確立92,7%?!」
なんと、ハイヴの向かう先はコクトの故郷、カルカーロだったのだ。
「カルカーロだと…?まさか、リベンジでもしようというのか!?」
確かに、カルカーロは一度同じような敵に襲われたことがある。
そのときはクルーニクスとゼクスたちハウンドの助力もあり、撃沈に成功したのだが、
二度目の侵攻となるとそう上手くいくものか…?
考えるうち、ハイヴがふわと浮き上がってきた。もう発進してしまうらしい。
せめて数を減らそうと思い、筐体へ勢いよくフォトンを注入する。
すぐに重点完了を知らせるランプが点灯し、コクトは向きを変えてコンソールを操作。
ブリッジ下部に搭載された大型のレーザー砲に、淡く光が集束していく。
「…ここからでも、ちょっとは減らせますかね?」
射撃用のグリップを握り発射する直前、コクトはゼクスに問う。
ゼクスは静かに首を横に振った。
――それでも、気は安らぐ。
「ってぇぇ!!」
咆哮一発、アークセンチネルから光の矢が飛び出る。集束された光のフォトン
クォーツ・ドラゴンの額水晶から撃ち出されるレーザーが絡み合い、
一筋の流星を描きながらハイヴに直撃した。
ズバァァァァン!と炸裂音が重く響き、閃光が一時的に視界を奪う。
「…っ。どうだ?」
閃光が収まると同時にコクトは顔を跳ね上げ、直撃した証である煙が立ち昇る箇所を
凝視する。
やはり、表面には目立って傷はなかった。しかし、レーザーの熱で赤熱化しているのは認められた。
すぐに修復されるだろうが、希望はあるのだ。
それを確認するや否や、コクトは座席に座り込んで船の操舵を始める。
ハイヴの速度はそれほどのものではない。今すぐカルカーロへと帰還すれば、
十二分に軍備を整えられるのだ。
「…このままカルカーロに直行します。荒っぽくなるんで、シートに」
ホムラとゼクスが揃って頷く。二人がシートに着いたのを確認すると、コクトは
一気に各部を駆動させる。
ごうごうと底部から駆動音が響き、減圧装置を稼動させてもなお見に感じるほどのGが
ブリッジにまで伝わってきた。
「アークセンチネル、全速前進。大気圏突破と同時に非常用テレポータルを展開し、
カルカーロへと緊急帰投する!」
ガコンと操縦桿二本が引かれ、船体が急激に上昇する。
「待ってろよ、ダーカー共……!」
人知れず、少年は獰猛な笑みを浮かべた。


―*―*―*―*―*―*―


ラクル「カルカーロ」。
新光歴103年に始祖の星から出発し、二度の船団長交代により権限は現船団長「ハワード・ゲイン」に
わたる。以降彼の尽力により、アタック・シップの開発や個人艦艇の許可など、
他のオラクルとは違った道を歩み始めたそのオラクルは、過去3度ダーカーの襲撃を受けた。
一度目の襲撃は出航してまもない新光歴115年。雑魚ダーカーばかりだったが、その被害は一時的に
ライフラインを断絶させるほど酷いものとなった。
二度目の襲撃は新光歴233年。後に「ダーク・ラグネ」と呼称される大型ダーカーの襲撃を受けるも、
乱入した一人の海賊によって事なきを得る。
そして三度目は新光歴238年。ダーカー達の母船である「ハイヴ」の襲撃を受けるが、
カルカーロに籍を置くアークスチーム「クルーニクス」と民間の協力者により撃沈された。


そして今、その船団は4度目の攻撃を受けようとしていた。



「カルカーロ所属の正体不明艦より入電。『貴方への着陸許可を求む』」
カルカーロ主艦艇管制室。事務員達がひっきりなしに状況を報告している最中、カルカーロの識別コードを持つ船が
突如出現。着陸許可を求めてきたのだ。
不気味と取れるその船の要求に、事務員達は揃って首をかしげる
「どうかしたの?」
と、そんな管制室に少女が入室してきた。事務員達はモニターを覗き込むのをやめ、
少女に向かい敬礼する。
「はっ。カルカーロの識別コードを持つ船が船団周辺宙域に出現、こちらへの着陸許可を求めてきています」
簡潔な説明を受けると、少女はふぅんと思案する。
「…船体の名前は聞き出せない?」
「お待ちください」
数秒の後、パネルに一隻の宇宙艇の名が表示されると、少女はぴくりと反応した。
「……あぁ、この船か。通してあげて。あたしの友達なんだ」
「了解しました」
それだけ伝えると、少女はスタスタと去っていった。
「…お帰り」
艦艇格納庫へ向かう通路の中で、少女は静かに微笑みながら呟く。




《船団長より許可が下った。16番滑走路を使って着艦してくれ》
「了解。感謝いたします」
管制室との通信を終え、コクトは操縦桿を握りなおす。
「…堅苦しいものだな、どこもかしこも」
「普通はこんなものです。旅客艦以外は怪しまれて当然ですからね」
ゼクスの苦笑に苦笑を返しながら、指定された滑走路へと船を進める。
記憶が正しければ、16番滑走路は知己の船が停泊している場所だ。
おそらくそこで、彼女らと再会することになるだろう。そう考えると、不思議と体が軽くなる。


「いやぁー、久しぶりだなカルカーロ!」
乗り込み用ハッチを開放し、コクトたちは格納庫へと出る。
見慣れた光景であろうホムラと、感慨にとらわれているかのような顔のゼクスが後から下船してきた。
「コクト君!」
と、不意に女性の声がかかった。あわてることも無く、コクトは振り向く。
そこにいたのは、懐かしき友人達。ついぞ4ヶ月前に別れを告げ、しばらく会うことはなかったはずの
戦友たち。
「ルチアさん、それに神楽さん!」
そう、駆け寄ってきたのは唯一無二のチームメンバー、ルチアこと「瑠璃チアキ」に神楽こと「神楽アリサ」
だったのだ。
その後には、現クルーニクスのメンバー達も沢山いる。
増えたものだなぁと苦笑しつつ、改めて目の前の知己二人に礼をする。
「お久しぶりです、二人とも。…予定を繰り上げて、帰ってきちゃいました」
「そんなことだろうと思ったわ……。お帰り、コクト君」
「おかえりなさい、コクトさん」
どこか郷愁を感じながら、二人と握手を交わす。と、神楽の目線がコクトの後方にとんだ。
「…それに、すごく懐かしい人もいますね」
「いちゃ悪いか?」
「いえ……久しぶりですね、ゼクス
コクトと知り合う以前からの知り合いと聞く二人が、仲間の印として硬く握手する。
次いでチアキの視線が、もう一人の連れに飛んだ。「あら」とさして驚いてなさそうな声を上げる。
「また女の子?貴方もつくづく女運があるわねぇ」
「その話はよしてください、古傷から出血しそうです」
冗談めかしたやり取りの後、コクトはホムラを呼び寄せた。
「この子は『桜木ホムラ』。ある惑星で生き埋めになってたのを、俺が保護してきたんです」
「生き埋め……。ってことは、その子は今難民状態なの?」
理解力に秀でるチアキの脳にはかなわないなと苦笑しつつ頷く。
「はい。…それで、この子を引き取ってくれるところを探してオラクルを転々としてきて」
「それで、最終的にここに行き着いちゃったってわけね」
「ええ……。やっぱり、自分の故郷以外は頼れそうに無かったんで」
なるほどとチアキが頷くが、すぐに今回の本題を見抜いたようだ。
「で、ここに寄った理由は他にもあるんでしょう?」
「…お見通しですか。でもできれば、ここじゃなくて船団長に話がしたいんです」
船団長?とオウム返しにチアキが聞き、合点がいったように「あー」と呟く。
「いいわよ。アタシの知り合いが船団長に近いから、その子に掛け合ってみる」
彼女が知り合いでよかったと思いながら、「お願いします」と頭を下げた。


チアキの連絡からすぐ、コクトたちは船団長の部屋に通された。
通路を歩いている最中、ホムラが聞いてくる。
「ねえコクト君、ここの船団長ってどんな人?」
「ん、そうだなぁ……よく言えば寛大、悪く言えば自由奔放かな。でもあの人のおかげで、
俺はこうしてここにいるんだよ」
ハワード船団長の柔和な笑みが脳裏に浮かぶ。
「オレからしてみれば、合いにくい相手でもあるがな」
ゼクスにとっては、攻撃しようとした船団の長なのだ。会いにくいのはしょうがないことと言える。
そうこうしているうちに、あっという間にその部屋へと着いた。
「失礼します。神宮寺コクト、入ります」
毅然とした声で名乗った後、静かにその扉を開く。
学校の校長室のような部屋の雰囲気は、半年前に訪れたときとなんら変わらない様子だった。
が、変わったものが一つだけあった。
「…よくいらっしゃいました。神宮寺コクト」
船団長の座を持つ者のみが座る椅子には、柔和な笑みを浮かべる肉付きのいい男ではなく、
小柄なニューマンの少女が座っていたのだ。
しかも、その少女はコクトの知己でもあった。
「私が第4代目船団長、雨野ユウナです。……久しぶり、コクト」
「………あめさん?」
「ノイン?」
驚愕したコクトとゼクスの声が、静かな戦団長室に響く。
「うん。そんなに驚かないで?…一番びっくりしてるのは、あたしなんだから」
が、帰ってきたのは以外にもしおらしい声だった。少々意外に思いつつ、コクトが問う。
「…なんで、あめさんが船団長に?」
「それはアタシから話すわ。いい?ユウナ」
直後、後方からチアキとアリサが顔を出す。ユウナが頷いたのを確認すると、チアキ
とつとつと語り始める。
「事の顛末は、つい1週間前のことよ。…その日、唐突にハワード前船団長からメッセージが
届いたの。内容は『鑑定に来てくれ』のただ一文。
なんとなく嫌な予感はしたけど、結局はそれが当たってしまったわ……。
前船団長は、持病が悪化して船団長の座を返上したらしいわ」
持病による辞退。それがなんとなく、コクトには信じられなかった。
少し前までは肉付きのいい体を揺らしながら笑っていた彼が、まさか病の床にあったとは。
その気持ちはチアキも同じだったらしい。ふぅと一息ついてから、話が再開される。
「それで、この船には昔から『次の船団長は前船団長が決める』って決まりがあったらしいの。
それで、理由まではわからないけど、あの人はユウナをここの船団長に任命したわ…それが顛末」
チアキが口を閉じた後、周囲には微妙な沈黙が流れた。
が、その感覚に浸っている場合ではないのを思い出し、コクトが矢継ぎ早に用件を話し出す。
「…だったら、話がしやすくて助かる。あめさん、今からここの軍備を整えることってできる?」
いきなりの用件に動転しつつ、ユウナは頷いて見せた。
「えっ、あ、うん。あたしが掛け合ったら、多分すぐにでも整うと思う。……何か来るの?」
「ああ、最悪の敵がね……。皆、ハイヴって覚えてるか?」
ハイヴ。その一言を聞いたクルーニクスの初期メンバー達が、いっせいに凍りつく。
「…まさか、あのハイヴがまた?」
「そんな……、アレで終わりじゃなかったんですね」
「あぁ。俺としても、こんなバッドニュースは持ち込みたくなかった……。でも、
この船団を守るにはこれしかないんだ。……頼む。手伝ってくれ!」
強く懇願し、コクトは思い切り頭を下げる。
そう――この戦いは、誰かのために戦うわけではないのだ。
ただ純粋に、自分の故郷を守りたい。
その思いが、彼と彼の体を突き動かしている。
断られたときは、自分ひとりででも赴く。その覚悟は、結局無駄になった。
「…わかった。あたし、掛け合うね。」
「なら、クルーニクスも総動員しなきゃいけないわね。…今から動ける人、どのくらいいるかしら」
大規模な軍勢を持つ二人が、ただの賞金稼ぎである自分に協力してくれる。
「…私は、なんとかしてハイヴの侵攻を遅延させる手段を探ってみます。コクトさん」
「ん…?」
一人感慨に浸っていると、不意にアリサから声がかかった。
「一人で背負い込むのはよくないと、以前チアキさんに釘を刺されたはずですよ。
協力は見込めないなんて決め付けるのは、本当に断られたときにしてください」
言葉は辛辣だったが、その表情は静かに笑んでいる。
「…あぁ」
短く返事を返し、コクトもまた船へと戻る。
もう一度、故郷を守るために。



「コクト君、きたよー」
船内の自室で武装の点検をしていると、ホムラがやってきた。
「やぁ……さっそくだが、これを」
コクトが武装の山からひとつをつかみ出し、ホムラに投げてよこす。
「おっとと……。あ、これって」
「あぁ。俺の相棒さきっとお前を守ってくれる」
そう、コクトがホムラに譲渡したのは、幾度もコクトと戦場をかけた相棒「ダークリパルサー」だった。
見た目も変わらず、主の力をホムラに伝達するかのようにフォトンの刃が脈動している。
「…いいの?こんな大事なもの」
「あぁ……。これが終わったら、ホムラ用に改修してもらうよう言ってみる」
「ホントに?やったぁ、ありがとう!」
無邪気に笑うホムラを見て、自然と頬が緩む。最初は少々なじめない光景だったが、
回を重ねるごとに不思議となじんできた。
人間これが慣れなのかと内心で苦笑しつつ、自身の武装の最終点検に取り掛かる。
「…全く。こいつらの力を借りるのは、できれば無いほうがよかったんだがな」
「でも、こうなった以上はしょうがないと思うな。…ダーカーは見境ないって聞いたから」
「あぁ、あいつらは見境無く人を襲う。だからこそ、俺達アークスが抑止するんだ」
格好付けて控えめに笑うと、マウントポーチにしまっていた武器類をいっせいに射出した。
ガランガランと音を立てて、決戦のための得物たちが床に現れる。
まず手に取ったのは、アルバクレイモアから換装した「ヴィタキャリバー」。
クリムゾンレッドの刀身が、獲物に飢えているかのように輝く。
もう一つは「ヴィタハルベルト」。ヴィタキャリバーとは対照的な深い藍色の刀身を持つ、
コクトの新たなる得物たち。
さらに手に取ったのは、クシャネビュラを改良した「ラムダクシャネビュラ」。
紫色の刀身は山吹色に染まり、ワイヤーを合金製へと換装したコクト珠玉の一品。
それらをすべて点検してポーチに押し込んだ後、しばし思案してコクトは立ち上がる。
部屋の隅にひっそりと立てかけられていた武装を、そっと手に取った。
「…それ、ソード?」
「いや、違う。似てるけど、こいつはガンスラッシュだ」
へぇー、と歓声を上げるホムラと共に、手に持ったその大振りな得物をしばし見つめる。
その武器は、今は亡き(といっても本人曰くそろそろ復活するらしい)マークアハトの忘れ物。
いつかゼクスに届けてくれと頼まれてそのまま渡せなかった、彼の強力無比な得物。
小口径銃の上下に大振りの刃を強引に取り付けた規格外の武器「アキシオン」は、
主の帰りを待っているかのように冷たく光る。
「…お前の持ち主に、許可は貰ってある。今回だけ、力を貸してくれ」
だれに話しかけるでもなく呟き、マウントポーチへとそれを落とし込んだ。





「……ずいぶんと集まったな、こりゃ」
出撃待機用の格納庫には、既にたくさんのアークスたちが大挙して押し寄せていた。
皆思い思いの得物を持ち、出撃のときを今か今かと待っている。
「ユウナが掛け合ってくれたのよ。…皆、ここを守りたいって思ってるから」
コクトの独り言には、遅れて姿を現したチアキが返した。
振り返って見ると、彼女の後にも四人の小隊長達が待機している。
そしてそんな精鋭たちの中には、コクトの旧知に当たる少年もいた。
「あ……リクウ」
半年前のハイヴ迎撃の後、一番槍にクルーニクスへ志願してきたコクトの友人「光圀リクウ」だ。
クルーニクスのチームメンバーとして活躍していることはチアキから聞き及んでいたが、よもや
サブリーダーにまで昇格しているとは思わなかったのだ。
「おう、コクト。久しぶりだな」
半年前のやんちゃなそぶりはなりを潜め、小隊長らしい落ち着いた物腰に変わっている。
半年でここまで変わるのか…と感慨深く思いつつ、コクトも改めて挨拶を交わす。
「久しぶり、リクウ。…いつの間にか俺より立派になりやがって」
「バカ言え、英雄様に勝るやつはいねえよ」
「…俺は英雄じゃない。ただのいっぱしの賞金稼ぎさ」
「謙遜すんなって。そう思ってても、お前はカルカーロの英雄様なんだよ」
表面上は軽く、しかし内心では事実を受け止めあいながら、コクトたちは談笑する。
少しすると、艦長室から直結しているスピーカーが起動し、そこからユウナの声が流れ始めた。
《カルカーロアークスの皆さん、集結してくださったことに感謝します。私がカルカーロ4代目船団長、
雨野ユウナです》
船団長じきじきに挨拶かよ、可愛い声だなぁなどと周囲からどよめきが生まれるが、次の言葉が発されると同時に
ざわめきはぴたりと止む。
《…今回、私の知己から入手した情報から、半年前に迎撃したダーカーたちの母船ハイヴが再び
このカルカーロに迫ってきていることがわかりました。
……船団長より、直接あなた方にクライアントオーダーを申し込みます。
皆様にはハイヴを撃沈し、このカルカーロを…私達の故郷を、守っていただきたいのです》
ざわめき、歓声や悲鳴を上げる者はいない。
《私達政府軍も、出来うる限り援助します。今一度訪れた危機に、今度は全員の力を結集して立ち向かいましょう!》
力強く言葉が締められると同時に、アークスたちから盛大なときの声が響いた。
「…さすが、ユウナは統率に長けてるわね」
クスクスと笑いながら、チアキはコクトを呼ぶ。
「コクト君、今度は皆が協力してくれる。…貴方一人が無茶をしていいなんて、絶対に考えないでね」
「…………ふふ、肝に銘じておきますよ。絶対に勝ちましょう、ルチアさん」
静かに、しかし激しく闘志を燃やす二人の拳が、こつんと打ちつけられた。


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い、一旦終了っw
ヤベえ、このまま続けたら超長くなっちゃう!
というわけで、切る場所を若干変更して9話をお届けいたしまーす!
この尺とプロットの都合上、ホムラの正体は最終回までお取り置きですねw


ちなみにホムラの正体ですが、実はここまで一度も伏線らしい伏線をちりばめてません(何
ですので、読み返しても彼女の正体はわかりませんよ(失笑
近い人間としてはゼクスさんがいるんですが、彼でも感づけなかったようですねぇ。
いまの一文でわかってしまった方、ネタばらしは禁止ですよ(釘刺し


さてさて、最終回は1章と同じようにハイヴ内戦闘になるんですが、展開までいっしょというわけではありません。
特例の大規模戦闘として、たくさんのアークスが出張してきますw
なので幾分か戦闘は楽なはず…なんですが、そんなことしたら面白くないですよね?よね??
大丈夫です、その辺もきちーんと完成しております!
ただ、描写によってはラストカットがただの少年漫画になっちゃうかもですがwww


それじゃ、今回はこの辺で!
次回またあいましょーっ ノシ